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更新日:2018.10.24 / 掲載日:2017.02.15
トヨタ プリウスPHVがフルモデルチェンジ! 「別次元」を謳う5つの進化
トヨタ プリウスPHVがフルモデルチェンジ! 「別次元」を謳う5つの進化
発表会は、東京お台場の科学未来館を舞台に発表会が行われ、壇上に上がったトヨタ自動車の内山田竹志会長は、環境戦略とPHVの位置付けについて次のように語った。
「ハイブリッドカーは、1997年に初代プリウスが発売されて以来、全世界での累計販売台数が1000万台を超えました。これは、ひとえにお客様あってのことで、御礼を申し上げます。1000万台のハイブリッドカーにより、CO2の排出を7700万トン削減することができたことになる。これは、東京都1年分に相当する量だ。初代プリウスによってエコカーというジャンルを確立したことによって、お客様に新しい価値と選択肢を提供できるようになった。トヨタは今後、『お客様ファースト』そして『環境ファースト』というふたつの使命に本気で取り組んでいく。『お客様ファースト』とは、安心と利便性であり、『環境ファースト』はCO2の削減だ。それを実現するためには、環境車の普及が不可欠であり、省エネルギー、CO2に貢献できるのはPHV(プラグインハイブリッド)だとトヨタは考えている」
トヨタ自動車は、持続可能性を持つ社会を実現するための取り組みとして、2050年までに新車のCO2排出量を2010年比で90%削減するという目標を掲げている。その実現のためには、ハイブリッドカーの次を担う環境車の普及が不可欠であり、その本命としてプラグインハイブリッドカー(PHV)が選ばれたというわけだ。
「CO2を削減するためにも、環境車を普及させることが大切」と語るトヨタ自動車の内山田会長。
つづいて登場したのは、新型トヨタ プリウスPHVのチーフエンジニアで、初代プリウスから一貫して開発に携わっている金子將一氏。金子氏は、新型トヨタ プリウスPHVのキーとなった、5つのポイントを説明。それをまとめると以下のようになる。
新型トヨタ プリウスPHVについて「リヤビューがもっとも好きだ」と金子チーフエンジニア。
ポイント1:「EV走行」
新型トヨタ プリウスPHVのEV走行は68.2km。従来型は26.4kmであり、走行可能距離は倍以上伸長した。
さらに、走行用モーターに加えてジェネレーターもモーターとして活用するデュアルモーターシステムを採用し、上り坂でもエンジンがかかることなく走行できることに加えて、平地では時速130kmを超える速度までモーター走行を持続する。従来モデルが、ガソリンエンジンをモーターが補助する形だったのに対して、新型では通常はEV走行が基本となった。これによって、日常的な使用ではガソリン消費量やCO2の排出が大幅に削減できるようになったという。
ポイント2:「充電システムの充実」
家庭用コンセントでの充電が可能であることに加えて、200Vでは2時間20分という短時間での充電を実現。急速充電器ならばわずか20分で80%まで充電できるようになった。さらに、「S」と「Sナビパッケージ」にメーカーオプションとして世界初の駆動用バッテリーに充電可能なソーラー充電システムも採用している。
ポイント3:「安全性能」
新型トヨタ プリウスPHVには、トヨタの先進安全技術である「トヨタ セーフティセンスP」を採用。ミリ波レーダーと単眼カメラを備える衝突回避システムなどに加えて、LEDライトをコントロールして理想的な配光を実現する「アダプティブハイビーム」をトヨタ車として初めて採用している。
ポイント4:「デザイン」
プリウスに対して専用デザインを採用。前後のオーバーハングを延長し、のびやかさと車格感のアップを実現させた。とくにリヤビューについては、ダブルバブルウインドウを取り入れたことで、先進性と美しさを両立させたという。さらにこのバックドアは、素材をCFRPとすることで、従来型に対して40%もの軽量化を果たしている。
ポイント5:「給電機能」
新型トヨタ プリウスPHVは、車載のバッテリーから外部へと電力を供給する給電機能を備える。付属されるヴィークルパワーコネクターを普通充電インレットに挿し込むことで、家庭用100Vの外部給電コンセント(合計1500W)として利用可能。エンジンをかけることなく電気を供給する「EV給電モード」やはじめはバッテリーのみで給電し、バッテリー残量が所定の値を下まわるとエンジンがかかる「HV給電モード」など。これによって、日常生活やレジャーはもちろん、停電や災害時の灯り、炊き出し用途にも利用できるという。
発表会には、CMキャラクターを務める石原さとみさんも登場。トークセッションでは、クルマに対する感想のほか、新型トヨタ プリウスPHVを使って挑戦してみたいことを答える一幕も。ちなみに、「バーベキュー」と「イルミネーション」に利用してみたいのだとか。また、外部給電機能のデモンストレーションにも挑戦し、ヴィークルパワーコネクターを車両に接続。すると用意されていた「PHV」を形どったイルミネーションが美しく点灯した。
CMキャラクターを務める石原さとみさんも登場。「進化を間近で体験できて嬉しい」と語った。
トヨタ自動車の内山田会長は、蓄えていた電力に加えてガソリンによって車両自らが発電するPHVの能力について、「災害時こそ、PHVは安心。自然災害の多い日本にとっても重要な機能だ」と語った。今後、災害対策への取り組みの一貫として、関係各社、販売店と協力しながら自治体などに新型トヨタ プリウスPHVの貸出しも検討しているという。
日本がリードした環境技術であるハイブリッド、その次の一手としてトヨタ自動車はPHVを全面的に推進していくことを強調していた今回の新型トヨタ プリウスPHV発表会。急速に電動化が進む自動車業界のなかで、プラグインハイブリッドがマーケットがどのように受け入れられるのかに注目が集まる。