走れない　クラッチ滑り　クラッチ板交換　ＯＨ｜車検・点検・修理のグーネットピット

クラッチ滑りによる走行不可能ということで修理交換依頼です。キャリアカーにて入庫。
自力ではまったく動けません。運転手１人と動力３人でなんとかリフトに入れました。

オートマチックミッションが主流の中、いわゆる「ギヤ車」の整備になります。
クラッチ滑りとは何か？からご紹介していきます。

ざっくり一言で説明すれば『動力が伝わらない』ということ。なぜそうなるか気になるところ、
『安心してください。お教えしますよっ！』
クラッチとはエンジンの動力をミッションに伝えるための『お皿』のようなものである、
このお皿はエンジン側と駆動軸の間にありクラッチペダルを踏むとこの二枚のお皿が離れるので動力が
伝わらなくなります。その間にギアチェンジを行い、ペダルをゆっくり離すことで
二枚のお皿が組み合わさって動力を伝える仕組みです。クラッチの滑りというのは
この二枚のお皿が摩擦でがっちり組み合わず滑ってしまいエンジンの動力を
ミッションに伝えることができなくなってしまうことです

実際クラッチ滑りが起きている場合、違和感を感じるはずですが、
「エンジン回転に対してスピードが出なくなる」など、最終的には焼ける臭いが出る場合もあります。
一つの確認方法として、わざとエンストさせる方法があります。
エンジンを始動しサイドブレーキを引きギアを入れますその状態でクラッチを一気に離すと
通常ならすぐにエンストするのですがクラッチ滑りを起こしている場合は、
一度クラッチが繋がるような感じになりエンストタイミングが少し遅れるのです。

それでは作業にうつります今回のお車はエンジを降ろすというなかなかハードな作業を
こなさなければクラッチ板を取り替えることができないので
エンジン、ミッション周り全て外していきます。
４ＷＤゆえのトランスファが、エンジンとミッションを切り離す際に妨げになるのです。

ミッション切り離しまでいけました。クラッチ部品を外していきます。

新品と、もう使えなくなるほど磨耗したクラッチ板です。クラッチダストや錆を洗浄し磨いていきます。
フライホイール・ディスク面に段差が酷いとクラッチを繋ぐ際のジャダが発生します。
厳密にいえば、研磨修理ですが、今回は軽度の為ポリッシングでＧＯです。

クラッチ作業ついでに、エンジンのクランクリヤシールというゴムパッキン部分も取替ます。
今だからついでにできる事であり、２０年近くなるゴム部品の経年劣化をご説明し
ご了解の上取替。組み付けてきます。

エンジンを取り外す時もそうでしたがここからが大変でした・・
ミッションとエンジンをドッキングするのに四人がかりでしたｗ笑

しっかりボルトを締めなおしていき二重チェック！

クラッチに関係ないですが、経年劣化で痛んだバキュームホースからの
エア吸も補修した事で、エンジンの調子もあがりなによりです。