徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2017.12.21
【三菱 アウトランダー】相場分析で買いと判明!? 購入予定なら要チェック!
三菱アウトランダーの魅力ってなに?
ここ数年、自動車業界はコンパクトSUVブームの真っ只中にあるが、その少し前はミドルサイズSUVが主流だった。ボディサイズで言えば、全長4600mm、全幅1800mm程度の大きさ。コンパクトSUVの魅力は、シティカーのような取りまわしのよさや燃費、そしてハッチバックよりも自由度の高いデザイン性であるのに対し、ミドルサイズSUVは、圧倒的に優れた実用性やオフロード性能がメリット。だから、すでにミドルサイズSUVの人気が陰っていると感じているひとがいるかもしれないが、じつはそんなことはなく、今でもニーズの高いカテゴリーなのである。
そんなミドルサイズSUV人気を牽引したクルマの1台が、三菱アウトランダーだ。初代が登場したのは2005年で、三菱の高品質なクルマづくりを象徴するかのごとく、洗練された走りと十分な広さの室内、そしてスタイリッシュなデザインをまとっていた。2012年にはフルモデルチェンジが行われて2代目に進化し、よりモダンになったスタイルとプレミアム感あふれる内装になり、だれもが納得する出来の1台となった。
これに競合するモデルは、日産 エクストレイル、マツダ CX-5、スバル フォレスターなど、日本車だけでもかなり豊富。ただ、これらのライバルの新車時価格は200万円前半の予算で購入できるのに対し、アウトランダーはもっとも安いグレード「20G」でも242万7000円(2012年10月登場時)と、やや高めの価格設定となっている。それを反映して、現行型の中古車もデビュー以降高値安定傾向が続いていたが、今年で現行型デビューから丸5年が経っており、そろそろ価格が落ち着いている可能性があるので、相場動向を緊急調査してみた。
まず、ライバルと比較してみよう。それぞれの中古車平均価格は次のとおり。ただし、ここではプラグインハイブリッド仕様「アウトランダーPHEV」は集計から除いている。
モデル名 | 中古車平均価格 |
●三菱 アウトランダー(現行/PHEVを除く) | 219万円 |
●日産 エクストレイル(現行) | 225万円 |
●マツダ CX-5(先代) | 195万円 |
●スバル フォレスター(現行) | 221万円 |
これを見ると、どのモデルもほぼ同程度の価格となっており、アウトランダーの割高感はなくなっている。CX-5は平均価格が200万円を切るが、こちらは先代モデルだからであり、現行型となるとかなり高め。そう考えると、アウトランダーの中古車は、お買い得ゾーンに突入していると言っていい。
プラグインハイブリッドの相場ってどうなの?
「20G」は、新車価格に対する値落ち幅があまり大きくないにも関わらず相場が高めで、なおかつ物件数は極めて少ない。一方「24G」は物件数がそれなりに充実して買いやすく、相場も手ごろ。グーネットで検索すると走行距離5万Km以下で150万円前後の物件も目立っており、一時期に比べるとずいぶん手が出しやすくなったと感じる。
しかし、今回注目したいのは「PHEV」だ。たしかに標準モデルと比べると割高なのはたしかだが、新車価格からの値落ち幅が非常に大きく、200万円を切る物件も目立っている。登場年が新しいため低走行車がほとんどだから、コンディションのよい次世代エコカーとして、非常に魅力的な選択肢となっている。しかも、アウトランダーシリーズのなかで「PHEV」の物件が圧倒的に多く、仕様やカラーの選択幅が多いのも嬉しい。
年式別に見る中古車相場の違いは?
現行型アウトランダーは、2012年10月に発売。翌年1月に「PHEV」が追加され、両者とも2015年6月にビッグマイナーチェンジを受けてデザインが大きく変わった。このタイミングで、サスペンションからの入力を受けるボディ箇所が補強されたり、リヤダンパーのシリンダー径が大きくなるなど、シャシーに手が加えられた。また新世代CVTが搭載され、燃費もわずかながらにアップしている。それを踏まえ、年式別の中古車平均価格をチェックしてみよう。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 170万円 |
2013年式 | 179万円 |
2014年式 | 192万円 |
2015年式 | 248万円 |
2016年式 | 253万円 |
2017年式 | 272万円 |
年式 | 中古車平均価格 |
2013年式 | 215万円 |
2014年式 | 224万円 |
2015年式 | 300万円 |
2016年式 | 335万円 |
2017年式 | 397万円 |
これを見ると、2015年以降に相場が跳ね上がっており、後期型のニーズが極めて高いことを意味している。だから価格重視なら前期型がオススメ。とくに2013年式がボリュームのあるゾーンで、価格も手ごろだ。
新型SUV登場で占う今後の相場の行方は?
先日の東京モーターショーでは、三菱から新型SUV「エクリプスクロス」が日本で初公開された。右ハンドル仕様で、ほぼこのまま市販されるものと思われる。現在三菱は、RVR、アウトランダー、パジェロをラインアップ。先日RVRも大幅マイナーチェンジが行われ、これにエクリプスクロスが加われば、全4モデルのSUVが揃うことになる。
でも、これらのモデルの住み分けは明確化されており、RVRはカジュアルなコンパクトSUV、アウトランダーは実用性と環境性を両立したミドルサイズSUV、パジェロはオフロード走行もこなせる本格クロスカントリー、そしてエクリプスクロスはガソリン/ディーゼルを備えたスペシャルティ色の強いコンパクトSUVというキャラ。この新型SUVはアウトランダーよりもサイズが小さく、下のクラスに位置するため、中古車相場にはあまり大きな影響はなさそうだ。むしろ今後のアウトランダーはさらにプレミアムな方向性に進化していくだろう。あと、PHEVは家庭用蓄電池としての役割もあり、震災などいざというときの電力としても利用できる。そんな意味でも、アウトランダー(とくにPHEV)は、三菱ラインアップの屋台骨としての役割を担うことになりそうだ。
まとめると、アウトランダーは現行型の他メーカーライバルと比較しても遜色のない価格帯に下がっている。とくにPHEVは大きく値下がりしているので、ねらう価値は大いにあるだろう。