- ミッション・駆動系修理・整備
- スズキ スペーシア
- 費用総額:135,000円
- 作業時間:3時間
2022年10月22日 18:03SUZUKI スズキ スペーシア MK32S CVT バルブボディ 診断 交換 修理
こんにちは!
今日はH26年式、スズキ・スペーシアの修理のご案内です。
症状としては、発進時に車がガクガク振動したり、走行中に若干ハンチングみたいな感じになるということです。
警告灯の点灯や故障コードの入力はありませんでしたので、故障診断機を使い、車両のデータを確認しながら症状の確認を行っていきます。
お預かりした初日には、一度症状を確認できたものの,その後不具合の発生はなかったため、症状が出るまでテスト走行を行います!
すると再度症状の確認をとることができました。
エンジンには問題がなかったのですが、どうもCVTの作動に不具合があるということがデータを見て確認できました!
そこで、CVTの制御に問題があるのか、あるいは機械的に問題があるのかを判別するためにCVTオイルを抜いてみました。
排出したオイルに磁石の棒をつけてみたところ、大量の鉄粉の混入が確認できました。
恐らく、CVTの中にあるCVTコントロールバルブボディ内で鉄粉が詰まってしまい、作動不良の結果車の挙動がおかしいのだと思います。
ここでCVTの作動について簡単に説明しますね!
今は〇km/hで走りたいな!上り坂だからちょっと力がほしいかな!とそれぞれの状況でコンピュータが考えています。
そして、実際に考えたことを実行するために、電気信号やCVTの中の油圧などを制御します。それらに応じてミッション本体を実際に作動させて、スピードやトルクを変えているという仕組みです。
そして、ミッションとは金属の稼働部品の集合体です。
使用に応じて金属が摩耗するので、どうしても鉄粉、摩耗粉は発生してしまいます。
例えば、人間がいて、目の前にある上り坂をダッシュで登りたいとしましょう!
脳みそ(コンピュータ)で、上り坂だからペースを考えよう!とか、走り方とかを考えます。
そして、その通り走る(タイヤを回す)と思うんですが、実際には無意識に、汗をかいて体を冷やしたり(電気信号)、血圧が上がったり(油圧制御)してるはずです。
ところが不健康になり、やがて血管や神経(バルブボディ内のオイル通路)が詰まったり,うまく作用しなくなると、思った通りに走ることができない!
という感じですね!
バルブボディはCVTの作動を、走行状態に応じて制御している部品なのです。
ですが機械は人と違って修理や交換をすることですぐに治りますし、理屈を理解することで故障のリスクを減らす努力をすることもできます。
予防法についても最後に触れますね!
作業に戻ります。
ミッションオイルパンを外すと、コントロールバルブボディがうかがえます。
外したオイルパンからは、これでもか!というほどの鉄粉が出てきます。
こちらのお車、まだ走行距離が4万キロです。
距離にしては鉄粉が多い気がしますので、恐らくミッション内部の構造や使っている素材、あるいは制御しているプログラムなど、ひょっとしたら何か要因があるのかもしれません。
ですが、ミッション交換となると保証期間が過ぎており、予算が30万円近くなること。
仮に交換したとして不具合が今後一切出なくなる保証ができないこと等の理由もありますから、できる限りの対策をすることにいたしました。
まずは不具合が起きているコントロールバルブボディを、対策品に交換します。
見た目は新旧で違いがありませんが、内部の油路形状など構造が違います。
これにより、バルブボディ内部で詰りやすさが改善されます。
本来非分解ですが、旧品のコントロールバルブボディを開けてみると、中からも大量の鉄粉を含んだCVTオイルが出てきました。
心筋梗塞状態です。
新品のコントロールバルブボディを取り付ける前に、可能な限りミッションを洗浄します。
作業前にはミッションオイルのフラッシングも行っていますが、さらにミッション内部も洗浄します。
こちらの丸い部品は、ミッションオイルパン(オイルをためておくところ)についていて、オイル中の鉄粉を極力コントロールバルブボディに送らないようにするための磁石です。
清掃前のものにびっしりくっついているのが、オイル中を漂っていた鉄粉の一部です。
とても多いですよね!
これらもすべてきれいに取り除きます。
とにかく清掃!清掃!鉄粉根絶!
怠ってせっかく新品の部品を付けても不具合が出たら意味がないですから、オイルパンなども丁寧に!
清掃は整備の基本です。
いよいよ新品のコントロールバルブボディを装着です。
きれいですね!
コントロールバルブボディだけでなく、同時に交換がしたほうが良い部品もすべて同時に交換します。
理由は一つ、鉄粉を根絶するためです。
コントロールバルブボディを交換したら、新しいCVTオイルを入れ、マニュアル通りにCVTの初期学習やエア抜きを行います。
本来はここまでの作業でも走行は可能なのですが、さらに不具合再発の予防策として、CVTの制御をしているコンピュータのプログラムを最新のバージョンに書き換えます。
今回はエンジンとCVTのプログラムを変更しました。
これにより、CVTの内部機構の摩擦力を最適化することで、鉄粉の発生を今までよりも抑えることが可能です。
そこまでいったら、試運転を行い、不具合の再発がないことを確認します。
街中のストップ&ゴー、上り坂や下り坂、カーブなど、いろんな道路条件で運転の操作方法も変えながら、あらゆる条件でとにかく納得がいくまで試運転を行います。
お客様の手元に返ってもし直ってなかったら・・・・お客様は絶対悲しいと思うので!
