CHRYSLER JEEP WRANGLER JK エアコン 冷えない　診断　故障　コンプレッサー　交換｜車検・点検・修理のグーネットピット

こんにちは！
今回はエアコンが冷えなくなってしまったというクライスラージープ・ラングラーの診断および修理の様子をご案内します！

お車を拝見したところ、エアコンガスが十分に入っているにも関わらず、電動ファンとコンプレッサーが回っていない状態でした
おや？
国産車であればガスが入っていれば電動ファンは回る場合がほとんどですが・・・

そこに違和感を感じたので故障コードを確認してみたところ、ACコントロール２系統で異常な電圧を検知しているようです
ひょっとして、フェイルセーフで電動ファンが回っていないのでは？
その確認のために電動ファンとコンプレッサーの系統で点検してみることにしました

アクティブテストという、自動車のアクチュエータを強制駆動させるテストを行ったところ、電動ファンはきちんと回転しています
電動ファン自体に問題がないとなると、やはりフェイルセーフが働いているためにエアコンスイッチがONであるにも関わらず電動ファンは回らないという考え方がしっくりきますので、いったんファンの系統は除外します
また、故障コードの入力条件などを確認
どうやらACコントロール２系統の回路でショートがあったことが判明しました
とりあえず、コンプレッサーも回っていないので、電圧や抵抗などを確認
クラッチコイルが断線してしまっています
クラッチコイルにてショートが発生し故障コードが入力
と同時にショートでコイルが断線してしまったのでは？

ラングラーの配線図です
見て驚きました
なんと、コンプレッサーの回路にヒューズがありません
代わりにTIPMというユニットがショートを検知することで故障時制御をしているようです
たしかに、この回路では断線検知はできませんがショートの検知はできます
しかし、実際はマグネットクラッチコイルが断線してます
ということはマグネットクラッチコイルのショートと断線の同時発生が考えられますね！
通常であればコンプレッサーがロックしたときなど、大きな電流が流れます
その際ヒューズが溶断してくれることで、回路を保護しています
それがヒューズではなくTIPM・・・
一応保護回路はあるのでしょうが、これではTIPMが壊れる可能性も否定できません
ましてクライスラージープはTIPMに起因する故障事例が散見されます
TIPMとは、ユニット内蔵のヒューズボックスです
実際、こちらのお車も以前TIPMを交換させていただいた車両となっています
また壊れたのでは・・・・？
一瞬嫌な想像が頭をよぎって、ぞっとします
電圧が出てるので問題ないような気もしますが・・・
逆にエアコン切れなくなったらどうしよう

とにもかくにも、コンプレッサーの不具合は確定ですので、コンプレッサーを交換していきます
外す部品は少ないのですが、エンジンが大きいのと、コンプレッサーも大きいのとで意外と作業性は良くないです(笑)
外すと、コンプレッサーのベアリングが不良によりがたがたしてしまっていました
見ると韓国製のコンプレッサーです！アメ車なのに！
今回は社外新品コンプレッサーを手配！
取り付け前にできる確認もしておきましょう
異常なし！
取り付けていきます！

取り付けは気合いです！
大きくて重いコンプレッサーを指で支えつつ、一番奥の取り付けボルトが落ちないように保持しつつ・・・！
付きました！
エアコンガスも規定量、コンプレッサーオイルもきちんと充填し、試運転！
電動ファンとコンプレッサーがONになり、エアコンが冷えるようになりました
OFF操作もでき、TIPMは無事でした！よかった～！

しばらくないはずですが、万が一コンプレッサーが再度ショートした場合に備えてヒューズを後付けで設置しました
万が一コンプレッサーがショートしてもヒューズが切れるだけで、TIPMに大電流が流れることはないはずです
TIPMが壊れてしまったら目も当てられません
できる対策はしておきましょう

また、エアコンのエアミックスアクチュエータなども弱点なのでサービスで点検＆分解メンテナンスもやっておきました！
部品も延命できれば越したことはありませんしね
以上が今回の修理の内容となります
エアコン修理のご利用、まことにありがとうございました！