パーツ取付・交換
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
タイヤのプラットフォームとは?スリップサインとの違い
車の安全走行に欠かせない、需要な保安部品であるタイヤについて、皆さんはどれくらい知っていますか?万一の不慮の事故に備え、タイヤについての知識を深めることで、安全運転にも繋がることでしょう。ここではタイヤのプラットフォームとスリップサインについて解説します。
「スリップサインが出たらタイヤ交換」という認識をしている方は多くいらっしゃるかと思いますが、実際、どんなサインなのか、どこについているのか、どう見るのか、まで理解している人は少ないのではないでしょうか。スリップサインは、タイヤのトレッド溝の部分にある「タイヤの使用限界を表す目安」です。通常、トレッド面の4~9ヵ所に設置され、日本では法律(道路運送車両に関する保安基準第9条)で「いずれの部分においても1.6mm以上の深さを有すること」と明記されています。
その基準となる「1.6mm」を判断する為の目安となる印が「スリップサイン」です。タイヤの側面をよく見ると、△の印が何ヶ所かについています。その印がある箇所のトレッドの溝を見ると、1部分が浅くなっているのがわかると思います。これがスリップサインであり、この箇所だけ高さ1.6mmになっています。タイヤが擦り減ってこのスリップサインと同じ深さ(高さ)になると、使用限界値である1.6mmというわけです。スリップサインが出たら「タイヤを交換した方がいい」のではなく「タイヤを交換しなければならない」印として認識してください。
参考:http://www.mlit.go.jp/common/001056254.pdf
タイヤのプラットフォームとは何か、スリップサインとどのように違うのか
スリップサインに対して「プラットフォーム」という単語があります。これはスタッドレスタイヤについているものですので、夏タイヤしか使わない方にはわかりにくいかも知れませんが、「スタッドレスタイヤとしての使用限界を表す目安」です。スタッドレスタイヤは、雪をつかまえて走行する為に、溝が深く、サイプ構造のブロックパターンやトレッドのコンパウンドが柔らかいのが特徴です。タイヤが擦り減って溝が浅くなってくると、スタッドレスタイヤとしての機能を十分に発揮できなくなってきます。この目安が「プラットフォーム」であり、溝の深さは新品の50%を表しています。スリップサインと同じようにタイヤ側面に印がついていますが、プラットフォームのサインは矢印です。プラットフォームが露出した時点で、新品から50%摩耗したということです。残り溝が50%以下になるとスタッドレスタイヤとしては使用できません(使用限界)。しかしながら、夏タイヤとしては、使用が可能です。プラットフォームが摩耗すると残り溝1.6mmでスリップサインが現れます。プラットフォームが出たタイヤは夏タイヤとして使用はできるものの、スタッドレスタイヤとしての性能は期待できませんので、冬到来前には交換が必要になります。「スリップサイン」とは、タイヤの使用限界を示す基準であり、「プラットフォーム」とはスタッドレスタイヤの使用限界を示す基準の違いです。よって、スタッドレスタイヤには2重構造によりスリップサインとプラットフォームの両方の表示がついています。「スリップサイン」と「プラットフォーム」の理解は、タイヤの状態を知るためにも、また、車を安全に走行するためにも、そして法令を遵守するためにも、とても重要なものになります。車を利用する際のタイヤ点検時には、「スリップサイン」と「プラットフォーム」を確認するようにしましょう。