- 板金・外装補修
2021年04月21日 16:04なぜ板金塗装の料金は高いのか? 理由があります
板金塗装が高いのは確かです。
皆さんお元気ですか?バッチリ!カトシンです。
板金塗装の見積もりを取ると・・・高いですね。
なんでこんなに高いのでしょうか?
「凹みを叩き出して色を塗るだけでしょう?」のご意見ももっともです。
でも・・・高いのも理由が分かれば納得できるかも?しれません。
今回はそんな板金塗装が高くなってしまう理由を説明いたします。
言い訳なんて言わないでね
自動車用塗料は高価です
まず、自動車補修用塗料自体が非常に高価です。
自動車メーカーから純正の塗料は発売されてないので大手塗料メーカーの高価な塗料を買うしかありません。
塗料と同時に調色レシピ(これが超重要)も供給されるので・・・ホームセンターの塗料では車の色は作れないでしょう。
試しにホームセンターの塗料の値段を見てみてください・・・意外と高価です、自動車用塗料は更に高価です。
自動車の色は約10色位を混ぜて深みのある色を作るので・・・仮にホームセンターの塗料を使ったとしても・・・塗料だけで3万円近くするでしょう。
自動車の塗装屋は必要な分だけ小分けで使うので、これでも意外と割安なんですよ。
しかし、その中でも必要だが使用頻度や使用量の少ない塗料は一定期間で期限切れになり品質的に使えなくなり廃棄せざるを得ません。
隠し味の様なちょい足ししか用途の無い色も必要なので・・・。
残念ながら工場経営的にはそんな塗料も計算に入れなければいけません。
仕入れた塗料が全量使い切れればコストダウンが出来て還元できますが・・・現実的に厳しいのが現状です。
オーダーメイドで色を作るので高価です
同じ車の色でも生産時期や生産工場によって新車からバラバラです。
更に日焼けや色褪せで、一台の車でも屋根と側面では色が違ってきます。
塗料メーカーのレシピ通りでは違和感が大きすぎてクレーム物です。
なので修理部位に合わせて一台一台オーダーメイドで調整が必要です。
この調色作業が高度な技術や経験が必要で試し塗り塗料も時間も必要なんです。
この調色作業も塗装代が高価な原因です。
色の違いは小学生でも分かってしまうので手は抜けません。
設備が高価です
塗装品質を上げるには塗装ブースは必要です。
塗装時のミストや匂いも処理するので環境的にも欠かせない設備です。
しかし・・・非常に高価な設備です。
塗装ブース本体のみでも500万円から1000万円以上もしますし、設置工事だけでも数百万円は必要になるでしょう。
しかも塗装ブースは定期的なメンテナンス(フィルター交換)が必要でコストが掛かります
更に温度調整の灯油やプロパンガスなど動かすだけでお金が必要です。
100リットルの灯油も数時間乾燥モードで動かしたら使い切ってしまいます。
塗装料金にはブース使用量も加味されるので高額になってしまいます。
板金ではフレーム修正機も塗装ブースと同じ位の高価な代物です。
フレーム修正料金が高額なのはそのせいです。
塗装ブースもフレーム修正機もそれほど売れる物では無いので・・・超高価なのです。
しかし・・・設備が無いと仕事になりませんので・・・。
交換部品が高価です
交換部品代が高いのが板金修理代を引き上げてる最大の要因です。
純正交換部品のみで車を一台作ると・・・新車の3倍から5倍程度のお金が必要だと言われます、新車価格500万円のクラウンだと1500万円から2500万円必要です。
純正部品には部品管理料(在庫にも税金が掛かります)や在庫管理料、梱包料や運搬料、倉庫代や部品会社の人件費まで含まれるからです。
前廻りの事故の場合、部品代が修理総額の70パーセント位にもなったりします。
部品代は板金塗装屋の企業努力では如何ともしがたいので・・・高くなってしまいます。
最近はLEDヘッドライトや電子回路が増えているので部品代自体も高額化傾向です。
自動ブレーキの普及も高価な原因です
昔には無かった項目や装備が増えるケースもあります。
自動ブレーキの普及で高価なレーダーやセンサー、カメラなど外装に高価な部品が多いのも修理代が増加してる要因です。
ボディー表面のみの修理でも、レーダーやセンサー付きのフロントバンパーを外すだけでエーミング(再設定)が必要になってます。
エーミングには診断機が必要不可欠で・・・写真の診断機も80万円以上します。
またエーミングターゲット(レーダー反射板)も専用品が必要な車種もあり・・・ターゲットのみで10万円以上する設備も必要になります。
外注すれば設備は不要ですが・・・エーミングのみで数万円必要になります。
とにかく現場も自動ブレーキの普及で手間とお金が掛かって大変です。
その手間にもお金を頂かないと・・・経営出来ません。
消耗品を多用するので高価になります
