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更新日:2020.10.20 / 掲載日:2020.10.19

【BMW 4シリーズクーペ】歴史的モデルへの敬意を表した縦型グリルで登場

BMW 4シリーズクーペ(中央)

BMW 4シリーズクーペ(中央)

文●大音安弘 写真●BMW

 ブランドアイコンのキドニーグリルを巨大化させたインパクトのあるフロントマスクが話題沸騰のBMW4クーペが日本上陸を果たした。3シリーズのクーペから派生した4シリーズは、より特別な存在であったが、新型では「THE 4」と呼び、そのプレミアムを強くアピールする。

 新型4シリーズの仕様や価格などの最新情報、ベースとなる3シリーズとの違いなどを解説しよう。

デジタルで行われたワールドプレミアに合わせ日本でも動画を配信

ビー・エム・ダブリュー株式会社代表取締役社長であるクリスチャン・ヴィードマン氏(4シリーズオンライン発表会の動画より)

ビー・エム・ダブリュー株式会社代表取締役社長であるクリスチャン・ヴィードマン氏(4シリーズオンライン発表会の動画より)

 BMWは、2020年10月16日、2ドアクーペ「4シリーズ」のフルモデルチェンジを発表し、同日より販売を開始した。新価格は、577万円~1025万円となる。日本での納車開始は、11月以降を予定している。

 コロナ禍により、発表会はオンラインがスタンダードとなっているが、BMW4シリーズは、バーチャルスタジオを用いた実車レスで行われた。BMWでは、4シリーズのワールドプレミアをデジタル上で行っており、日本市場向けの発表もそれに準じた形となる。このため、注目の日本仕様ナンバーとの相性確認が行えなかったのが少々残念だ。

 冒頭にはビー・エム・ダブリュー株式会社代表取締役社長であるクリスチャン・ヴィードマン氏が登場し、「クーペは夢のクルマであり、ブランドを形作る存在」であることをアピール。新型BMW 4シリーズが、「夢のクルマに対して抱いた特別な気持ちを蘇らせてくれる」と語り、4シリーズが歴代のクーペモデルから伝統を受け継いでいることを強調した。

過去のヘリテイジを現代的にアレンジしたデザイン

キドニーグリルを強調したフロントマスクを採用する新型4シリーズクーペ。写真はM440i xDrive クーペ

キドニーグリルを強調したフロントマスクを採用する新型4シリーズクーペ。写真はM440i xDrive クーペ

 4シリーズは、先代3シリーズクーペから派生したクーペモデルで、2ドアクーペ、2ドアオープンカー「カブリオレ」、4ドアクーペの「グランクーペ」の3つのボディが展開されている。新型が発表されたのは、メインとなる2ドアクーペだ。

 最大の特徴は、そのフロントマスクだろう。従来型は、3シリーズと共通性の高いデザインであったが、新型では完全に差別化。ブランドアイコンである「キドニーグリル」を大型の縦長デザインとし、押し出したアクの強いものとした。しかし、これは奇を衒(てら)ったものではなく、1930年代のBMW 328や1960年代の1600や2002シリーズなどにインスピレートされたスポーティさを際立たせるアイデアのようだ。

  • 新型4シリーズクーペのデザインスケッチ

    新型4シリーズクーペのデザインスケッチ

  • すでに登場している8シリーズとの関連性を感じさせる造形

    すでに登場している8シリーズとの関連性を感じさせる造形

ボディサイズは3シリーズよりひとまわり大きい

3シリーズに対して全長、全幅ともに大きく、シルエットも異なる

3シリーズに対して全長、全幅ともに大きく、シルエットも異なる

 リヤテールランプは、新世代4ドアクーペの「2シリーズグランクーペ」やフラッグシップの「8シリーズ」との共通性を持たせた幅広く立体的な薄型デザインのものを採用し、コンパクトなリヤガラスと相まってルーフの低さを強調している。そのリヤスタイルは、コンパクトな8クーペという印象だ。

