自動車にかかる税金
更新日:2023.05.18 / 掲載日:2018.12.27

自動車の走行距離課税とは?仕組みやデメリット、導入の可能性など解説!

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 毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課せられる自動車税。

 これまでは、自動車の排気量(cc)に基づいて金額が決まるという仕組みでしたが、近年、政府与党の主導で「走行距離課税」という新制度について、導入が検討されています。

 ここでは「走行距離課税」が検討されるようになった背景や現時点で懸念される課題、いつから導入されるのかといった点について解説します。

現在の自動車税の仕組み

 現在、自動車を所有する人が必ず支払うことになっている「自動車税」。自動車に関連する税金の中でも、自動車重量税と並んでメインの税金となっています。

 全国の都道府県が管轄となるため、毎年4月1日時点で自動車を所有している人には、各都道府県から納付書が届きます。

 それぞれの金額は、軽自動車であれば一律10,800円、普通車の場合はその排気量によって異なり29,500円から111,000円までとなっています。

「走行距離課税」が話題となった背景とは?

 現在話題に挙がっている「走行距離課税」は、その名の通り自動車の走行距離に応じて課税を行うというもの。

 2018年ごろから話題に出始め、2022年下旬ごろ、政府の税制調査会の中で意見が挙がったことから再びネットや各メディアなどで大きな話題となりました。

 「走行距離課税」が案として挙がった背景には、電気自動車の普及がその要因の一つに挙げられます。

 排気量によって税額が決まるという現在の仕組みに対し、排気量がゼロの電気自動車は、乗用車の分類の中で最も低い「排気量:1リットル以下」と同じ税額になっており、今後普及が進めばその分税収が見込めなくなります。

 また、従来のガソリン車やディーゼル車が電気自動車や燃費の良いハイブリッド車へ切り替わることにより、ガソリン税の税収も減少することが予想されます。

 このほか、「若者の自動車離れ」「カーシェアリングの普及」など、自動車の保有者自体が減少傾向にあることも懸念されているようです。

 その対策として打ち出されたのが「走行距離課税」で、「従来の課税方法では将来的に税収が減少する」という課題を抜本的に見直すべき、という見方から意見が挙がりました。

「走行距離課税」で損をする人・得をする人

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 走行距離に応じて課税するとなると、大きく変わるのが電気自動車やPHV車の税金です。

 これらの車種は現状、エコカー優遇制度により免税あるいは減税の対象となっていますが、「走行距離課税」が導入されることとなれば、動力源の違いに関わらず税金が課せられることになります。

 また、生活エリアの違いによって税額に大きな差が生じるのは避けられません。

 通勤や日常生活などで自動車の利用が必須となっている地方在住者にとっては、これまで以上に大きな負担となる可能性が高まります

 カーシェアやレンタカーユーザーにとっても、一回当たりの利用額が増える可能性はゼロではありません。

 このほか、運送業界や流通業界、公共交通機関への影響も大きなものとなるでしょう。

 一方、週末のみ自動車を利用する方などは、これまでよりも税額を抑えられる可能性があります。

 「走行距離課税」が導入されれば、自動車の利用方法によっては負担額がこれまでと大きく変化するという方が多くなりそうです。

「走行距離課税」の課題とは

 もしも「走行距離課税」制度が導入されるとすれば、多くの課題が浮上します。

1.ガソリン車、電気自動車、PHV車など動力源の異なる車両の税金が一律となるため、不公平だという意見が挙がっています。
 特にガソリン車においては、ガソリン税が撤廃されない場合には二重課税となる懸念点もあります。

2.生活に自動車が欠かせない地域や地方住民への税負担が大きくなり、都市部と地方とで格差が生じる可能性があります。

3.物流の関連業界や交通機関においてはこの増税によって多大な影響を受ける可能性が高く、それが要因となり結果的に利用料金の値上げは避けられない状態となるでしょう。

4.走行距離をどのようにして把握・管理するのかという課題もあります。メーター改ざんが横行してしまう危険性も生じます。

 このほか、誰がどこを走ったのか記録する必要もあるため個人情報漏えいのリスクが高まるなど、解消しなければならない難題が多く残されています。

新制度はいつから適応される?

 報道によると、現時点(2023年4月現在)では検討課題の一つとして挙がっていますが、自動車税制の総点検に合わせて議論を深める見通しという段階にとどまっています。

 しかし2026年度に自動車税制の見直しが検討されていることから、今後導入について審議される可能性は高いものと言えるでしょう。

 走行距離に応じて課税するという「走行距離課税」。

 まだ具体的な改正案まで至っていないため、自動車所有者にどれほど影響を及ぼすのかは不明ですが、その実現にはクリアしなければならない問題が多くあるようです。

 世間からの「不公平」の声をどう解消するかが当面の課題となるでしょう。

走行距離課税はいつから導入されますか?

2023年4月現在では検討課題の一つとして挙がっているものの、具体的な導入時期についてはまだ決定していません。
2026年度に自動車税制の見直しが検討されていることから、今後導入について審議される可能性は高いでしょう。

走行距離課税はいくらくらいですか?

走行距離課税は2023年4月時点でまだ導入が決定していないため、具体的な課税額も決まっていません。
ただし、走行距離に応じて課税額が増えるため、これまでエコカー優遇制度で免税や減税の対象となっていた電気自動車やPHV車は、課せられる税額が増える可能性があります。
また、自動車を頻繁に利用する地方在住者は、走行距離課税が大きな負担となりうることが懸念されています。

走行距離課税が検討されるようになった背景は?

「走行距離課税」が案として挙がった背景には、ガソリンを使わない電気自動車や、燃費の良いハイブリッド車などの普及がその要因の一つに挙げられます。
また、自動車の保有者自体が減少傾向にあることも懸念材料の一つです。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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