7年ぶりにフルモデルチェンジのV70　今度のボルボは日本人にウケるか？

【本記事は2007年11月にベストカーに掲載された記事となります。】ボルボのV70といえば、誰もが認める輸入車ワゴンのベストセラー。現行V70が丸7年を経過したモデル末期ということもあって最近はボルボワゴンの人気にもやや陰りが見えてきたというのが正直なところだった。それだけに、今回フルモデルチェンジを行なった新型V70への期待は大きい。今度のV70で最も注目すべきポイントはベース車を新型S80としていわゆる車格を1ランクグレードアップしたことだ。この結果、全長が105mm大きくなり、主力エンジンは5気筒から6気筒へアップブレード。ボルボがこだわる衝突安全性についても、これまで以上の高い水準を達成している。ボルボ本来のルールに従えばV90と名乗るべき高級ワゴン。これが輸入車ワゴンのトップセラーの地位を死守すべくデビューした新型V70のコンセプトなのである。実車に接してみると、たしかに高級感については従来モデルから大きくグレードアップしたことが納得できる。

シックな北欧モダンデザインのインテリアはとっても趣味がよくて心地よい空間だし、新たに40：20：40の3分割となり、ワンステップでフォールディング可能なリアシート、先代より60L拡大したラゲッジスペースの収納性、ボルボ初となる電動テールゲートなどさすがに第一人者ならではの使い勝手のよさ。走りっぷりも、特に乗り心地と静粛性の点で大きな進歩を遂げている。ボルボは衝突安全性のために直6の横置きというユニークなレイアウトを採るが、新型V70のエンジンはS80でデビューしたばかりの新開発ユニット。3.2LのNA（3.2SE＝575万円）と3Lのターボ（T-6TE　AWD＝750万円）がラインアップされる（ベーシックモデルの5気筒2.5Lと3.2AWDは’08年中盤頃に発売予定）。旧型はV70クラシックの459万円（2.4L NA）からV70Rの743万円（2.5Lターボの4WD）。グレード展開が違うためいくら価格が上がったのがなんともいえないが明らかに価格レンジは上がっている。この直6エンジンがすばらしくスムーズでドライバビリティもいいのだ。3.2LのNAは84×96mmというロングストローク型だけに、低中速トルクの充実ぶりが頼もしい。加えてATは定評あるアイシンの6速ATだから、日常域でのドライバビリティは抜群。238psというスペックは1.7tを超える車重にはそれほど突出したものではないが高級車のエンジンとしてとてもバランスがいい。

いっぽう、285psを発揮する3L直6ターボは4WDと組み合わせてスポーツバージョンのT-6に仕立てられているが、こちらはタイヤやサスペンションの違いもあって明確にスポーティで固めな味つけ。3.2SEとはかなり印象が違う。これはS80の時にも感じたのだが、ボルボはやっぱりスポーティモデルよりシックなベースモデルのほうが好印象だった。

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