新車試乗レポート
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2015.07.16
メルセデス・ベンツ CLSクラス 試乗レポート
想像を上まわる9速ATの効果
フェイスリフトを実施して、一段とスポーティさや洗練度に磨きをかけたCLSクラス。大きく変わったのはヘッドライトとフロントグリルで、最新メルセデスにふさわしいイメージとなった。では、メカの注目点は?ややマニアックだが、4.7L・V8ツインターボを積む「550」に、7速に代わる9速ATが導入されたのは見逃せない。
そもそも動力性能と静粛性は一級品だったから、乗ってすぐに「すごい!」と気づくような変化はない。だが、クロスしたギヤ比を持つ9速ATの変速はじつに滑らか。変速タイミングも適切で、上質かつシルキーな走り味が、より美味になったことがわかる。そして高速走行においては、エンジン回転を抑えることで静粛性と燃費を改善。多段化の効能をここでも確認することができた。
で、Sモードを選択して右足に力を込めれば・・・加速のパワフルさも「7速より上」だと感じた。しかも、ダウンシフトを含めて変速が速く、よりリズミカルなため、トータルとして加減速のキレがよくなっているのだ。そんな場面でムードを高めるのはサウンド。低速ではあえてバラつかせてV8らしい迫力を演出し、中高回転域でも「ドゥルルル・・・」と刺激的な音を聴かせる。日常の洗練度や効率性と、スポーティ走行での刺激性の双方が、9速化でさらにレベルアップした印象だ。
シャシーについてはとくに改良のアナウンスはないが、AIRマティックと前後異サイズ扁平19タイヤのコンビネーションは、これまた洗練度を高めた印象。コンフォートモードではタイヤのゴツつきを遮断した快適な乗り心地、そしてスポーツモードではクルマの大きさや重さを意識させないスポーティなフットワークをもたらしてくれる。可変ギヤ比のダイレクトステアリングのクセも強くはなく、全体として走りのまとまりは良好だ。
文●森野恭行 写真●内藤敬仁、北川 泉
問い合わせ メルセデス・コール TEL:0120-190-610
Detail Check
コックピット
コックピット
スポーティさとゴージャス感を融合させたCLSクラスのコックピット。天井は低めだが、頭上高には十分な余裕があり、不満のない視界も確保する。装備の充実度は文句なしのレベルで、「550」は右ハンドル車も用意する。
インテリア
インテリア
本革張りのメモリー付きパワーシートを全車に標準化。後席はセパレート仕様の2人掛けだ。足元の余裕は大きく、頭上高も十分なレベルにある。
エンジン
エンジン
「550」の心臓はパワフルさで定評のある4.7L V8ツインターボ408馬力/61.2kg mの高性能を誇る。ATが9速となって、パフォーマンスフィールはさらに向上した。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペース
優美なクーペルックは実用性にも配慮したもの。荷室容量は443L。後席は分割可倒式だから、長尺物の積載にも対応する。
主要諸元:メルセデス・ベンツ CLS 550(9速AT)
全長×全幅×全高 | 4955×1880×1415mm |
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ホイールベース | 2875mm |
トレッド前/後 | 1600/1600mm |
車両重量 | 1920kg |
エンジン | V8DOHCターボ |
総排気量 | 4663cc |
最高出力 | 408ps/5000-5750rpm |
最大トルク | 61.2kg m/1600-4750rpm |
サスペンション前/後 | 3リンク/マルチリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
タイヤサイズ前・後 | 255/35R19・285/30R19 |
全国メーカー希望小売価格(発表 2014年10月)
CLS 220 ブルーテック | 765万円 |
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CLS 400 | 969万円 |
CLS 550 | 1248万円 |
メルセデス-AMG CLS 63 S | 1868万円 |
メルセデス-AMG CLS 63 S 4MATIC | 1884万円 |
Body Color
■オプシディアンブラック ■ダイヤモンドシルバー ■パラジウムシルバー □ダイヤモンドホワイト ■カバンサイトブルー ■ヒヤシンスレッド |