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更新日:2018.11.07 / 掲載日:2017.04.04

美しすぎる高級車。アウディA5/S5が一挙フルモデルチェンジ

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

東京都心で桜が満開となった4月4日、アウディジャパンよりフルモデルチェンジした新型A5/S5クーペ、スポーツバック、そしてカブリオレの発売がアナウンスされた。
発表会場となったのは、普段はこういったイベントには使われることが珍しい都心の写真スタジオ。その理由は実車の展示を見ればすぐに理解ができた。会場内は自動車写真家の小川義文氏の監修によるライティングが施され、新型A5の美しいスタイリング、そしてこだわりの陰影を強調していたからだ。
まずは新型A5/S5のラインナップを紹介しよう。A5にはまず2ドアの「クーペ」があり、その4ドアバージョンといえる「スポーツバック」もラインナップ、そしてクーペをベースに電動開閉式のソフトトップを組み合わせた「カブリオレ」も用意される。

そして直列4気筒ターボエンジンを搭載する「A5」に対しV型6気筒ターボエンジンを組み合わせる高性能バージョンが「S5」である。より走りのポテンシャルを高めたサスペンションとスポーティな内外装をコーディネート。クーペとスポーツバックだけでなく、カブリオレも選択できるのはうれしい限りだ。
クーペが9年ぶり、カブリオレが8年ぶり、そしてスポーツバックは7年ぶりとなるフルモデルチェンジのひとつめのトピックはラインアップ。スポーツバックにはじめてFFモデルが追加されたのだ(先代は「クワトロ」と呼ぶ4WDのみだった)。おかげでボトムグレード(A5スポーツバック)の価格は従来の615万円から546万円へと69万円もプライスダウン。「先代よりも幅広いお客様に選んでいただくためにFFモデルも設定した」という同社の斎藤徹社長は、FFモデルの販売比率を「過半数」と予測している。
駆動方式が4WDとなる「A5クワトロ」や高性能バージョンの「S5」はすべてのボディで選べ、もっとも高価なモデル「S5カブリオレ」の価格は998万円である。

言葉を選ばずに言うと、プロポーションもデザインもプラットフォームを刷新したフルモデルチェンジにもかかわらず先代からほとんど変わっていない(厳密にいえばホイールベースが伸びたが)。これは言い換えれば「見た目の新鮮さでアピールしなくても中身の進化で納得させられる」というアウディの自信の表れということだろう。
とはいえ細部はしっかりと「新型」であることを主張しており、たとえばシャープになったヘッドライトや天地を縮めて左右幅を広げたことで“ロー&ワイド”になったシングルフレームグリルは旧型と見比べると違いは一目瞭然だ。そして注目したいのがボディ側面でショルダー部分を強調するキャラクターライン。まるで刃物のように鋭く尖った立体感は先代にはなかった特徴であり、光で陰影が強調される造形。光の当たり方によって表情に変化をつけてくれる。ここはぜひ実車を前に自分の目で確認してほしい。
スピーチした斎藤徹社長はこのデザインを「より力強く、よりエレガントなスタイリング」と表現。「光と影を際立たせること」「アウディ・クワトロのDNAを継承する、幅広いタイヤをボディに収めるためのブリスターフェンダー」そして「動物のように躍動感あふれるショルダーライン」を特徴としてあげた。

参考までに、先代と見分けるわかりやすいポイントはドアミラーの取り付け位置(Aピラー下からドアへと移動した)、そしてフロントドアとフロントフェンダーの継ぎ目にあるクロームの“トリムエレメント”(先代にはない)だ。

いっぽうで室内は新型であることがひとめでわかる。従来はドライバーを取り囲むように逆L字型だったダッシュボードのデザインが水平基調となり、ひときわ解放感が増した印象を受ける。もちろんメーターはアウディの定番になりつつある、全面を12.3インチの液晶画面としたバーチャルコックピットを設定(オプション)。ほぼ全面をナビ画面にできるなど先進性の高さは抜群といえる。

また、ほとんど変わらなかったエクステリアデザインと対照的に大きく変わったのが車体構造をはじめとするメカニズム。ベースであるA4やS4と同様に、プラットフォームには「MLB Evo(モジュラーロンギチューディナルマトリックスエボ)」という縦置きパワートレイン用のモジュール技術が使われている。
エンジンはシリーズで合計3タイプあり、FFモデルに組み合わせる190馬力(欧州仕様参考値)の直列4気筒2.0Lターボエンジンのほか、A5クワトロモデルには252馬力(先代比41馬力アップ)の“高出力版” 直列4気筒2.0Lターボエンジンを搭載。190馬力仕様は燃費向上のために圧縮比を11.7としたミラーサイクルになっているのも注目だ。

「S5」には354馬力のV型6気筒3.0Lターボを積む。日本仕様のトランスミッションは全車とも「Sトロニック」と呼ぶデュアルクラッチ式で、A5が7速、S5は8速。素早い変速を楽しめる。

もうひとつ外せないのは、安全装備や運転支援装置の充実である。歩行者検知機能付きの自動ブレーキはもちろん、交差点右折時に対向車を検知して危険を察知するとブレーキを作動させる「ターンアシスト」なども採用。運転支援機能は停止保持から最高250km/hまで全車速に対応する追従型のクルーズコントロールをはじめ、渋滞などで加減速だけでなくステアリング操作まで前を走るクルマにあわせてサポートする「トラフィックアシスト」(0~65km/hで作動)や車線の中央を走るようにステアリングを自動操作する「アクティブレーンアシスト」(65km/h以上で作動)といった先進アイテムも積極的に採用されている。

新しいA5/S5シリーズはまずクーペとクワトロ(4WD)のスポーツバックが4月から顧客へのデリバリーを開始。カブリオレとFFのスポーツバックは7月下旬からとなる。
クルマとしての完成度や先進性が非常に高いだけに、手ごわいライバルであるメルセデスベンツのCクラスクーペやBMWの4シリーズの牙城をどこまで崩せるか、非常に楽しみだ。そして、さらに走行性能を磨き上げた「RS5」の導入も楽しみである。

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  • 会場の照明を監修した自動車写真家の小川義文氏。

  • プレゼンテーションを行なったアウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 斎藤 徹氏。

  • プレゼンテーションを盛り上げたアーティストが斉藤社長を囲んだ。

新型アウディA5クーペ

新型アウディA5クーペ 2.0TFSIクワトロスポーツ。

新型アウディA5スポーツバック

新型アウディA5スポーツバック 2.0TSFIクワトロスポーツ。

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