バックすると「キーコキーコ」。プロシャフトのジョイントスパイダーが損傷。スズキ：ワゴンR｜車検・点検・修理のグーネットピット

「後ろから・・バックの時にです～」と修理依頼です。症状は「動くと変な音で、キーコキーコーって、気持ち悪い」とう内容です。
お聞きした内容だけだと、ブレーキライニング？、バックプレート干渉？、エンジンマウント？、マフラー？などなど、想像でイロイロな原因が予想されます。現車で症状確認を行うと、定期的な音でした。リフトアップし点検。この車両は４ＷＤです。後輪を駆動させる為、リヤデファレンシャルにプロペラシャフトを使って伝えます。
音の感じと一連の状況はこちら↓↓

シャフトとデフの間で角度が付きます。角度が付いててもスムーズに動力を伝える為、十字状のジョイントスパイダーベアリングを使う構造になってます。その、リヤリヤ部分の、１ケ所に赤錆が。ニードルベアリングのグリスっ気が無くなってる証拠です。回転と同期して角度が変わるたびに音がする原因になっておりました。

余談ですが、
この車両の部品供給は、カップリング（前後の回転差を逃がす）の前後で出ます（購入できます）。これは親切な設定だな～と思います。他のメーカーであったのが、前後に分割できるのに、アッセンブリ供給のみ。で、￥１０万円越えます～の回答にビックリした経験があります。ユーザーからするとパンチが効きますよね。
懐かしい話ではありますが、以前はジョイントスパイダーのみ取替が出来ました。現在は組み込みが「カシメ」方式で、交換前提ではありません。せめてグリスニップルがあれば寿命が長くなるのに～と思うのは古い考えですかね。
道路事情も良くなり（砂利道や泥）、寿命が長くなり、スナップリングとニップルの部品点数が少なくコストが減り・・を考えると、今の形なのでしょうね。
話が長くなりました。
そんな事を言ってましたが、今回取替する部品は中古リサイクルパーツで、リヤ側のみ。
シャフトアッセンブリで、早速取替いたします。

前後のボルト４本ずつで取付。
作業完了で確認。静かになりました。
今回気にして頂いたのは音です。このまま症状が進行していくとどうなるか？です。
スパイダーが固着している為、リヤデファレンシャルのベベルピニオンとベベルベアリングに、必要以上の応力が加わってます。ので、デフ破損、ギヤオイル漏れ、焼き付きでロックなどなど。余計な所まで損傷していきます。
今までは無かった・・や、これって正常？？、などなど、症状が明確に出ないと分からない場合も多いのですが、気が付いた際には早め点検と、ご相談がお勧めです。