始動後たまに「ギャギャー」っと。スターター（セル）モーターの「引きずり」といえます。ダイハツ：ムーブカスタム｜車検・点検・修理のグーネットピット

ダイハツのエコアイドル。信号待ちなどの「アイドリングストップ」からスタートする際、時折、「キュキュブ～ン」のエンジン始動と共に、「ギャッ」と聞こえる？？感じが頻繁になったと。
車はムーブカスタムになります。
初期始動を何度か繰り返してみた所、通称「セルが引きずってる」感じが確認できました。ので、スターターピニオンの戻り不良と予想できます。
その状況と一連はこちら↓↓

余談で、
スターター（セル）モーター方式のアイスト車は、モーターの作りが頑丈になってます。見た感じも、一回り大きいです。
アイスト後スタート回数は、始動時のみより、１０倍以上（でもきかない）差が出る筈。
なので、メーカーさんからは「回数そろそろ限界ですよ～」のお知らせで、ecoIDLE OFFランプが点滅する仕組みになってます。私は、回数限度での点滅事案に、今だ遭遇してません。バッテリーが劣化（ECUの電圧監視より）判定された～って事での、おしらせ点滅は数多くあります。
取り扱い説明書（別の車種ですが）の抜粋です↓↓

ちなみに、
この車両の走行距離は１０万㌔とチョットで、スターターの作動回数は約１４万回。交換してね～の作動回数は２７.４万回なので半分位です。なので、回数的にはマダマダと言えます。が、
当社の他の事例でも、エコアイドルお知らせ前で、不具合になり、スターター取替が、望ましいと思う状況は何件かありました。（使用環境や、状況でも変わってきますよね）
「引きずってる」スターターは、壊れ方でヤバイ状況になる可能性も。
作動イメージは、冒頭画像のピニオンギヤが、図の方向でいうと上に（飛び出る）行き、リングギヤに噛みあい、エンジンのクランクシャフトを回します。（キュルキュルっていってる時）
そして、エンジンが始動したと同時に引っ込みます。この引っ込みタイミングと、１ＷＡＹ機構がウマく行かなくなると、エンジンが稼働し自力で回るリングギヤに、スターターモーターが、逆に回されてしまい、離れるまで「ギャギャー」になります。長くなりました。
実際、当店の事例ですが、スターターが出っ放し（戻れなく）になった為、エンジンから回されてしまい、発電し、スターターからバッテリー間のＢ配線が焼損した事も・・です。

取替は、リビルト品で。
オルタネーターを外さないと、アイスト用のスターターは抜けてこなかった記憶があります。ので、最初から手順道理。
ムーブ用（この年式）スターターは３種類。エコアイドル、４ＷＤ寒冷地、２ＷＤ標準地用です。標準地は本体が短めなので、オルタは脱着せず、可能かも～ですね。
スターターの取付ボルトは２本。１本がミッション上側から。なので、整備アルアルな見えるけど外すに手間が意外に～な、構造になってます。
スターターモーターを外すとリングギヤが見えます。今回取替する部分ではありません。ただ、ここの歯が、あまりにも荒れてる（潰れてる）と、新しいモーター側ピニオンギヤを、損傷させる可能性も。なので、スターターを外した際のチェックポイントです。
以前、このリング側の潰れヤバかな～に、お客様ご了解の上、スターターのみ交換した事があります。そこから半年も経たずに、「ゴゴッキュイーン」とセルが空回りし、エンジン始動が難しくなった事案がありました。点検すると、リングギヤ潰れの影響で、新しいスターター側のピニオンも潰れ、ギヤ同士が噛み込めなくなってました。（滅多に無いですが、ゼロでは無いです）

折り返して組付け。
作動回数のリセットを行い、完了となります。
同じ様に、エンジンとバッテリーの間から、始動時のスターター音を確認。
切れ（ピニオンの戻り）具合は良さげな感じです。そして、こころなしか、軽やか＆力強く、なってる気もするので、尚オッケーですね。
最後に、使用環境や使用状況についてです。
お仕事の外回りで、ご自身のお車を使われる場合も多々あるとの事。その中に、高速道路で、ひと山超えての、遠方へもあるそうです。ペースは月に一回以上かな～と。
という事は、冬場の高速は、融雪剤（塩カル）が散布されます。
雪が溶けてのビジャビジャを走行すると、タイヤで巻き上げるので、霧状の水気と塩カルが、色んな所に入り込むんじゃないか？と想像されます。
今回の、スターター「引きずり」は、ピニオンが摺動するシャフトの腐食、摩耗による段付き、グリス切れ、などで抵抗が増え、戻りが悪くなっていた可能性や、１ＷＡＹ機構が渋くなってしまった、などが予想されます。
原因箇所の特定はしませんが、環境が影響してる可能性はゼロ、だとも言えない気がします。