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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06

王者の貫録 日本国内初試乗 最新のメルセデスベンツSクラスは最高のサルーンか?

いよいよ日本の道を走り始めたベンツのフラッグシップSクラス。その走り、作りを味わってみる!!

いよいよ日本の道を走り始めたベンツのフラッグシップSクラス。その走り、作りを味わってみる!!

いよいよ日本の道を走り始めたベンツのフラッグシップSクラス。その走り、作りを味わってみる!!

【本記事は2006年1月にベストカーに掲載された記事となります。】いよいよ日本の道を走り始めたベンツのフラッグシップSクラス。その走り、作りを味わってみる!!新しいSクラスの目玉は、現在考えられる技術をすべて盛り込んだ安全装備の充実と、日本車にも負けないハイテク情報デバイスの数々、そして新しい5.5L、V8エンジンのもたらす余裕の走りだ。まず新エンジンに関してだが、S500のM273型ユニットはDOHC4バルブ化されたメルセデスの新世代V8。排気量が5.5Lに拡大されたこともあり、パフォーマンスは387ps/54kgmと、旧5L、V8の306ps/46.9kgmから大幅なパワーアップを果たしている。ミッションはメルセデスご自慢の7速AT“7G-TLONIC”だから、ガツンとアクセルを全開にするとコイツが一気に2速シフトダウンしてフル加速を開始。こういった全力加速時のシャープな吹け上がりは5.5Lという大排気量としてはきわめて軽快で、アッという間に大きな声では言えない速度域に到達する。パフォーマンス的にはAMG55に肉薄するレベルだが、ドライブフィールはより洗練されてスマートな加速感。従来のV8とはかなりキャラクターの違うエンジンに生まれ変わったという印象だ。いっぽう、S350はSLK以来メルセデスの新しい主力エンジンとなっているDOHC4バルブV6のM272型ユニット(3.5L・272ps)を搭載する。さすがにS500に比べるとトルクが細いが、トップエンドまで引っ張ったときの伸びのよさではこちらも侮れない。日常的にはこれでまったく不自由は感じない。しかも、今度のSクラスは全車エアサスが標準装備だから、しっとりソフトな乗り心地はS500と比べてもまったく遜色がない。EクラスがエアサスのE500とコイルバネのE350でかなり乗り心地の“質”が違うのに比べると、さすがSクラスというところ。この価格帯のクルマで“お買い得感”を論じても意味はないが、プライスバリューを考えると個人的にはS350のほうがお薦めだと思う。

内装のクォリティの向上

先代Sクラスで「クオリティの低下」を指摘されたインテリアだが、新型ではベンツの意地を見せつけるように、品質を向上させた

先代Sクラスで「クオリティの低下」を指摘されたインテリアだが、新型ではベンツの意地を見せつけるように、品質を向上させた

とまぁ、パフォーマンスについては以上のとおりなのだが、Sクラスを買うような人にとってはそんなことはさして重要ではなく「よきにはからえ」ってなもの。彼らにとっては、安全性や快適性、そしてラグジュァリーな装備などのほうにより関心がある(ように見える)。そういう意味で、新しいSクラスで見事なのは内装のクォリティの向上ぶりだ。旧Sクラスは初期モデルで「インテリアがチープ」と酷評されたが、今度はまったく逆。BMWはもちろん、インテリアの上質さでは評価の高いアウディをも抜き去り、ドイツ高級車御三家中のベストといいたい「仕立てのよさ」を感じさせてくれる。また、テイスト面でもお得意のウッドトリムを効果的に配したデザインは、ドイツ的な冷たさとは一線を画すウォームで贅沢な雰囲気。ドイツ車党ならずとも高い満足感を与えてくれるはずだ。

