ラジエター　プラスチック劣化　割れ損傷　冷却水漏れ修理　社外新品交換　フォレスター｜車検・点検・修理のグーネットピット

Ｆ様よりラジエターがダメみたいですとの連絡がありました。
オーバーヒートはしていないのですが、水温計がいつもより高くなったのと
ボンネット前部の方から煙（蒸気）が上がったとの事。
今は冷却水がわりに水を補充しておきましたとのコメントです。

車両を引き取ってきて確認。ラジエターアッパータンクが
損傷しており、冷却液が噴出した痕跡があります

Ｆ様の早期処置で、エンジンにダメージはなさそうです。
「キンキンなオーバーヒートで、エンジンオイルの潤滑油膜が無くなり、
メタルの軽い焼きつきが発生しエンジンが停止した
レベルになると、シリンダヘッドに歪みが生じてヘッドガスケットの気密が悪くなる、
いわゆる「吹き上げ」が起きます。
「吹き上げ」の症状は冷却液が外部に漏れて無くとも冷却液が減ります。
エンジンの修理は可能ですが高額になる事と、
オーバーヒートによってゴムパーツに過度の熱が加わってるので
オイル漏れが今後発生しやすくなったり
、ゴムホース類にも熱ダメージで良いことはありません。

今回、エンジンにダメージが残らなかった要因は、
Ｆ様のフォレスターには水温計があり、Ｆ様自身で管理ができた為です。
最近の車は水温計という計器がメーターから除外されています。
オーバーヒート時のランプは備わっていてもそれがなにを示すのか
わからない方も多く、エンジンを損傷してしまった事例は
当店でも何件かあり、エンジンを交換した事例もあります

お客様によっては「昔と違って壊れない」と思われている方が多い気がします。
しかし私個人の勝手な考えですが、軽量化やコストの関係で、
金属製のものがプラスチック成型に代わってたり、
その強度（厚みや材質）自体が下がってきていると思います。
「車は１０年１０万㌔の節目」という説は今でもアルのではと感じています。

その一つにラジエタータンクのプラスチック化はあり、
Ｆ様の車両は総走行距離で現在９万４千キロでした。
エンジン冷却水の流れで、ラジエターで一番最初に熱い水が
ぶつかる箇所はアッパータンクのホース取付部です。
大体その周辺が熱で劣化が進み亀裂が出たりやパッキンが劣化します。

ラジエターを社外新品と取替します。純正（スバルマーク付）は８万円を超える部品代でした。
当社で準備した新品は社外ですが、自信を持って使用できる上に
３万円を下回る価格でご提供させて頂きます。

予断ですが、社外新品もいろいろあります。
以前に別の車両でお客様持込の激安ラジエターを取付た際にラジエター
キャップのプラスチック成型が悪く冷却液漏れするだけで無く、
オートマクーラーのパイプ取付部にも問題があり
ＡＴＦが滲んでくる最悪なものも出回っており、商品として売っているのが
不思議なぐらいのものも存在しています。

車両からラジエターを取り外します。

損傷箇所ですが、プラスチック製品のいわゆる艶が無くなっており、熱が加わる事での経年劣化といえます

新品ラジエターアッセンブリです。車両に取り付けます

冷却システムのエア抜きとヘッドガスケットの吹き上げ確認を行います。
ラジエター内部のオートマオイルクーラー分で
抜けてしまったオイルの補充とレベル調整を行い終了となります。

修理代の工賃・油脂を含めた総額ご請求金額が、
純正のラジエター本体価格を下回る価格となり、
Ｆ様には喜んでいただけなによりです。

「まもなく走行１０万㌔なので、タイミングベルトとウォーターポンプを交換してまだまだ乗りますよ」
とおっしゃっていました。