今回は2日間にかけて試運転を行い、症状が出なくなったことを確認しました。
最後に下回りを点検し、オイル漏れがないかなども確認します。
走行のフィーリングですが、以前は強めにアクセルを踏まないと加速しなかったのが、軽くアクセルを踏むだけでも十分加速できるようになり、CVT本来の性能が回復してくれました!
修理のご利用、本当にありがとうございました!
最後になりますが、車というのは消耗品の塊で、どうしても手間やお金がかかってしまい、ご面倒になることもあるかとは思います。
自分もたま~に面倒に思う時もぶっちゃけあります(笑)
ですが、逆に言うと、そこに手間を惜しまなかったり、車の状態を日頃から気にしていただくことで、大きな故障をするリスクを抑えることにもつながってまいります。
例えば、症状が出始めた直後であれば、ミッションオイルのフラッシングとプログラムの変更で症状が緩和された可能性も、ひょっとしたらあったのかもしれませんよね。
CVT等、ミッション内部はどうしてもその構造上使用していくと汚れてしまいます。
そのあたりを新しい一つの知識としてご理解いただけると、定期的にオイルを取り替えてみるというのも大きな故障につながるリスクを減らすことにつながってくるとわかっていただけるのではないでしょうか。
当社では車検ほか、定期点検も承ります。
ちょっとしたご希望ご要望でのご来店でも快くお受けいたします。
どんなことでもご相談ください!
対象車両情報
初年度登録年月 | 平成26年 | メーカー・ブランド | スズキ |
---|---|---|---|
車種 | スペーシア | グレード | X |
型式 | DBA-MK32S |
費用明細
項目 | 数量 | 単価 | 金額 | 消費税 | 区分 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
CVTコントロールバルブボディ交換 | 1.0 | 18,000 | 18,000 | 課税 | 交換 | |
コントロールバルブボディASSY | 1.0 | 99,200 | 99,200 | 課税 | 部品 | |
ワッシャ、マニュアルバルブレバー | 1.0 | 140 | 140 | 課税 | 部品 | |
ストレーナ、オイルパン | 1.0 | 3,000 | 3,000 | 課税 | 部品 | |
ストレーナ、Eオイルポンプ | 1.0 | 2,150 | 2,150 | 課税 | 部品 | |
Oリング、Eオイルポンプストレーナ | 1.0 | 410 | 410 | 課税 | 部品 | |
ガスケット、ミッションオイルパン | 1.0 | 1,450 | 1,450 | 課税 | 部品 | |
ガスケット、ドレーンプラグ | 1.0 | 290 | 290 | 課税 | 部品 | |
CVTフルード | 3.0 | 670 | 2,010 | 課税 | 部品 | |
ECUリプロ | 1.0 | 0 | 0 | 課税 | 修理 | |
TCMリプロ | 1.0 | 0 | 0 | 課税 | 修理 |
小計(課税) (①) | 126,650円 |
---|---|
消費税 (②) | 12,665円 |
小計(非課税) (③) | 0円 |
値引き (④) | -4,315円 |
総額(消費税込)(①+②+③+④) | 135,000円 |
店舗情報
- カーショップばんび 小鹿自動車(株)
- 認証工場:1-7183号
カーショップばんび 小鹿自動車(株)は弘前市にある整備工場です。お気軽にお問い合わせください!
- 営業時間
- 火水木金土日 9:00~18:00
- 定休日
- 月曜日
- 住所
- 〒036-8062 青森県弘前市青山1-10-5
- アクセス
- 撫牛子駅より車で7分です。
- 1級整備士
- 1人
- 2級整備士
- 1人
- 創業年
- 平成 22(2010)年
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- 無料電話お気軽にお電話下さい!
- 0078-6058-5838
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この度は水平対向エンジンという特殊な事情にも関わらず、快く対応いただき有り難う御座いました。作業中のトラブルもあったようですが、良くも悪くも包み隠さず報告いただき、しかも懸念箇所の点検整備までして頂きました。信頼というものはやはり、「正直さ」にあると思います。技術力は最初からまるで疑っていませんでしたが、包み隠さず連絡するのはとても勇気のいる事だと思います。加えて、こういう風土の企業姿勢は他所ではなかなかないでしょう。その点からも、他の整備に関しても信頼感をもって見積もりをお願いしました。今後とも宜しくお願いしますといった感じです。
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ネットで見てばんびさんに修理を依頼して本当によかったです!最高の接客と最高の技術でした。高評価なのが納得です。これからもお世話になります。ありがとうございます^_^
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今回、はじめての依頼であったので、次回以降でフル満点の可能性はあります。今回は持ち込みのイグニッションコイル(信頼性のある製品)とプラグはこちらでご用意いただき作業して貰いました。感触としては、「プロ」だなと。全ての要望が長年のノウハウでクリアされており整備技術も弘前市では一流だと思う。今回は水平対向エンジンという難題にも経験値で難なく素早くこなしてくれた。老舗だけに安心して車を預けられるというのはこの事だろう。代車のフォローも卒なく文句の付け所がない。今後の整備も是非頼みたいと思いました。
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