ホイールベースとは？長さ次第で乗り心地が変わる！？ロングorショートのメリット・デメリット

「ホイールベースという言葉を知っているが、詳しくはわからない」
そんな方に向けて、今回はホイールベースの意味や乗車時の影響について解説します。
ロングホイールベースとショートホイールベースの強み・弱みについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ホイールベースとは、車体を真横から見て「前輪」と「後輪」の車軸間の長さのことです。

国産車であれば、一般的に「mm」単位でカタログに表記されています。ホイールベースの長さによって、「車内空間」「操縦安定性」「小回り」が変わるからです 。

特に「室内スペースの快適性」「操縦の安定性」を確保している車両は需要が高く、国内ではホイールベースが長いものが増えています。ボディ構造が進化していることも、その理由の一つです。

ただし人によって好みも違うので、ロングホイールベースとショートホイールベースのどちらが良いとは一概には言い切れません。どちらにするか迷っている場合は、双方のメリット・デメリットを把握したうえで、試乗することをおすすめします。

ロングホイールベース車には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

ロングホイールベース車には、「乗り心地と直進安定性の良さ」「室内空間を広く確保できる」といったメリットがあります。

ロングホイールベース車の乗り心地が良い理由は、路面の起伏に対して緩やかに対応できるからです。ホイールベースが短いと、前輪が起伏を超えてからすぐに後輪が起伏に差しかかるため、短時間に連続して衝撃を受けることでドタバタしてしまいます。

ロングホイールベースであれば、前輪が起伏を乗り越えてから後輪が差しかかるまで時間があります。前後輪でそれぞれ対応できるので、ドタバタすることがないのです。

またホイールベースが長くなると、室内空間が広くなります。乗 車スペースの広さを重視している方は、ホイールベースの長さに注目してみてください。

ホイールベースが長くなると、「小回りが利きにくくなる」のがデメリットです。車はカーブを曲がるとき、後輪は前輪よりも内側を通ります。この差を「内輪差」と呼びます。
内輪差はホイールベースが長くなるほど広がるため、それまではスムーズに走行できたカーブも、慣れない間は切り返さなければならないことがあります。

ショートホイールベース車のメリット・デメリットは、ロングホイールベース車と正反対です。

ショートホイールベース車のメリットは、「小回りが利く」ことです。内輪差が小さくなるため、ハンドルの切り替えがスムーズになる魅力があります。そのため、ロングホイールベース車と比べて裏道や細い道も楽に走行できるでしょう。

ショートホイールベース車のデメリットは、「室内空間の狭さ」「安定性の低さ」です。
左右上下の振動も大きく、乗り心地に影響します。
室内空間においては、後部座席の人が狭く感じるケースが多いです。例えば軽自動車は、大人4人で乗車すると圧迫感を感じやすくなるでしょう。

トレッド比（W/T）は、ホイールベースの長さを判断する数値です。ドレッド比を出すことによって、その車がロングホイールベース車かショートホイールベース車かの判断ができるようになります。トレッド比の算出には、「ホイールベースの長さ」と「トレッド幅」の数値が必要です。
カタログで簡単に確認できるので、気になる車両があれば確認してみるといいでしょう。

トレッド比は、「1」に近くなるほどショートホイールベース、「2」に近くなるほどロングホイールベースです 。実際に例を使って計算してみましょう。
※計算に使用している数値はすべて仮想データであり、実在のものではありません

計算式：3,000÷1,500＝2
「2」なので、ロングホイールベースと判断できます。

計算式：2,549÷1,988＝1.282……
「1」に近い数値なので、ショートホイールベースと判断できます。

ホイールベースの長さは、人によって好みが分かれます。安定性・快適さ・小回りの効きやすさに差が大きく出てくるので、新車購入時はホイールベースの長さをチェックしてみましょう。
また、ロングホイールベースも、ショートホイールベースも、数値や見た目では違いがわかりにくいことも多いので、時間のある方は試乗することをおすすめします。