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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.29
車の廃車手続きの必要書類と方法を解説。永久抹消登録・一時抹消登録の違いとは?

グーネット編集チーム
自動車を廃車するときは、単純に車が壊れてしまった使えなくなったときだけでなく、車の使用を一時的に中止する場合や、盗難や災害などで、自動車が使用できなくなったときに廃車手続きを行います。
廃車手続きのことを正式には末梢登録と呼ぶのですが、廃車処分の詳しい手続きのやり方や必要書類などについて紹介していきます。
廃車手続きの種類
廃車手続きと一口にいってもその方法は主に「永久抹消登録」「一時抹消登録」「輸出抹消登録」の3通りあります。
災害等で車が壊れてしまった、または、既に解体してしまったときに出す廃車手続きを「永久抹消登録」と呼びます。盗難や事情により一時的に車を使用しない場合は「一時抹消登録」、自動車を輸出する場合は「輸出抹消登録」の手続きをとります。
車を廃車する方法と必要書類
車を廃車する場合は、現住所の管轄する運輸支局にて手続きを行います。
廃車手続きに必要な書類ですが、廃車の種類によって必要書類も変わってきます。
例えば永久抹消登録を行う場合には下記の書類等が必要になります。
・申請書
・車の所有者の印鑑証明書
・所有者の委任状
・車検証
・車の前後についているナンバープレート
また、解体処理がされた場合は、下記の書類と情報が必要になります。
・解体日が記載された報告書
・移動報告番号
ただし災害や盗難の場合はナンバープレートを提出することが難しいことがありますので、その場合は罹災証明書を提出します。なお、個人で廃車手続きを行う場合はさらに以下の書類が必要になります。
・手数料の納付書
・永久抹消登録申請書
・自動車税自動車取得税の申告書
追加書類が必要になるケース
廃車手続きに必要となる書類は、原則としては以上で全部ですが、場合によってはさらに追加で書類が求められる場合もあります。
追加書類が必要になるケースと必要書類について解説します。
車検証所有者の名前、住所と印鑑証明書の情報が異なる場合
車検証に記載されている所有者や住所の情報は、印鑑証明書の情報と一致していなければならず、もし異なっている場合には、陸運局での手続きが行えません。
もしこれらの情報に食い違いがあるような場合には、通常の廃車に必要な書類に加えて、さらに追加で住民票の提出が必要となります。
ここで用いる住民票は、発行されてから2ヶ月以内のものである必要があります。
車の所有者がローン会社または、法人の場合
所有者が個人ではなくローン会社、法人になっている場合には、通常の廃車手続きに必要な書類に加えて、所有者の印鑑証明書と、所有者の譲渡証明書と、所有者の委任状の3点が必要となります。もし住所が異なる場合には、さらに登記簿謄本も必要となります。
これらはローン会社または法人に発行してもらうものであり、いずれも書類を発行して2ヶ月以内のものである必要があります。
所有者が亡くなっている場合
所有者が既に亡くなっている場合には、通常の廃車手続きに必要な書類に加えて、戸籍謄本、除籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書もあわせて必要になります。
戸籍謄本は相続人全員の記載があるものである必要がります。また、除籍謄本には所有者の死亡が記載されている必要があります。
遺産分割協議書には、相続人全員の記入押印がなされており、代表相続人のみ実印が押印されていることが必要です。印鑑証明書は代表相続人(1名)のものです。
車の所有者が未成年の場合
車の所有者が未成年である場合には、通常の廃車手続きで必要になる書類に加えて、同意書、印鑑証明書、戸籍謄本、親権者の実印の4点も必要となります。
ここでの同意書とは、親権者のうちの1名のもので、押印が実印である必要があります。印鑑証明書は親権者のうちの1名のものと、所有者のものが両方必要となります。戸籍謄本は所有者と親権者の続柄がわかるものである必要があります。
一時抹消登録を行う場合の手続きの仕方

グーネット編集チーム
一時抹消登録手続きをお店にて依頼する場合は、抹消登録と同じく、申請書、所有者の印鑑証明書、委任状、車検証、ナンバープレートを提出しますが、盗難の場合はナンバープレートが提出できないので、その理由を述べる理由書を提出します。
車検証に記載されている所有者の住所や氏名等が印鑑証明書の住所、氏名と異なる場合は住民票や戸籍謄本の提出が必要になります。
また一時抹消登録を自分で行う場合は、手数料の納付書、一時抹消登録申請書、自動車税、自動車取得税申告書を提出して手続きを行います。
車とバイクにおける永久抹消登録と一時抹消登録に必要な書類