単純な塗装作業でも紙やすりの使用量は相当必要になります。
プロが使用する紙やすりは裏がマジックテープになってまして特殊なのです。
しかも写真の様な丸型になると割高でコスト高な要因です。
ホームセンターでも紙やすりを売ってますが・・・それより高価だと思ってください。
また傷や凹みを埋めるパテも高価です。
低品質の安物は使えないので・・・ここもコスト高な要因です。
写真のエアーダブルアクションサンダーも一台4万円程のお値段です。
手でペーパー掛けするのとは仕上がりが違うので必要な道具ですが・・高価ですね。
その他にも養生用品やマスキングテープ、コンパウンドや接着剤。
コーキング剤やスコッチブライト(傷つけタワシ)などなど・・消耗品が必要です。
これらの消耗品代も塗装料金に含まれるので塗装代は高額になってしまいます。
整備とは別の道具も必要なので高価です
自動車塗装にはスプレーガンも必要になります。
プロレベルで毎日使用するとスプレーガンも長くは持ちません。
スプレーガンは細い経路を高圧エアーで空気や塗料を流すので・・・内部が消耗します。
消耗したスプレーガンは粒子が粗くなりムラの無い美しい肌が出来ません。
塗装品質に直結する道具なので定期的な更新も必要です。
更に透明塗料用やメタリック用、下塗り用などと使い分けるので数も必要です。
当然ですが足廻りやエンジン廻りの分解組み付けも必要なので・・・通常の工具も揃えなくてはいけません。
板金塗装は整備のみに比べて何かと多くの道具が必要となります。
広く浅くですが、赤字には出来ないので・・・費用が掛かります。
フロント廻りの修理は高額になります
最近は自動ブレーキの普及で前廻りの事故は減少傾向ですが・・・。
フロント廻りの事故は側面や後方に比べて高額になります。
ヘッドライトやメッキラジエーターグリルのお値段は高価です。
フロントバンパーもリアバンパーに比べて付属品が多く部品代が掛かります。
更にラジエーターやコンデンサーなど機能部品が壊れるとお値段が跳ね上がります。
もしも・・・エアコンコンプレッサーやABSアクチュエーターが潰れたら・・・どちらも10万円の部品代が必要です。
車が移動手段である以上は、この手の機能部品が壊れたままではいけません。
もしも同じ速度で前廻りと後ろ廻りをぶつけたら・・・前廻りの方が2から3倍以上の修理金額が必要となってしまいます。
フロントバンパーを軽くぶつけるだけで、内部機能部品はあっけなく壊れるものです。
高価な部品の集合体であるフロント廻りの修理には部品代が沢山必要です。
高い技能の作業員は大切です
板金塗装作業に定型作業はありません。
車種も多種多様でぶつかり方も千差万別だからです。
なので板金塗装屋のスタッフには高度に柔軟性が高い作業が求められます。
場合によっては写真の様な交換レベルのドアも修理する必要があります。
そんな修理方法はマニュアルなどありません、作業員の閃きで何とかする能力が求められるのです。
当然に人材の育成には時間が掛かります。
例えば板金作業のみを集中的に作業させても、まともに使えるには5年ほどの修業が必要です。
センス次第ですが・・・板金と塗装両方が満足出来るレベルには10年程の修業期間が必要です。
修行中の新人は作業時間が沢山必要で・・・正直赤字になってしまいます。
場合によってはベテランの手助けが必要で・・・全体の足を引っ張ります。
そんな感じで職人育成には莫大なコストが必要です。
そしていい感じに技術が伴ったら、そこそこのお給料を支払わないと・・・引き抜きにあってしまいます。
莫大なコストと時間を掛けて育成した職人が引き抜かれたら・・・経営危機です!
板金塗装の優秀な職人は慢性的に不足してるので・・・他からの引き抜きも難しいです。
その結果・・・人件費もそこそこ必要で・・・ここでも経費がかさみます。
忘れがちですが、板金塗装見積もりにもコストが掛かります。
毎月の様に出て来る新車に対応する為に見積もりソフトはクラウドが主流です。
新型車にも対応出来て便利ですが・・・リース費用が必要です。
保険修理をしたら保険屋さんと交渉する手間も必要です。
前廻りが大破した車の見積もりには半日ほど必要で・・・フロントマン(見積もり交渉係)も必要で・・・それらのコストや人件費も経営を圧迫してます。
どうです、板金塗装屋の経営は楽そうに見えますか?
現実は作業問い合わせにムラが多く稼働率の平準化も難しい世界です。
高そうに見えるお見積もりでも、実は経営的にはギリギリでなんですよ。
分解費用や塗装費用も業界基準値があって勝手は出来ません。
板金塗装屋は芸術的手作業で量産は不可能なので高価になるのです。 SK
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