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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05
旧型ミニオーナーが発見した新型ミニの変わりっぷり 旧型ミニvs新型ミニ 新型MINI進化論
すべて新設計の新型ミニクーパー
新型ミニクーパー 新型はヘッドライトがやや外側を向き、ウインカーがヘッドライトのなかに埋め込まれている。グリルも一体化
【本記事は2007年4月にベストカーに掲載された記事となります。】もし正面から走ってこられて、新旧ミニを瞬時に識別しろ……と言われても旧型ミニオーナーであるボクにもその自信はない。全長は旧型から60mm延長され、ルーフ以外の外装パーツはすべて新設計。子細をよく見ていくと、例えば顔回りなら新型のほうがグリルがワイド。同時にラウンドさせた旧型に比べ角を削いだボディに沿って貼り付くヘッドランプの左右の間隔もオットリと広いように見える。
ミニクーパー こちらがクーパー。全長は旧型に比べ60mm延長、フロント部は38mm延長。標準装備のタイヤは175/65R15、ホイールは5.5J×15
グリルはクーパーが横桟、クーパーSがハニカムとパターンで差別化されたから、両車の違いはより歴然とした。またリアクォーターウィンドウは、新型ではガラスがCピラー前で終わっており、旧型のように回り込ませていない(デザイン重視だった旧型からのコストダウン!?)。ドアミラーのハウジングも同じようで新旧では、実は微妙に形状が違う。エンジンは新開発(BMWとプジョーのコラボ)だが、コレはいい。とくに「上出来!」と感心するのが175psを発生するクーパーSの直噴ターボだ。低回転から柔軟で回すとメキメキとパワーを生み出してくれる。試乗したのは6速MTだったがクラッチミート、シフト操作も旧型より格段にタッチがこなれて誰にでも楽しく走らせられるはず。スーパーチャージャーだった先代のクーパーSはエンジン特性がピーキーで今思えばかなりスパルタン。新型はアクセル操作に対するパワーのツキが滑らかで、パワフルなターボなのにとても走らせやすい。
エンジンはどう変わった?
エンジンはどう変わった? クーパーの1.6L直4NAエンジンは可変バルブ制御システム、バルブトロニックとなり、旧型より4ps/1kgmアップの120ps/16.3kgm。クーパーSはスーパーチャージャーユニットからターボに変更。この1.6Lターボエンジンはコモンレール直噴式のツインスクロールターボで5psアップの175ps/24.5kgm。ツインスクロールターボは2気筒ずつ分割された排気ガス流によって駆動する。フルスロットル時には、一時的に過給圧を上昇させることによってトルクを26.5kgmまで高めることができる
いっぽうクーパーに搭載の120psの1.6Lは、クーパーSの出色ぶりに比べれば、まずまず。エンジン性能は実用+αといったところか。とはいえ、旧型のローバー製CVTと決別、アイシンAWの最新6速ATを得て振動&騒音が激減。特に旧型CVTのような低速でのギクシャク感は皆無だ。新型に乗ると、旧型のハンドリングは「まさしくゴーカートだった」と感じる。印象的なのはすべての挙動がシットリ系になった点。もちろんハンドリング重視のクーパーSならシャープであるのは変わらない。が、ステアリングの切り始めが「ピクッ!」から「スッ!」にコーナリング中も適度なロール感が実感できるようになり荷重移動も穏やかになった。クーパーは旧型のイメージを洗練させた印象。なおステアリングがモーター直付けの電動になりフィーリングが洗練。駐車する速度域でのむやみな重さがなくなったのが嬉しい。
快適に座れるようにシートバック裏側のクッションを見直し
シートバック裏側のクッションを見直し、より幅広い体型の人でも快適に座れるように。クーパーSはスポーツシート
新型ミニに試乗して、一番うらやましいと思ったのが、乗り心地のよさだ。ホイールベースは新旧同じだが、新型はたとえクーパーSでも低速から乗り心地がいい。旧型は低速でクゥンクゥンとボディが上下に揺さぶられたがそれがほとんど気にならない。クーパーも同傾向だが「洗練された、快適になった!」と、より実感できるのはクーパーSのほう。またサスペンション系、駆動系からの騒音が激減したことでの快適性も大幅に向上。振動が減ったから旧型のように走行中に常にインパネ内部からビリビリ、カコカコと異音が立ったりせず上質感もアップ。インパネのデザインは好み次第だと思う。ボクは旧型のオリジナリティが未だ色褪せていないと思う派。新型は「変えなきゃ!」と苦心した跡を感じる。ただし実質面での改良点は多数。マニアックな部分を挙げていくと、テレスコピックが付いた、前席座面前後長が長くなった、デジタル時計が見やすくなった(ドットが細かくなり、数字の書体も判読しやすいものになった)、ハッチゲート裏側に三角表示板格納場所ができた、など。ギミックだがLED式の室内照明の色が切り替えられるようになった。ドアポケット(容量自体は旧型のほうがタップリしていた)に間接照明が入ったのはイイ感じ。
うらやましいと思う進化ぶり
主要諸元
前席は囲まれ感がやや増大。サイドウィンドウ下端が少し高くなり、ボンネットの見え方も旧型より盛り上がって見える。後席及びトランクスペースは実質的に新旧で大差なし。2+犬または荷室といった風に基本的にパーソナルなクーペ感覚で使うのがサマになるクルマであることは新型でも変わらない。旧型オーナーとしてはうらやましいと思う進化ぶりだった。