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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06

近年最大の日産プレサージュ嬢のエステ効果は? 隠れた改良ポイントを徹底試乗!

正統派の「いいクルマ」なった

ムラーノを思わせる迫力あるフロントマスク。デザインコンセプトはダイヤモンドのブリリアンカットだ

ムラーノを思わせる迫力あるフロントマスク。デザインコンセプトはダイヤモンドのブリリアンカットだ

【本記事は2006年8月にベストカーに掲載された記事となります。】ウンチクは後回しにして試乗といきましょう! まず2.5Lから。Dレンジをセレクトして走り出すと、あらま! 圧倒的に静かになっている。マイナー前の乗り心地ときたら、250万円以上するクルマの質感とは思えなかった。路面の凸凹をドライバーにハッキリ感じさせてしまうし、エンジンの騒音&振動も賑やか。ガマンできないワケじゃないものの、ライバルと乗り比べたら明らかに「負け」だったと思う。MC後のモデルに乗ってびっくり! 正統派の「いいクルマ」じゃないの! 荒れた路面を走ってもボディを揺するような“ドシビシ系”の振動は入ってこなくなった。コーナーでは安定したロール角をキープしつつ、上級モデルのような落ち着いた姿勢でクリア。コーナリングスピードも充分以上に速い。「日産車はこうじゃなくちゃ!」であります。ライバルと比べたってぜんぜん負けていない。

ハード面の不満はマイナーチェンジで完全になくなった

リアのスタイリングはバンパーの変更のみで変化は少ない。ちなみに今回のマイナーチェンジでは、バックビューモニターやサイドブラインドモニターの視認性も向上されている

リアのスタイリングはバンパーの変更のみで変化は少ない。ちなみに今回のマイナーチェンジでは、バックビューモニターやサイドブラインドモニターの視認性も向上されている

4気筒以上に「よくなりましたね」なのが3.5LのV6搭載モデル。これまでは231psというミニバン屈指のパワーを存分に生かせておらず、「踏めば速いだけで楽しくなかった」と言い換えてもよかろう。おそらく強力なエンジンパワーのわりに、足回りもエンジンマウントも柔らかすぎたんだと思う。走りの楽しさをセールスポイントとする日産車としちゃ、成功作にほど遠かったです。新しいプレサージュなら存分に3.5Lのパワーを楽しめる。エスティマの3.5Lや、MPVのターボと真正面から勝負させたってイケそう。何よりアクセル踏んだ時の「クオーッ!」という吸気音がいい! テストコースで遊んでみたのが走りの写真だ。思いきり攻めたってキッチリとコントロール可能。ハード面の不満はマイナーチェンジで完全になくなった。試乗後、CPSの川嶋さんから新しいプレサージュの変更点など聞こうとしたところ、挨拶代わりに「国沢さんが以前書いた後出しジャンケンで負けているという初代プレサージュの記事、開発スタッフはみんな知っていますよ」と軽いジャブを喰らってしまった。仕事柄、攻めるのは得意なのだが、こうやって先手をとられると、とりあえず相手側の話から聞くしかありません。

代表的な改良点

インパネも大きくイメチェンした! センターメーターやテーブルのようなスイッチ配置は廃止され、シンプルなインパネとなった。3連メーターやシルバーパネルなどでスポーティさが強調されている

インパネも大きくイメチェンした! センターメーターやテーブルのようなスイッチ配置は廃止され、シンプルなインパネとなった。3連メーターやシルバーパネルなどでスポーティさが強調されている

しかも! 相手は策士である。マイナーチェンジ前のプレサージュの弱点をトウトウと述べ始めたじゃないの! 曰く「担当になった後、入念にプレサージュを分析してみると、頑張っているのに実現できていない点が多数見つかりました。後出しジャンケンで負けていたかもしれません」。ユーザーから指摘されている点も少なくなかったそうな。以下、代表的な改良点を紹介したい。●静粛性の向上私も乗ってすぐ感じた。これまでと違うタイプの遮音材を採用。常用域の静粛性を向上させたという。効果はキッチリ。●女性ドライバーの意識の変化に対応させた今までよりアクティブになったのか、フワフワした乗り心地より「シャープな走り」を望む声が増えたらしい。これまた狙いどおり仕上がっていると思う。●パワステの操作力女性がすえ切りしやすいようにパワステのセッティングを変更したらしいが、だからといってヘンなステアリングフィールになっているようなことはなし。●初期制動力向上のためブレーキブースターの容量をアップ踏力を軽くしようとすると敏感になってしまうこともあるけれど、これもブレーキタッチに違和感なし。なるほど! さて。肝心のデザイン変更について印象など。私は従来のデザインも悪くなかったと思う。おそらく「ハッキリ変えたい」ということからムラーノ風の仕上がりになったのかと。存在感を出そうという狙いは間違っていない。でもプレサージュの売れゆきが伸び悩んでいた理由って、デザインでも使い勝手でも質感でもないような気がしてなりません。とりあえず、ずいぶんお金をかけたエステ効果は“大”と言っておきましょう。.

最大のライバルオデッセイと比較すると?

最大のライバル オデッセイと比較すると?

最大のライバル オデッセイと比較すると?

最大のライバルオデッセイと比較すると?実用上の違いであるリアドアを除けば(オデッセイは通常タイプ)、依然としてオデッセイの優位点が大きい。オデッセイの凄さは、1550mmに収まる全高で3列シートのミニバンを成立させてしまった点にある。以後、車高のあるミニバンは、イッキに魅力を失ってしまう。動力性能については、プレサージュが3.5Lエンジンをラインアップするため5点とした。2.5Lとオデッセイの2.4Lで比較すると、評価はイーブンとなる。ほかの項目においても互角の評価を与えた。MC前ではオデッセイに完全に負けていたが、改良で追いついたかたちだ。しかし、だ、オデッセイはコンセプトや魅力的なところがハッキリしているのに対して、プレサージュにはそういった魅力が足りない。プレサージュを購入したとしても不満に感じる部分はないだろうし、性能面でも悪いところはないが、クルマ全体としてみるとオデッセイが完全に勝っている。スライドドアを採用するミニバンは、ここにきてエスティマやMPVのごとくセカンドシートの居住性を大幅に向上させたモデルがデビュー。プレサージュがオデッセイと勝負しようとすれば、スライドドアに加え、もうひとつくらい強力なアピール点を必要とします。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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