8インチの高精細液晶ディスプレイを使ったインパネ

インパネには高級感あふれるダークウールナットを使用。シートはS500は本革が標準装備されている

インパネには高級感あふれるダークウールナットを使用。シートはS500は本革が標準装備されている

安全・ハイテクデバイスについても、8インチの高精細液晶ディスプレイ(800×480ピクセル)を使ったインパネが新たな可能性を感じさせる。オプションの“ナイトビューアシスト”を装備すると、昼間はスピードメーターを表示している液晶ディスプレイが夜間は暗視モニターに変身、驚くほどクリアな赤外線映像を表示する。この種のナイトビジョンはこれまでにも何種類かあったが、Sクラスのそれは「明らかに次元が違う」という印象。これを体験してしまうと、どんなに高度なシステムでも「ディスプレイが貧弱では意味がない」ということがよーく理解できる。さらに、インパネ中央には同じディスプレイがナビ用として装備されるから、今度のSクラスは8インチ液晶が2枚標準装備ということ。飛行機でいう「グラスコックピット」にかなり近づいた超先進的インスツルメントパネルといえるわけだ。

ベンツという絶大なプランド力と新技術への挑戦への信頼感

S350はベンツ以外の外車、国産ユーザーがターゲットだという。S500はオーナードライバーズカーのトップモデル。S500ロングはビジネスマン向けの上級フォーマルユーザーがターゲットだ価格はS350が987万円、S500が1260万円となる

S350はベンツ以外の外車、国産ユーザーがターゲットだという。S500はオーナードライバーズカーのトップモデル。S500ロングはビジネスマン向けの上級フォーマルユーザーがターゲットだ価格はS350が987万円、S500が1260万円となる

新しいSクラスはエントリーモデルのS350でも987万円という高価格車だが、ベンツという絶大なプランド力とともに、こうした新技術への挑戦が揺るぎない信頼感につながっている。1000万以上をクルマに投じられる人にとって、「確かにそれだけのことはある」と納得させる実力を備えたクルマ。それが、Sクラスの魅力の源泉なのである。発表されてから12月中旬まで2カ月。その間の受注はなんと3200台。売れまくってます!!

新型Sクラスここにビックリ!! (1)ナイトビューモニター

メーター部に大型液晶画面でくっきりと表示されるナイトビューアシスト

メーター部に大型液晶画面でくっきりと表示されるナイトビューアシスト

新型Sクラスここにビックリ!! (1)ナイトビューモニターS350に25万2000円、S500に23万1000円でオプション装着可能なナイトビューアシスト。ヘッドライトに組み込まれた近赤外線を前方に照射、赤外線カメラで捉えた画像をモニターに映すのだが、このモニターがすごい。通常スピードメーターを表示している8インチ液晶画面が必要に応じナイトビュー画面に切り替わるのだが、とにかく迫力があって画像もくっきり、画面が見やすいのだ。これならナイトビューの効果も絶大。しかし、スピードメーターが液晶モニターに映し出されているとは気づかなかった。

新型Sクラスここにビックリ!! (2)5.5LのV8エンジン

S500に搭載される5.5L、V8エンジンは最高出力387馬力、最大トルク54.0kgmを発揮する。高回転までシャープに吹ける

S500に搭載される5.5L、V8エンジンは最高出力387馬力、最大トルク54.0kgmを発揮する。高回転までシャープに吹ける

新型Sクラスここにビックリ!! (2)5.5LのV8エンジン新型S500に搭載されるエンジンは5.5Lに排気量が拡大されたV8エンジン。これまでSOHCだったものがDOHC化され、最高出力387馬力、最大トルク54.0kgmを発揮する。旧型のSOHC5Lと比べると、実に26%のパワーアップ、15%のトルクアップ。またこのエンジン、最大トルクを2800回転から4800回転の間でフラットに発生。アイドリングをちょっと上回った回転域から50kgm程度の図太いトルクを発揮し、力強い走りを見せてくれるのであった。DOHC化されたことで、トップエンドの伸びが一段とシャープになり、とても5.5Lも排気量があるエンジンとは思えない気持ちのいい吹け上がり。いっぽうS350に搭載されるのはV6、3.5Lエンジン。最高出力272馬力、最大トルク35.7kgmを発揮する。このエンジンはすでにEクラスやCLSなどにも搭載されている。旧来の3.7L SOHCと比べ、排気量は縮小しているが、パワーは11%向上している。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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