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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06

高級スポーツセダン これぞ日産 スカイラインの進む道

新型スカイラインを検証

フロントグリルは単なる横桟ではなく、微妙にねじりの入った造形。作り込みの精度が高く、ボディとバンパー、ボンネットなどの隙間は極小

フロントグリルは単なる横桟ではなく、微妙にねじりの入った造形。作り込みの精度が高く、ボディとバンパー、ボンネットなどの隙間は極小

【本記事は2006年12月にベストカーに掲載された記事となります。】11月20日にスカイラインが発表された。V6エンジン搭載モデルとしてはV35に続く第2世代となる。スカイライントータルとしては12代目。4月12日にニューヨークショーでインフィニティG35としてエクステリアが公開され、そのG35のアメリカ現地試乗レポートも展開したため、正直なところデビュー直後ながらインパクトはそれほどでもない。しかし、歴代モデルともフルモデルチェンジのたびに、エンジンはどうなっているのか、リアコンビは? 何か秘密兵器や新開発のものはあるのか? とアレコレ話題になるスカイライン。実際BC編集部にも、スカイラインのフルモデルチェンジの内容についての問い合わせはかなりあった。みんな気になっているようなのだ。「今まで日産が作り出してきた高い技術は、スカイラインのために開発されたものであることが少なくありません。高い動力性能と実用性の両立が高い技術を要した」という主旨のことを、セグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリストの大澤辰夫氏が語ってるように、スカイラインは日産にとって重要なモデルで、高い動力性能と実用性の両立という当初からのスカイラインのコンセプトを踏襲して、最新のV36スカイラインも開発。では、新型スカイラインを具体的に見ていくことにする。

大きくなっていないが迫力あり

なかなかムードがあります

なかなかムードがあります

●それほど大きくなっていないが迫力がある新型スカイラインのボディサイズは、全長4755×全幅1770×全高1450mmと、5mm長くなり、20mm幅広くなり、20mm低くなっている程度。ホイールベースは2850mmで同じ。しかし、写真で見ても、実車を目の前にしても、旧型よりも迫力があるのはデザインによるところが大きい。ワイド&ローフォルムを強調する肉感的なフロントフェンダーの峰、サイドビューではフロントホイールアーチからリアホイールアーチにかけて勢いよくカーブするキャラクターラインによる躍動感、Aピラーを後退させることによりロングノーズが強調されるなど、細部にこだわりを見せている。『ダイナミックフォース』、『モダンウォームズ』、『クラフトマンシップ』という3つの単語がスカイラインのエクステリア、インテリアデザインのキーワード。それぞれ躍動感、官能的、品質感を意味している。基本的にはキープコンセプトで、イマイチ新鮮味がないように映るエクステリアだが、「実車との初対面はいい印象はなかった。でも実車を3度見る機会があったが、見るたびに新鮮な驚きがあり、カッコよく見えてきた」とは本誌・梅木。「実車も見たけど、う~ん、インパクト不足でフーガと似すぎ。竹ちゃんもフーガと間違えとったゾ」とは本誌(編)。アナタはどう思う?

別もののエンジン

NEW ENGINE 新型スカイラインは3.5L、2.5Lの2種類のV6DOHCを搭載。型式はVQのままだが、ほとんど新設計といっていい内容。HRというのはダテじゃない! 特に注目は3.5Lで、315ps/36.5kgmをマーク。7500回転まで気持ちよく回るスポーツエンジンだ。いっぽう2.5Lは225ps/26.8kgmのスペック。どちらも低フリクション化が図られ、燃費の向上にも大きく貢献しているのもポイント

NEW ENGINE 新型スカイラインは3.5L、2.5Lの2種類のV6DOHCを搭載。型式はVQのままだが、ほとんど新設計といっていい内容。HRというのはダテじゃない! 特に注目は3.5Lで、315ps/36.5kgmをマーク。7500回転まで気持ちよく回るスポーツエンジンだ。いっぽう2.5Lは225ps/26.8kgmのスペック。どちらも低フリクション化が図られ、燃費の向上にも大きく貢献しているのもポイント

●3.5L、2.5Lともどちらもほとんど新開発!新型スカイラインのエンジンは旧型と同じV6、3.5Lと2.5Lのラインアップだが、エンジンそのものは別もの。型式も3.5LがVQ35HR、VQ25HRというもので、この“HR”はHIGH REVOLUTION(高回転)、HIGH RESPONSE(高い応答性)の両方の意味を表わしているスポーツエンジンに仕上げられている。名前のとおり、3.5Lの排気量ながら、7500回転まで気持ちよく回る。エンジンの剛性アップ、振動低減のためにクランクシャフトの支持剛性をあげるためにラダーフレームを追加。クランクシャフトのジャーナルとピンのサイズアップ、コンロッドを延長するなど、非常に手の込んだエンジンとなっている。さらに左右完全対称吸排気システム、等長エキゾーストマニホールドも新採用している。それにより、スペックはVQ35HRが315ps/36.5kgm、VQ25HRが225ps/26.8kgm。IS350/250がそれぞれ318ps/38.7kgm、215ps/26.5kgmだから、ほぼ互角の実力を持つと思われる。10・15モード燃費は3.5L搭載モデルが9.2km/L、2.5L搭載モデルが11.2km/L(FR)、10.0km/L(4WD)となっていて、V35に比べるとかなり向上。

