輸入車
更新日:2024.10.10 / 掲載日:2024.10.10
人気中古車実車レビュー【ルノー ルーテシア】こだわりが詰まったシンプルコンパクト
[ルノー ルーテシア/番外編]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2024年9月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年11月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
ルノーのこだわりが詰まったコンパクトカー
今回チェックするのは、フランスのブランドであるルノーから発売されている5ドアハッチバックのルーテシア。取材させていただいたのは、「インテンス エディション ファイナル」の新車で、価格は314万円です。
実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。プライベートカーとしてオレンジ色のメガーヌRS(愛称みかんちゃん)を愛用している竹岡さんは、ルーテシアの魅力をこう説明してくれました。
「私が出演しているドライブ番組の相棒がルーテシア Eテック フルハイブリッドなのよ。それでいろんなところに出かけているから、このクルマのことは結構詳しい(笑)。
ルーテシアはいわゆるBセグメントというクラスに属するコンパクトカーなんだけど、ホイールベースが2585㎜もある。これはクラスでも最大級の数値なんだけど、おかげで室内のスペースを広くすることができるのね。ルノーは日産や三菱とアライアンスを組んで、スケールメリットを活かした競争力のある商品づくりを行っているんだけど、このルーテシアはまさにそうした体制のなかで開発されたモデル。日産ノートが兄弟モデルなんだけど、じつは開発を主導したのは、小型車のノウハウを持つルノーなんだって。兄弟車といっても2台の外観に共通部品はなくて、デザインはまったく別物。ルーテシアはノートよりも背が低くてワイドだから、プロポーションからスポーティな印象になってる」
現行型である5代目ルーテシアが日本に導入されたのは2020年11月で、従来型からデザインだけでなく、基本骨格やパワートレインまで刷新したオールニューモデル。従来から定評のあった走行性能やデザインに加えて、運転支援システムの内容もクラス最上級となっている。2022年6月には、ルノーが独自に開発したハイブリッドシステムを搭載する「Eテック フルハイブリッド」を追加。輸入車としては最高レベルとなる25.2km/L(WLTCモード)の低燃費を実現しています。
「このメカニズムがかなりユニークで、開発にはF1で培われた技術が活用されてるの。普通のハイブリッド車だと燃費を優先して運転のしやすさとか楽しさみたいなものは目をつぶることが多いんだけど、ルーテシアは運転してて楽しいのもポイント。発進は基本的にモーターだから静かで滑らかだし、速度が上がってもスムーズ。『Eテック フルハイブリッド』はアルカナというクーペSUVから導入されたんだけど、日常生活に密着した使い方をするルーテシアには、まさにぴったりだと思うな」
取材に協力してくれたルノー練馬の松原さんによれば、ルーテシアの認定中古車は支払総額で230万円くらいからが目安とのこと。ルーテシアは本国ではマイナーチェンジが実施されており、現行モデルはモデル末期というタイミングですが、シンプルで本質を追究したクルマだからこそ、長く愛用できる魅力があると教えてくれました。それを受けた竹岡さんはこう締めくくりました。
「ルーテシアは乗りやすくて、魅力的なデザインやスポーティという個性もある。何より、どこかにお出かけしたくなるクルマなんだよね」
輸入車でめずらしいフルハイブリッドも
現行モデルで第5世代になるルノーを代表するコンパクトカー。ラインアップは、1.3L直4ターボに7速ATを組み合わせたガソリン仕様と、独自のメカニズムを採用した「Eテック フルハイブリッド」の2モデル。ガソリン仕様には、ベーシックな「ゼン」、装備や質感を高めた「インテンス」が用意されている。
中古車参考価格帯:170万円〜350万円(20年〜24年 ルーテシア 全グレード)
取材協力|ルノー練馬
10月3日より、長年多くのルノーファンから愛されてきた高松の店舗から練馬区関町の新店舗へと移転する「ルノー練馬」。新店舗は「ルノー練馬・アルピーヌセンター練馬」としてオープン。青梅街道に面しており、西武新宿線武蔵関駅から徒歩圏内となっている。正規ディーラーとして、販売から整備までワンストップでユーザーを支える。
SHOP DATA
住所:東京都練馬区関町北3-2-9
TEL:03-5927-5123
定休日:火曜日、水曜日(不定休)
営業時間: 10:00〜18:00
URL:https://www.renault.jp/dealer/renault_nerima/
ルノー ルーテシアの実車をチェック!
