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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05

猫足は健在? 国産車とどこがどう違うのか?プジョー207

キープコンセプトといっていいフルモデルチェンジ

206に比べ全長が195mm、全幅が80mm、全高が30mm拡大。全幅は1750mmと5ナンバーサイズを超えた

206に比べ全長が195mm、全幅が80mm、全高が30mm拡大。全幅は1750mmと5ナンバーサイズを超えた

【本記事は2007年5月にベストカーに掲載された記事となります。】98年のデビュー以来、累計生産台数が590万台を超えたヒット作、206。日本の輸入車市場でも累計4万8000台を売り上げたベストセラーだ。その206の後継車、207がついに日本に上陸した。これだけ数が出るクルマだけに、新しい207は基本的にはキープコンセプトといっていいフルモデルチェンジ。ただし、近年どんどんサイズが大きくなる欧州Bセグメントの中では、肥大化を最小限に抑えたという印象だが、全幅は1750mmと3ナンバーサイズとなった。国産でいうと車格的にはオーリやティーダと同クラスで全長が2台に比べ20cmほど短いのが207の特徴。インテリアは大幅にクォリティが向上しているのが目立つ。最近の欧州Bセグメント車はインパネの素材をソフト成型品にグレードアップしてきているが、207もその例に漏れず、手触り、建付けともに旧型からは2ランクアップといっていい進化。ブレイドのアルカンタラ張りインパネの質感が高いけど、トヨタが危機感を抱くくらい、最近の欧州Bセグの内装はクォリティが高くなってきている。

ATにも本格的な投資が望まれる

2つのエンジンともにPSA(プジョーシトロエン)とBMWの共同開発。1.6L直4NAは連続可変バルブ&リフトシステム付きの120ps/16.3kgm。1.6L直4ターボは直噴式でボルグワーナー製のツインスクロールタービンを採用。1000rpmからターボが効き始め1400rpmには最大トルクを発生

2つのエンジンともにPSA(プジョーシトロエン)とBMWの共同開発。1.6L直4NAは連続可変バルブ&リフトシステム付きの120ps/16.3kgm。1.6L直4ターボは直噴式でボルグワーナー製のツインスクロールタービンを採用。1000rpmからターボが効き始め1400rpmには最大トルクを発生

メカニズムで注目されるのはBMWと共同開発した1.6L直4エンジンだ。基本的にBMWミニと共通のユニットで、NAはバルブトロニック、ターボは直噴という最新のハイテクエンジンである。207標準グレード、207Cieloに積まれるNAに関してはミニと同じ120ps/16.3kgmだが、ターボのGTはクーパーと同じ150ps/24.5kgm。さらに今年夏頃には175psのGTiのデビューが後に控えている。惜しまれるのはGTに5速MTしか設定がないうえに、NAモデルも4速ATといまどきのATとしてはスペック的に見劣りがすること。これだけのベストセラーなんだから、そろそろATにも本格的な投資が望まれるところだ。走ってみての第一印象は、206よりだいぶしなやかで大人っぽいクルマになった、というものだ。プジョーというと“猫足”と表現されるしなやかな乗り心地が有名だが、その表現が本当に相応しいのは407以上。307はまぁギリギリ“猫足”といってもイイかなぁといったボーダーラインで、206はポンポン跳ね気味。

ボディの動きが格段に落ち着きが出た

国産コンパクトはオーリスとティーダがライバル!!

国産コンパクトはオーリスとティーダがライバル!!

それが、207になってボディの動きが格段に落ち着きが出たし、市街地レベルの低速でもサスペンションがよりしなやかに動くようになった。車重が重くなったことも影響しているのだろうが、206から乗り換えたら別物だし、下手をすると307よりイイ感じ。NAでもターボでも、乗り心地は207の大きな魅力のポイントで、これは国産車にはないプジョーならではの持ち味となっている。エンジンに関しては、ターボは「ホントに過給してるの?」と確かめたくなるくらいフラットトルクなのはいいのだが、5速MTで乗っているとトップエンドの伸びが物足りない。カタログ上の最高出力回転数は5800rpmなのだが、5000rpmを超えると頭打ち感があり、ついシフトアップしたくなる。このパワー特性なら、むしろATと組み合わせた方がずっと気持ちよく走れると思う。いっぽう、NAはBMWご自慢のバルブトロニックの威力で、ターボに肉薄するくらいトルク特性が抜群。4速ATのデキは正直いって大したものではないがそのハンデを跳ね返す優れたドライバビリティをみせつける。

小粋なデザインと質感がアップしたインテリア

主要諸元

主要諸元

今回試乗したターボで5速MTのGTと、NAの4速ATで豪華装備のCieloが264万円というまったく同じ価格設定。試乗車にはなかったファブリックシートが装着される標準グレードが239万円。輸入車では264万円のミニ・クーパー(1.6L/6速AT)や242万円のゴルフE(1.6L/6速AT)。しなやかな足回りでは207、キビキビとした走りの楽しさではミニクーパー、ゴルフEは質感、作り、走りとトータル的に最も優れているが、おもしろみがない。206に比べるとインテリアや走りの質感がアップした分だけ、2車との差が少なくなった。国産車だとクラス的にはトヨタオーリス(最も高いモデルで185万8500円)、日産ティーダ(最も高いモデルで180万8100円)。価格でみると2.4Lのトヨタブレイド(224万7000~256万2000円)。207は、トヨタオーリスや日産ティーダよりはインテリアの質感が高く、特に乗り心地やハンドリングの楽しさからいうと、明らかに207のほうが上で、高級感ではトヨタブレイドには敵わない。小粋なデザインと質感がアップしたインテリア、しなやかな猫足をもつ足回り。国産車との価格差を気にしなければ、ぜひお薦めしたいモデルである。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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