パーツ取付・交換
更新日:2021.01.01 / 掲載日:2021.01.01
バンパーの材質・素材の種類と特徴とは
車は次々に新しい技術が取り入れられる、現代技術の粋を結集させた製品と言えますが、それはバンパーなどのごく一般的なパーツにも及んでいます。1970年代位からのバンパーの変化を見ていくとそのことがよくわかります。そこで今回は、過去から現在に至る、バンパーの材質・素材について解説したいと思います。
車のバンパーにはどんな材質・素材が使われているの?
バンパーは、車が何かに衝突した際に、その衝撃を吸収・軽減して、ドライバーや同乗者、歩行者、車体などを保護する役割を果たしています。そのため、バンパーの素材としては以前からある程度強度があって、衝撃を吸収し軽減できるという条件にあった様々なものが使われてきました。代表的なバンパーの材質・素材について見ていきましょう。
スチール(鉄)製
1970年代頃までは、鉄製のバンパーが主流でした。表面を銀色にメッキしたものがほとんどで、重く頑丈にできていています。そのため、軽く衝突した程度なら少し傷がつく程度で変形することもほとんどありません。ボディから簡単に取り外せる分離型が一般的で、変形した場合でも板金修理で簡単に直すことができます。この時代までは車は衝撃を受け止めるために頑丈に作ると言う発想が根付いていました。
樹脂製
1980年代に入ると、鉄に変わって樹脂製バンパーが主流となりました。特に高級車やスポーツ系の車に多く用いられたウレタンバンパーは、柔軟性があり、復元力が強かったため人気を集めました。しかし強度に問題があり、軽い衝突で割れたりすることが多く、修理もしにくかったため、何かあると交換になってしまうという欠点があります。ただし、鉄製のバンパーの時代からは、急激にボディデザインが進化したと言えるでしょう。
PP(ポリプロピレン)製
1990年代以降、現在に至るまでのバンパー素材の主流はPP(ポリプロピレン)です。車の部品として使われる素材としてはFRP(繊維強化プラスチック)やABS樹脂などもありますが、FRPやABS樹脂は破損した際に鋭い断面ができるという欠点があるため、バンパー素材としてはPPが総合的に優れているという判断になっています。また、成形しやすいという面でも優位性がある素材です。ここ数十年ほどの間に、バンパーの材質や素材が大きく変化してきたことがおわかりいただけたでしょうか。今後ともバンパーは進化を続け、車や歩行者の安全性や、デザイン性をより一層高めた新しいバンパーが登場してくると考えられます。