パッソ1L　燃費のよさを予感させるスムースな新エンジン！

【本記事は2014年6月にベストカーに掲載された記事となります。】トヨタの末っ子エンジンは、1L3気筒の1KR系。コイツは基本的にはダイハツが開発を主導するエンジンだが、今度のトヨタの新エンジン戦略で新規投入される14機種のひとつとしてカウントされている。その1KR-FE型エンジンだが、ヴィッツの1.3L1NR-FKE型ほどには大きく変わっていない。

シリンダー内に縦渦を発生させる新形状吸気ポートやクールドEGRは1.3Lと同様のものが採用されているが、アトキンソンサイクルではないので圧縮比アップは10.5→11.5どまり。3気筒だから4-2-1マニフォールドのような排気脈動も利用できない。それでも、トヨタの技術発表によると、エンジン単体の熱効率は1.3Lの38％に迫る37％を達成しているそうで、コスト制約の厳しいなか、かなり頑張った改良を実施したといえる。

ただし、走りっぷりはヴィッツ1.3Lで感じたほど鮮やかに旧型を凌ぐ印象はなかった。おそらく燃費性能は向上しているのだろうけれど、普通に走らせているぶんには従来とほとんど変わらない印象。ビジネスユースのユーザーには燃費が明確なメリットだが、一般ユーザーには魅力が伝わりにくい。そもそもパッソは乗り味がきわめてビジネスライク。エンジン音やロードノイズが大きめで、つい「もうちょっと走りに“うるおい”が欲しい！」と思ってしまう。

ヴィッツの1.3Lは開発リソースを燃費とドライバビリティ両方に投入した感じだが、パッソの1Lはそのエネルギーをぜんぶ燃費にかけたようなイメージ。パッソというのは、そういうふうに割り切って乗るクルマなのかもしれませんね。

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