スクープ
更新日:2022.11.30 / 掲載日:2022.11.30
トヨタ、コンパクトBEV「bZ3」にハッチバックを追加。2024年初頭に日本市場へも導入へ
トヨタは現在、日本市場においてバッテリーEVとしてSUVタイプの「bZ4X」をスバルのソルテラと共に販売しているが、それよりもコンパクトな「bZ3」を2022年10月に発表した。
「bZ3」は、トヨタのバッテリーEV「bZシリーズ」の「bZ4X」に続く第2弾として発表され、トヨタと比亜迪股份有限公司(BYD)が合弁で設立したBYD TOYOTA EV TECHNOLOGY カンパニー有限会社(BTET)と一汽トヨタ自動車有限会社(以下一汽トヨタ)が共同開発したセダンモデルだ。
中国市場においては、一汽トヨタが生産と販売を担当する予定で、先に登場した「bZ4X」よりもコンパクトなモデルだ。続く2022年11月には、「bZ3」のSUV版と思われる「TOYOTA bZ Compact SUV Concept」を同月に開催されたロサンゼルスオートショーにコンセプトカーとして出品された。
今回、この「bZ3シリーズ」の新たなボディ「ハッチバック」と日本展開の時期についての情報をキャッチしたのでお届けしよう。
「bZ3シリーズ」は、BYDのリチウムイオンLFP電池(リン酸鉄リチウムを使用)をベースに、トヨタが長年にわたりハイブリッド開発で培ってきた電動化技術と経験を融合し、電池構造、冷却システム、制御システムと安全監視システムを新設計。高品質で安心で安全な電動システムとしたとしている。
最長航続距離が600㎞(CLTCモード)と「bZ4X」の559㎞(WLTCモード)を超えるスペックで、プラットフォームにはトヨタのバッテリーEV専用プラットフォームのe-TNGAを採用し、低重心、優れた操縦安定性で意のままに、気持ち良い走りを実現するという。
最近、一部報道でトヨタがバッテリーEV専用プラットフォームのe-TNGAを含めたEV戦略そのものを見直すという情報があるが、BYDとの共同開発している「bZ3シリーズ」については、このまま発売される流れになるだろう。
計画されていた新型クラウンのバッテリーEVなどの発売計画は見直され、プラットフォームから白紙となっている模様だが、中国、北米、欧州向けにはこの「bZ3シリーズ」を投入していく模様だ。
そして今回キャッチしたのが、「bZ3シリーズ」のハッチバックボディ。リヤスタイルは2022年10月の「bZ3セダン」発表時にリヤスタイルの一部画像が公開されていたが、これが派生モデルの5ドアハッチバックモデル。中国市場だけでなく欧州市場への投入も予想されている。日本向けには、2023年後半から2024年前半にSUVモデルとこのハッチバックモデルの投入という情報があり、セダンタイプも売れ行きによってはという状況のようだ。
一見消極的に見えるトヨタのバッテリーEV戦略だが、2021年12月にはバッテリーEV戦略説明会を開催し、今後投入予定のバッテリーEV16台のモックアップを展示した。バッテリーEVだけでなくHEVやFCV、水素エンジンなどあらゆる選択肢を用意して脱炭素に取り組んでいくトヨタ。「bZ3シリーズ」の登場が日本におけるバッテリーEV普及のさらなる弾みになることを期待したい。