カーライフ
更新日:2023.07.06 / 掲載日:2022.04.08

飲酒後の運転は何時間後に出来る?アルコールが抜ける時間とは?

飲酒後の運転は何時間後に出来る?アルコールが抜ける時間とは?
グーネット編集チーム

アルコールは昔から「百薬の長」と言われ、気分も高揚し、ストレスを発散させ、人と人の距離を近づけるコミュニケーションツールとしても欠かせないものです。
個々の体調に合わせたマイペースで適量の飲酒は決して悪いことばかりではないようです。

だからと言って適量なアルコール摂取でも、良いことばかりではありません。
人によっては平衡感覚を失う、眠気を誘う、などの症状として表れます。その状態で運転しようとすれば当然、「飲酒運転」として検挙の対象となります。

飲酒運転については、2022年4月施行の道路交通法の改正により、安全運転管理者のアルコールチェック業務が白ナンバー事業者においても義務となるなど、より一層厳しい目が向けられています。 このことからも、日ごろから飲酒量やアルコールが抜ける時間を把握するのは重要と言えるでしょう。

ここでは飲酒後の何時間くらいでアルコールが分解されるのか。どれくらいの時間が経過すれば運転できるのかを説明します。

アルコール吸収のメカニズム

まず、アルコールを吸収するメカニズムを見ていきましょう。
飲酒するとアルコールは胃・小腸で吸収され、血液に溶け込み肝臓へ運ばれ、その後、肝臓でアルコールが分解されます。

ただし、アルコールの分解には時間がかかるので、分解しきれなかったアルコールは、心臓へ運ばれ血管を通って脳へ到達します。
アルコールによって脳はマヒし、これが「酔う」として表れます。
ここまでで個人差はありますが、30分から1時間かかります。

飲酒後の症状は段階によって異なりますが、過量のアルコールを摂取すると、平衡感覚を失い千鳥足になるなどの酩酊状態から、最悪意識が混濁する昏睡状態に陥る場合もあります。

1時間で分解・消化できるアルコール量の計算式

通常は飲酒とともに徐々にアルコールの分解が進み、時間の経過とともに、いわゆるアルコールが抜けた状態となります。
アルコールを分解する時間は、体重や体調、体質などの個人差や飲んだ量・アルコール度数にも関係するため、一概に言えません。

1時間で分解・消化できるアルコール量を算出できる計算式があります。ただし、個人差があるためあくまでも目安としてください。

・体重(kg)x 0.1 = 1時間で分解・消化できるアルコール量

つまり体重70kgの人であれば、1時間で分解できるアルコール量は7g、体重50kgの人であれば5gとなります。
体重が重い人はそれだけ血液量が多いため、血中アルコール濃度は低くなると言うことです。

なお、約5gのアルコール量とは、以下の通りです。

・日本酒:約1/4合
・缶ビール(500ml):約1/4本
・レモンサワー(中ジョッキ:400ml):約1/4杯

つまり、日本酒1合、ビール中ビン1本、中ジョッキのレモンサワー1杯を分解するのに約4時間かかることになります。但し、睡眠時にはアルコールの分解は遅くなるので、留意してください。

アルコールの分解・消化にかかる時間の計算式

アルコールの分解される時間がわかる計算方法とは?
グーネット編集チーム

また、アルコールの分解・消化にかかる時間は以下の計算方法で算出できます。

・摂取した純アルコール ÷ 1時間で分解・消化できるアルコール量= アルコールの分解・消化にかかる時間

飲酒するアルコールの度数と量、その人の体重でアルコールの抜ける時間を計算すると、仮に体重60kgの人が純アルコール量12gのワインを1杯摂取した場合は以下の通り、2時間となります。

純アルコール量12g ÷ 1時間で分解・消化できるアルコール量6g = 2時間

代表的なアルコールの種類とアルコール度数、純アルコール量は以下を参考にしてください。

ちなみに、一般的な缶チューハイよりも低いアルコール度数3%のものなら、ほろ酔い気分を味わえる程度だからすぐ分解できるのではないか……と思うかもしれませんが、1本350mlで計算すると、その純アルコール量は8.4g。
やはりすぐに分解できる量ではないので、慎重に判断してください。

飲酒量度数純アルコール量
日本酒1合(180ml)15%22g
焼酎1合(180ml)35%50g
ワイン1杯(120ml)12%12g
缶ビール500ml5%20g
缶チューハイ(3%)350ml3%8.4g
缶チューハイ(5%)350ml5%14g
缶チューハイ(9%)350ml9%25.2g
ハイボール350ml7%20g

飲酒運転での罰則

アルコールを摂取した運転は大変危険であり、重大な事故に繋がる可能性もあり、道路交通法第65条において、酒気帯び運転(飲酒運転)として厳しい罰則規定が設けられています。
アルコールが完全に体内で分解・消化されるまで、絶対に運転してはいけません。
ちなみに呼気1リットル中アルコール量0.15mg以上が検挙の対象となります。

酒気帯び運転:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上0.25mg未満の場合は違反点数13点で90日の免許停止が科せられます。
呼気1リットル中のアルコール濃度0.25mg以上の場合、違反点数25点で2年の免許取消が科せられます。

酒酔い運転5年以下の懲役又は100万円以下の罰金

ろれつが回らない、真っすぐ歩けないなど、正常に運転が不可能な酩酊状態かどうかで判断され、呼気アルコール濃度は関係ありません。
この場合は違反点数35点となり、3年の免許取消が科せられます。

また運転者が飲酒をしているのを知っていながら、同乗した人にも重い罰則規定が定められています。

飲酒後、アルコールを早く抜く方法は?

体内に入ったアルコールを早く抜く方法は、基本的にありません。水をたくさん飲んだりサウナで発汗したりすればアルコールが早く抜けると思われるかもしれませんが、摂取したアルコールのほとんどは肝臓で酸化によって分解されます。汗や尿から排泄されるアルコールはごくわずかなので、水を飲んだり汗をかいたりしても血中のアルコール濃度は変わらないのです。

むしろ、飲酒後に熱い風呂やサウナに入るのは血管が広がり急激に血圧が下がる可能性もあり、危険と言われています。アルコールが抜ける時間を早めようとするなら、そもそものお酒の摂取量を控えることが唯一の対策です。

また一般的に、女性はアルコールの分解速度が男性よりも遅く、血中のアルコール濃度が高くなりやすい傾向にあると言われていますので、より一層の注意が必要です。

まとめ

アルコールは上手に付き合うことが重要であることはおわかりいただけたかと思います。
ましてや飲酒後の車の運転は人生を狂わすかも知れない、絶対に避けるべき現代社会のルールです。アルコールが完全に抜けるまで絶対に車の運転はしてはいけません。

万一、車で酒宴の席に行ってしまった場合は、代行運転を頼むのもひとつの方法です。
個人差はありますが、どれくらいの時間でアルコールが抜けるか計算した上で、上手にアルコールと付き合いましょう。

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