大幅改良の5AT

ストレートタイプのATレバーは操作感抜群。350GTタイプSPとSにのみマグネシウム製のパドルシフトが標準装備される

ストレートタイプのATレバーは操作感抜群。350GTタイプSPとSにのみマグネシウム製のパドルシフトが標準装備される

●MTはないが、大幅に改良された5ATでスポーツ走行はバッチリ!新開発の3.5L、2.5LのV6エンジンに組み合わされるのは、5ATのみで、旧型の3.5Lにあった6MT、エクストロイドCVTは消滅。スカイラインの5ATは、ストレートシフト+ドライバー側マニュアルシフトを採用し、使いやすさを追求。スポーティな走りを可能にするDSモードが新設定されている。それからすでにフーガやフェアレディZには採用されてるシンクロレブコントロールも盛り込まれた。これはシフトダウン時にスロットルをコントロールし、エンジン回転数を同調させるというもので、簡単に言えば、クルマのほうで自動的にヒール&トウをやっている状態にしてくれるというスポーツ心くすぐられる気持ちのいい機構だ。それから、350GTタイプSPとタイプSのみに標準装着されたステアリング裏のパドルシフトは、見た目の美しさと操作感を考え、マグネシウム製で指の当たる部分に本革が貼られたパドルが奢られている。このあたりのこだわりが、スポーツセダンとしては嬉しいところ。

走りには気持ちよさと快適な乗り心地を追求

●走りには気持ちよさと快適な乗り心地を追求新型スカイラインでは、旧型のV35で登場し、フェアレディZ、フーガなどにも採用されているFMパッケージを見つめ直し、新世代のFR-Lプラットフォームへと変更された。ハンドリングと乗り心地の両立のため、フロント/ダブルウィッシュボーン、リア/マルチリンクのレイアウトを持つサスペンションにも大幅に手を入れてきている。そして特筆すべきポイントは、ステアリング操作に対する前後のタイヤの切れ角を車速に応じて調整し、どの速度域でも無駄のないスムーズな走りを実現させた4輪アクティブステア(4WAS)。これはスカイラインに投入された必殺技で、世界初のシステム。これまで日産は、HICAS→スーパーHICAS→スーパーHICAS IIとリアのトーコントロールについて長年研究開発を続けてきたが、この4WASはそれらの集大成。スカイラインにまず投入されたというのがファンにはたまらない事実で、大澤氏のスカイラインに対する発言の裏づけだ。「走り込んで『魂』を入れる」を合い言葉に、徹底したテストドライブが行なわれたという。エンジンの高性能化による動力性能の向上、サスペンションの改良によるコーナリングパフォーマンスの飛躍的進化に合わせ、ブレーキも強化。V35よりも大径化されている。走る、曲がる、止まる、すべてにおいてスペック上は進化している。スペック上と断わったのは、まだ新型スカイラインには試乗していないためだが(インフィニティG35を除く)、「何はともあれまず、ステアリングを握ってもらいたい」(チーフ・ビークル・エンジニアの佃安彦氏)この自信の言葉が新型スカイラインのハイポテンシャルな走りを期待させる。

エクステリア以上のこだわりを感じさせるインテリア

デザインにこだわると同時にセンターコンソール部分にスイッチ類を集中させ、使い勝手も追求。メーターは視認性に優れたスポーティタイプ

デザインにこだわると同時にセンターコンソール部分にスイッチ類を集中させ、使い勝手も追求。メーターは視認性に優れたスポーティタイプ

●エクステリア以上のこだわりを感じさせるインテリア走りの気持ちよさと同時に、実用性、快適性を追求するのがスカイライン。そのコンセプトのもと、インテリアにもこだわりを見せる。まず、クルマに乗り込むと日本刀をイメージしたという、本アルミフィニッシャーが目に入る。これがなかなかいい。そして乗り込んだ感じは、囲まれたようなムードで、外界とは隔絶された自分たちだけの空間という感じがする。室内はまったく不満のないレベルの広さなのだが、心地いいタイト感があるのだ。素材、デザインにこだわったインテリアで高級感はあるのだが、同時に乗り手にスポーティな心地よさを与える。同じ日産の内装自慢、ティアナがリビングルームならスカイラインは男の作業場、つまり書斎という感じ。マルチファンクションスイッチは、運転席、助手席側からでも使いやすいように配置。本革シートは新型スカイラインのアピールポイントのひとつだが、シートカラーはブラック、シルキーエクリュ、フォーブ(濃い茶)の3色が用意され、フィニッシャーがアルミか本木目かによって合計5パターンから選ぶことができる。この色遣いにより、これまたインテリアの印象はガラリと変わるから不思議。購入時は悩み抜いて、自分の好みのものを手に入れてもらいたい。本革シートは350GTのタイプSP、タイプP、250GTタイプP、250GT FOURタイプPに標準装備され、そのほかのグレードはソフトジャカード織物タイプとなる。

価格は若干アップ

●価格は若干アップグレードは3.5L搭載の350GTがタイプSP、タイプP、タイプS、2.5L搭載の250GTがタイプP、タイプV、標準となっている。そして4WDは2.5Lの全グレードに設定されるが、3.5Lには設定なし。価格帯は、250GTの標準の279万3000円からトップグレードの350GTタイプPの380万1000円まで。4WDは27万3000円高となっている。エンジンなど新設計のものが多く単純比較できないが、V35よりちょっと高い価格設定となっているが、レクサスIS250/350より120万円程度も安い!!外観にちょっと注文ありだが、インテリア、走り(スペックからみて)などすべての点で、旧型よりも大幅に進化して、スカイラインは高級スポーツセダンとして驀進中!

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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