 ボディサイズは、全長4775mm×全幅1850mm×全高1395mm、ホイールベース2850mm(※420i)となっており、すべての寸法が先代の4クーペを上まわる。サイズ感では、ひとまわり拡大されたことになる。実は、現行型3シリーズと比較しても、全長で40mm、全幅で25mmもワイド化されており、単にクーペに仕上げていないのだ(※320iセダンとの比較)。ルーフの低さだけでなく、ワイドとなったことが、よりクーペらしいシルエットを強調するアクセントとなっている。

デジタルテクノロジーを多数投入した装備類

新たな機能として、iPhoneを活用したデジタルキーを採用した

新たな機能として、iPhoneを活用したデジタルキーを採用した

 キャビンデザインは3シリーズと共通性が高いが、全モデルでラグジュアリースポーツ要素を高めているのが特徴だ。ベースとなる420iにもスポーツシートやスポーツレザーステアリングを標準化。装備面も、先進的なデジタルコックピットを備え、ナビ付きタッチスクリーンのインフォテイメントシステムなどの快適機能に加え、衝突被害軽減ブレーキやACC、レーンキープ、高速道路渋滞時ハンズオフアシストなどを含む先進安全機能も全車に標準化するなど、装備面も充実している。

 新たな機能として、iPhoneを活用したデジタルキーを採用。車両の開錠及び施錠に加え、エンジン始動もキーを持たずに行えるという。また複数のiPhoneでも活用できるため、利便性もかなり高い。これは全車に標準化されている。

  • 最新のコックピットデザインをスポーティかつラグジュアリーにアレンジしている

    最新のコックピットデザインをスポーティかつラグジュアリーにアレンジしている

  • リヤシートにはトランクスルーを採用。背もたれは4対2対4の分割可倒式

    リヤシートにはトランクスルーを採用。背もたれは4対2対4の分割可倒式

グレード構成は、標準モデル、Mスポーツ、Mパフォーマンスモデルの3タイプ

標準モデルのスタイリング

標準モデルのスタイリング

 バリエーションは、3タイプを設定。ベースとなる「420iスタンダード」、そのMスポーツ仕様となる「420i Mスポーツ」、そしてMパフォーマンスモデルとなる「M440i xDrive」が用意される。

 それぞれの違いは、大きくはパワートレインと駆動方式だ。420iシリーズは、2L 4気筒DOHCターボを搭載するFRモデルで、最高出力184馬力、最大トルク30.6kgmを発揮する。

 一方、M440i xDriveは、3L直列6気筒ターボを搭載。最高出力387馬力、最大トルク51.0kgmの性能を活かすために、4WDシステムが標準となる。トランスミッションは、全車8速ATが組み合わされる。

 M仕様を見ていくと、420iMスポーツは、MスポーツサスペンションやMスポーツシート、Mエアロダイナミクスパッケージなどを備えるスポーティな仕立てだが、M440iでは、内外装がMスペック化されるだけでなく、Mパフォーマンスモデルとして鍛え上げられたものとなり、MアダプティブサスペンションやMディファレンシャルなどの専用装備が走りの質感や限界性能も比較的に強化されるのが特徴だ。

Mモデルとなる「M4」の登場にも期待!

日本への納車は2020年11月以降を予定している

日本への納車は2020年11月以降を予定している

 ラグジュアリークーペに相応しい装備を備えた新型4シリーズクーペのデザインが、日本のBMWファンからどのように捉えられるか、注目される。また今後、上陸すると思われるM4のタイミングにも注視していきたい。

BMW M440i xDrive クーペ

■全長×全幅×全高:4775×1850×1395mm
■ホイールベース:2850mm
■車両重量:1740kg
■エンジン:直6DOHCターボ
■総排気量:2997cc
■最高出力:387ps/5800rpm
■最大トルク:51.0kgm/1800-5000rpm
■サスペンション前/後:ストラット/マルチリンク
■ブレーキ前後:Vディスク
■タイヤ前・後:225/40R19・255/35R19

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