ブレーキ効き具合　カックンな違和感　リヤホイールシリンダ取替｜車検・点検・修理のグーネットピット

ブレーキの効き具合に違和感があります。
ブレーキペダルを踏むと奥の方で効き、「カックン」といったイメージです。
原因はリヤブレーキ・ホイールシリンダの縮んだ状態での固着でした。
後ろ側の左右ともです。

画像はホイールシリンダ内部の、インナーピストンが錆付いていた状況です。
取替はアッセンブリ（そっくり）でしたので作業状況をご紹介します。
車両をリフトアップし、ハブキャップ、バブナットを外してブレーキドラムを取り外します。
前側のブレーキ機能は良好でした。

ドラムブレーキという構造になります。
ブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキマスターシリンダで押し出す油圧が作られます。
その油圧で、ホイールシリンダが前後に広がりブレーキシューをブレーキドラムに内側から押付ける事で
制動力が生まれます（ブレーキが効きます）。

ブレーキシューごとドライバーで動かして確認すると後ろ側が動きません。
ホイールシリンダのインナピストンを直接押しても動きません。

ダストブーツを捲ると、錆が原因の模様なので、アッセンブリで取替を行います。
初めにブレーキダストをパーツクリーナーで清掃しておきます。

ブレーキライン（配管）を取り外す為、ブレーキホースをピンチング（挟む）し、ブレーキオイルが
少しでも漏れない様にします。
ブレーキラインのエア抜きを楽にする為と、ブレーキオイルは塗装面に付着すると塗装を侵しますので。

ブレーキシュー関連はホイールシリンダ取替の際に邪魔になるので、軽くズラシます。
シューホールドスプリングと、ピンを外します。

ブレーキパイプレンチで、ブレーキパイプとホイルシリンダの取付を外します。
その後、ブレーキバックプレートのホイールシリンダ固定ボルトを取り外します。

新品のホイルシリンダを取付けていきます。
ここで一つコツですが、ホイルシリンダとの取付フレアナットを先に「ノゾカセル」事です。
ホイルシリンダをバックプレート完全に固定してしまうと、ブレーキパイプの曲がりの力や、フレア
ナットとパイプの錆などでネジがうまく噛んでいるのか解りずらい場合があります。

ブレーキシュー関連を元に戻す前に、ブレーキグリスを可動部に塗布しておきます。

左側も同様に取替し、組付けが完了しました。
シューアジャスターの調整と、ピンチオフプライヤを外してブレーキオイルラインのエア抜きを行い完了となります。
ブレーキの制動力もＯＫで、効き具合もイイ感じになりました。
冒頭の画像は、不要となったシリンダを抜いてみました。

指では抜けない為、固定して「コンコン」してみます。

「コンコン」では取れず「ゴンゴン」でした。

外したホイルシリンダ側の内面は荒れ荒れになってます。
この状態から清掃して再使用した場合、ホイルシリンダカップ（ゴム製）に傷が入ったりで
ブレーキオイルの漏れが発生します。

今回の「カックン」な感じですが、ホイルシリンダが両側（前後）に開かない事でシューの自動調整も
追従できない事があり、さらに不具合感を増していたと予想します。
今回は縮んだ状態の固着でしたがその逆もあり、その場合はブレーキが引きずります。