BMW　F30　320d　走行不能･･･AT修理＆コーディング 名古屋市西区｜車検・点検・修理のグーネットピット

BMW　F30　320d
中古車で購入されて3か月が経った頃、突然走行しなくなってしまったとの事でご相談です。
購入元では、中古車保証に加盟しており、中古車保証は100万円まで保証されるとの事ですが、購入店舗がBMWディーラーに見積依頼した所・・・・
修理費用260万円也・・・。
160万円の自腹負担を迫られ、GooPitや弊社WEBをご覧になりご連絡いただきました。
正直な所、お引き受けするか非常に悩んだのですが、お客様より時間はかかっても構わないというお言葉を頂いたのと、中古車販売店様からご丁寧な挨拶も頂き引き受けざるを得ませんでしたｗ

最初にご相談いただいたのは、まだ残暑真っ盛りの8月末です。
積車で運ばれてきたF30はパーキングから抜けない状態で、裏技を使って積車から下ろし、搬入されました。それから診断を重ねに重ね、同業者に相談し、ATのスペシャリストを名乗る同業者様にも相談しましたが・・・

このBMWの8速AT　8HP50Z　という方のATは非常に優秀で故障事例もほとんどなく、原因の特定には難航を極めました。

最初のDTCです。私の走り書きメモがありますがお気になさらず（笑）
Autelや純正機ISTAを接続し、各種データを拾い出していきますが、このATは意外と診断項目が少なく（ATメーカー門外不出）困難を極めます。
構成部品を大きく分けると3つとなりますが、
（ECU・AT本体・バルブボディ）
そこの切り分けだけは済ませなければなりません。
厄介なことに、D・Rでは全く走らないこの車両ですが、なぜかNだけ数秒間走る事が出来ます。
これが引っ掛かり、結論を出すのに多くの時間を要してしまいました。

中国のコピーメーカーが、ソレノイドバルブ単品を販売しておりました。
価格的に非常に安価だったことから自腹でｗとりあえず交換してみて様子を探ってみようと思い輸入して装着。
オイルパン等々再利用で組み込んでみたところ、走らないわ、ＤＴＣは増えるは散々な結果に。
しかしながらＤでも少し走るようになり、検証を重ねた結果、バルブボディを変えてみようという結論となりました。

バルブボディの発注に入りますが、普段お付き合いのある部品商さんからは良い返事が得られず、正規ディーラーからも、お勧めしない・売りたくないとのお返事。
色んな所に問い合わせをし、ドイツやオランダの中古部品商・リビルダーまで問い合わせをします。
オランダの中古部品商が3000ユーロで在庫を持っていました。
しかしながら、日本の部品業者が並行輸入でバルブボディの新品を手配できるとの返事があり、価格も日本価格のリビルトと同程度であったことから、新品を並行輸入する事となりました。

1か月半が経ち、ようやく部品がドイツより送られてきました。
1か月を過ぎたころ、お客様から目途が立ったか問われ、連絡を取ってみたものの返信は無くｗ返信前に部品が届きました。
5000ユーロ以上のこの部品、間違いないとは踏んでいるものの、変えて直らんかったらどうしようと思いがあり、その晩は残業して深夜に組込みしました。

バルブボディの締め付けトルクは8Nmです。
デリケートな部品ですからトルク管理は必須です。

組込みが終わり、ＡＴＦを充填して、プログラミングを施します。
最近の車両は、電子部品の整合性が必要で、部品交換にプログラミングが出来る環境は必須です。
Autelの方がISTAより早いのでAutelにてリプロを行います。

その結果・・・・・

動きました！

バックも出来ました！（笑）

ATFの圧送交換を行い、油糧の調整をします。

BMWの駆け抜ける喜びは復活しました！

お客様からご要望のあったコーディングも実施。
アイドリングストップのボタン押しから解放されるラストモードに、デイライトのスイッチ追加です。

長期にわたりましたが、予算の100万円は少々超えたものの、とても良い結果になりました。

私もたくさん勉強させて頂きました！

辛抱強く待っていただいたお客様には感謝です。

また、相談に乗って頂いた、各社様にもこの場を借りて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

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