また、廃車というのはなにも自動車に限ったものではなく、バイクで行うこともあります。
バイクなども車と同じように車検や自賠責保険などの費用はかかるため、維持には一定のコストがかかります。そのため、不要なのであれば廃車にするほうがよいのです。
しかし、自動車とバイクでは、廃車に必要となる書類に違いがあります。
車とバイクそれぞれで永久抹消登録を行う場合に必要な書類
バイク(二輪車)の永久抹消登録に必要な書類は、そのバイクの排気量によっても変わってきます。125cc以下なら、ナンバープレート、標識交付証明書、認印、身分証明書(運転免許証など)が求められます。また申請場所も、陸運局ではなく、ナンバー管轄の市町村役場となります。
126ccより排気量が多く、かつ250cc未満の場合には、軽自動車届出証、ナンバープレート、認印、身分証明書、軽自動車届出証返納届、軽自動車届出返納証明書交付請求書、軽自動車税申告書などが求められます。申請場所もこの排気量からは役場ではなく陸運局になってきます。
また、排気量が251cc以上のものになると、車検証の原本、ナンバープレート、認印、身分証明書、抹消登録申請書、手数料納付書、軽自動車税申告書などの提出が求められます。
自動車の永久抹消登録では、印鑑証明書、車検証の原本、ナンバープレート2枚、移動報告番号のメモ、解体報告記録が行われた日付のメモ、手数料納付書、永久抹消登録申請書、自動車税・自動車取得税申告書などが必要となります。
車とバイクそれぞれで一時抹消登録を行う場合に必要な書類
実はバイクの場合には、永久抹消と一時抹消とで必要な書類に変わりはありません。それぞれの排出量ごとに必要な書類が変化するのみで、永久抹消か一時抹消かで揃える書類に違いはないのです。
なお、自動車の場合の一時抹消であれば、印鑑証明書(発行日から3ヶ月以内のもの)、車検証の原本、ナンバープレート、手数料納付書、一時登録抹消申請書、自動車税・自動車取得税申告書などが必要となります。
こうして比較すると、例えば、ナンバープレートが必要となる点などは変わりません。しかし、車では実印が求められていたところ、バイクでは認印で足りたりするなど、全体的にバイクのほうが廃車手続き面で簡単になっていることがわかります。
また、自動車の場合と比較すると、排気量に応じて必要な書類や申請場所が大きく異なってくる点も、バイクの廃車手続きの特徴です。
手続きが面倒だと思う方は廃車買取業者に代行する選択肢もある
廃車手続きをする際に、車の各種手続きに慣れていない人が必要な書類を判断し、不備なく一式の書類を提出することは簡単なことではありません。
そこで、こうした煩雑な手続きは、廃車買取業者に代行を依頼するという選択肢もあります。
廃車買取業者とはなにか?
廃車買取業者とは、不要になった車の解体・引き取りなどを営んでいる業者をいいます。
廃車買取業者は、解体や引き取りなどに伴って必要となる廃車手続きなどにも慣れている場合が多く、廃車手続きの代行サービスも受けてくれる場合も多いものです。
廃車買取業者の相場
廃車買取業者に依頼する場合には、もしスクラップ業者に依頼する場合であれば、普通乗用車なら1万円から3万円、軽自動車なら3千円から1万円程度の値段で買い取ってもらうことが期待できます。
しかし、地域によって、また業者や車種によっても相場は変動します。値段がつかない場合もあれば、逆に解体費用がかかる場合もあります。
また、中古車取業者の場合には、買取価格はきわめて流動的であり、決まったものはありません。中古車買取業者の場合、廃車にすることではなく、買い取った車を中古車として販売することで利益を得ており、車のそのときの状態によって大きく変化するものだからです。
廃車手続きの代行費用者や自動車のレッカー代を請求される可能性もありますが、まだ自走が可能かもしれないという状態であれば、廃車買取業者に代行を依頼してみることも一案でしょう。
廃車業者の選ぶ際のポイント
廃車業者を選ぶ際には、信用のできる業者を選択することも大切です。しつこく電話やメールを送ってアポイントをとろうとしてきたり、強引に車の引き渡しを迫ってきたりする業者やなども少なからず存在します。
より信頼できる廃車業者を選ぶためのポイントとして、見積金額の根拠が明確であるかどうかを確認することが挙げられます。事前に見積を行ってもらったときと実際の買取価格に差が出ているような場合には注意が必要です。
見積金額を含め、不明点がある場合に相談をしてみて、その対応などを見極めながら信頼ある廃車業者を選びましょう。
まとめ
廃車手続きは、必ずしも車が壊れた場合だけに廃車手続きが必要なわけではなく、一時的な車の使用の中止なども含めて、さまざまな理由で必要になります。
また、廃車の種類も、永久抹消なのか、一時抹消なのかなど種類が分かれており、必要書類もそれぞれ異なってきます。
廃車手続きには各種必要書類の準備や手続きが必要なため、手続きを代行してもらうのもよいでしょう。