【デザイン】彫刻のような立体的で抑揚に満ちたスタイリング
シンプルさのなかに躍動感や官能的な表現が盛り込まれているルーテシアのデザイン。フロントマスクはメガーヌとの共通性が持たせられています。ロサンジュと呼ばれるロゴを中心としたグリルデザインは、Cシェイプを描くヘッドライトとつながることでブランド主張、さらにワイド感の表現にもつながっています。インテリアの素材には、質感を高めるために表面にソフトな感触を与えるコーティングが施されています。全体的に、従来モデルよりも上質さを重視しています。
【装備】数ではなく質にこだわった標準装備
ルノーは盛りだくさんの装備を誇るタイプのブランドではありません。むしろ、必要のない装備をそぎ落とす引き算の美学があります。一方で必要性の高いものはほとんどが標準装備です。スマートフォン用ミラーリング機能を備えた7インチのインフォテインメントシステムや歩行者、自転車検知機能付きの自動ブレーキ機能、電動パーキングブレーキ(オートホールド機能付き)切り替え可能なドライブモードなどなど。シートの出来もよく、長時間でも快適に過ごせます。
【使い勝手】日常生活を楽しく快適に過ごせるシンプルコンパクト
ベーシックなコンパクトクラスのハッチバックカーなので、驚くような室内や荷室の広さはありません。フランスのブランドは実用性にこだわるのが伝統。むしろ小さいボディサイズを活かして、街中でもスイスイと走れてしまう扱いやすさを生み出しました。電動パーキングブレーキの機能であるオートブレーキは、ストップ&ゴーの多い街中でも活躍。ヒーター機能付きレザーステアリングといった、ドライバーにとってあるとうれしい装備が厳選して採用されています。
毎日の買い物からお出かけまで大活躍!
竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★★]
フランス車は機能性を持たせたデザインが得意ですが、そんなモチーフをギュッと詰め込んだ感じです。特に後席ドアのノブは、上手にデザインに溶け込んでいます。Cシェイプが特徴的なヘッドランプはLEDが標準。輸入車No.1好燃費の「Eテック フルハイブリッド」もあるので、燃費重視の方はそちらがオススメ。
装備[★★★★★]
このクラスにしては、ステアリングヒーター&シートヒーター、BOSEサウンドシステムなど、快適装備がたくさんついているのは高ポイント。質の高いドライブを楽しめます。また、ハイウェイ&トラフィックジャムアシストという、ACCに加えてハンドルの支援機能もついているので、ロングドライブでの疲労度も軽減。
使い勝手[★★★★★]
居住空間も荷室スペースもすごく広い!わけではないですが、このカテゴリーのなかでは、上手にスペースを活用しているという印象。ラゲッジスペースは2段式で、下の段に傘や大きめエコバッグ、不織布チェーン等々、毎日は使わないけれど、念のため持っていたいグッズの収納に便利。痒いところに手が届く1台です。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
ルーテシアの大きな魅力がデザインなのは間違いないでしょう。兄貴分にあたるメガーヌと共通のイメージで仕上げられたフロントマスクが象徴するとおり、クラスを超えた上質さを求め、各部はていねいにデザインされています。インテリアもシンプルで、手が触れたときの感触まで考えた素材選び、仕上げです。
装備[★★★★★]
かつてフランス車といえば、走りやデザインは一流でも装備はそこそこ……というイメージがあったと思います。しかしルーテシアでは、ACCや7インチのインフォテインメントシステムといった先進安全装備、電動パーキングブレーキやリアカメラといった日常生活を便利にしてくれる装備まで標準で備えています。
使い勝手[★★★★★]
所有しているときっとフットワークが軽くなるだろうなというのがルーテシアに触れた実感です。停める場所を選ばないコンパクトなボディは使い勝手抜群。バックカメラも標準なので運転が苦手な人にも優しい1台です。クルマとしての基本がしっかりしているので、ロングドライブもきっと苦にならないでしょう。
ライバルモデルをチェック!
プジョー 208
ライオンの爪や牙をイメージしたフロントマスクが個性をアピールする208。小径ステアリングや高い位置に置かれたメーターなどの特徴を持つ「iコックピット」を採用している。
中古車参考価格帯:200万円〜330万円(20年〜24年 208 全グレード)
MINI 5ドア(先代)
コンパクトカーの世界にプレミアムという価値観を持ち込んだMINI。先代モデルは中古車市場に流通する物件も多く、好みの色や装備、パワートレインを選べるところも魅力的。
中古車参考価格帯:90万円〜520万円(16年〜23年 MINI 5ドア 全グレード)