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こんにちは！
今回は冷却水不足の警告がメーターパネルに表示され、冷却水が減るというBMW 320i Mスポーツ、F30の修理の様子をご案内します

漏れの程度としては、エンジンをかけるとポタポタとアンダーカバーの隙間から滴り落ちてくる感じです
こうなるとオーバーヒート必至なので要修理ですね
点検するとインマニの下あたりから冷却水が漏れていました
と、いうわけで黙々と分解していきます！

インテークマニホールドという、エンジン上部に付く吸気回りの部品を外す必要があります
そのために、冷却水を抜き、エンジン前後のパネル、吸気通路のパイプ、大量の接続配管やカプラ、バッテリマイナス端子を外しECUなどを外す必要があります
作業の手順は複雑な上にそこそこ長い道のりなのでマニュアルに則り分解していきます

で、どこから冷却水が漏れていたのかというと
この細いプラスチックのパイプです
エキスパンションタンクという、冷却水の加圧タンクからエンジンまで伸びてきているこのパイプが劣化で折れています

これ、F30アルアルで、縦置きエンジンなのでエンジンの回転によってパイプが揺さぶられます
柔軟性のあるホースや金属製のパーツであればまだ良いのでしょうが、プラスチックなので経年劣化とエンジンルームの熱でなんの前触れもなく耐えられなくなった瞬間に折れるんです

こちらが新品です
過去に数回対策品として変更がかかってはいるのですが、結局ゴムホースや金属パーツではなくプラスチックのまんまです
おーいBMW
致命的すぎるぞ！
車を複雑に作りすぎて、そもそものエンジンルームレイアウトに無理があるのかもはしれませんが・・・
この辺の考え方は私は日本人なのでよくわかりませんです(笑)
消耗部品と割り切るしかありません

せっかくインマニを外しているのでインテークバルブのスラッジの状態も点検しておきます
そこまで汚れているわけでもなく、現在良好です！
スラッジが溜まるとエンジン不調になってしまうこともありますので、たまに添加剤を投与するなど、メンテナンスがよろしいと思います

折れてるパイプの交換だけでも直るのですが、実は他にもウィークポイントがありますので頑張ってもう少しだけ分解を進めていきます

はい！プラスチックの部品の数々です
先ほど壊れていたパイプと同じ条件で同じ年数が経っているわけです
と！考えると！
例え漏れていなくても同時にやっておいた方がが安心感が全然違いますよね

もし今回交換せずにあとから漏れたとき、また重整備となるとお客様にかかる工賃負担が全く変わってきます
ですので周辺部品も含めて交換対応とさせていただいております

オイルフィルタハウジングはガスケットの劣化により、冷却水漏れだけでなくオイル漏れも発生します
漏れるとハウジングが破損してしまいアッセンブリ交換となってしまうのですが・・・
そうなると部品だけで4万円超えます
今回の作業は、冷却水の漏れ修理だけでなく、冷却水とオイル漏れの予防整備にもなっているわけですね
オイルフィルタハウジングはエンジンブロックに取り付けられているので、取り付け部のガスケットと、ハウジング内部のガスケットを交換します
部品代数千円で済むので予防する意味はとても大きいのです
なぜなら確実に漏れるから

冷却水回りを組付けました
ここからまたインテークマニホールドを取り付けて復元していきましょう！

すべてを組付けたら、こちらもマニュアル通り真空引きでのクーラント充填です
F30は低温側と高温側の2系統の水路が複雑に配置されており、この方法で行います
が、この方法は配管にもちょっと負担がかかります
他にもまだ交換していないプラスチックのクーラント部品はありますので壊れないかハラハラです！
もっともこの程度で割れるようであれば、エンジンがかかっている走行中にも耐えられませんので、この段階で壊れるようであれば追加修理が必要、ということにもなりえますが・・・・

真空引き後はさらに車両の操作でエア抜きモードに入れ、徹底的にエアを抜きます
オーバーヒートになってしまってはいけませんから

最後にしばらくエンジンをかけておいたあと漏れ確認をします
漏れ無し、良好です！
またバッテリを外したり大量のカプラを外してますので故障コードの入力がないかもチェック
オールグリーン、OKです
水温の安定と冷却水の量も確認して作業完了となります
今回は、エキスパンションタンクからシリンダヘッド間ウォーターパイプ＆冷却配管である接続ピース＆オイルフィルタハウジングガスケット交換という内容でした
修理のご利用、まことにありがとうございました！