エンジンの初爆はあるが続かない。原因は吸入空気量不足。スズキ：エブリィＤＡ６４V｜車検・点検・修理のグーネットピット

「エンジンが止まって、危ないです」と修理ご用命です。お車はスズキ：エブリィＤＡ６４Ｖ。詳しくお聞きすると、「エンジンが冷えてる時は、アクセルを踏んでいないと続かない。なので、ごまかしでアクセル踏み続け、止まらなくなる感じになるまで待ってから使ってました。症状が酷くなって、暖まってからでも止まる時が出てきた」との事。
症状はその通りで、アクセルを踏んでればエンジンは止まりません。エアー（吸入空気量）不足と思われます。
工場内でチョット移動しようとして、アクセル踏みながらのDレンジは、危なっっス。
症状と一連の状況はこちら↓↓

エンジンが冷えてる（冷間時）時からのスタートで、暖気中のファストアイドル。体感的には、エンジン回転数が高いです。
暖気後からすると、吸入空気増、噴射燃料増、点火時期早め、など。（冷間時は固定マップで、空燃比制御が無しの場合が多い模様）
その中の、吸入空気を増やす方法（インジェクションシステム）で、冷却水温度でのワックス膨張を利用したエア通路を設ける方式や、スロットルバタフライの開き具合で調整する方式、があります。
（輸入車など別もあります）
この車両は、前記の方式です。
部品供給は、ＩＳＣＶバルブ（アイドルスピードコントロールバルブ）のみの取替が出来ず、スロットルボデーのアッセンブリになります。
それでは、修理方法は、
スロットルボデーアセンブリをリビルト品、エンジンＥＣＵを中古品、で取替致します。
万一、ＩＳＣＶ内部でショートしていた場合、ＥＣＵも壊れてます。
とりあえず・・片方だけ取替してみて・・をやってしまい、壊して～また壊して～の、堂々巡り（実際にあります）を避ける為に、当社ではセット交換を基本にしています。
作業は、運転席の座面を開けて。

作業のポイントは、
冷却水ホース２本を、ピンチングとかでドッペを行っておくと、漏れだしが少なく済みます。（エア抜きが楽になります）
それと、取付完了後の一発目で、イグニッションONからすぐスターターを回さない事です。ＩＳＣＶがゼロ位置を認識するまで待ってあげましょう。
動画の中に、ＩＧＯＮ時の、ＩＳＣＶバルブの初期音に、前後での違いがわかります。

途中の画像で、エンジンが濡れてますが、水で洗い流した痕跡です。
結果は良好。
普通に戻りました。
余談ですが、
スキャンツールでＥＣＵからの命令信号は見れます。が、その先のアクチェーターが指示通り動いてるか？や、機械的な制御の箇所に関しての判断、も必要になるので、奥が深く、イロイロな事例で勉強させられております。