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更新日:2020.04.21 / 掲載日:2019.10.17
【日産】どこまでも走れるe-POWERの特徴とメリット・デメリットとは

グーネット編集チーム
e-POWERとは、2016年に人気車種「日産 ノート」に初搭載された新世代の電動パワートレインです。
パワートレインとは、エンジン動力を駆動輪に伝道させる装置のことで、e-POWERは従来のハイブリッドシステムとは違い、100%電気モーターで走るという大きな特徴を持っています。
100%モータードライブなのに、なぜハイブリッド車にカテゴライズされるのでしょうか。
日本におけるハイブリッド車の保有台数は年々増加傾向にあり、2016年には550万台を超えました。
今回は日産が需要の高まるハイブリッドカー市場において、ライバルメーカーを凌駕するため、満を持して発表した「e-POWER」の特徴とメリットやデメリットについて解説します。
低燃費と力強く静かな走りを実現したことがe-POWER最大のメリット
e-POWERの特徴は「ガソリンエンジンで発電して、電気モーターで走る」ということです。
e-POWERのガソリンエンジンはあくまで発電用であり、駆動輪を動かすための動力としては使いません。
駆動輪の動力エネルギーを作るのは100%電気モーターになります。
既に定評のあるリーフに採用される駆動モーターとインバーターユニットを搭載することにより、電気自動車に匹敵する瞬発力・加速力・静粛性を実現するとともに、2.0Lターボエンジン並みの太いトルク特性を提供します。
e-POWERは高電圧バッテリーに蓄えられた電力だけで走行し、バッテリーの残量不足やパワーを必要とする登坂走行など、電力が必要になった時だけ発電を行うため、エンジンの作動時間が短く済みます。
しかも、小さな減速でも回生エネルギーを高電圧バッテリーへチャージし、アクセルペダルの開度の影響は受けにくいため、加速が多い高速道路でも減速が多い市街地でも、優れた燃費性能を発揮します。
このような独自の発電システムによる優れた燃費性能と、電気自動車特有の静寂な走りと伸びやかで力強くスムーズな加速がe-POWERの最大のメリットです。
また、リーフと同様にトランスミッション・クラッチが不要であり、「e-POWER Drive」によりアクセルペダル操作だけで速度調整が可能です。
加速力と減速力が強いスポーティな「Sモード」、加速が緩やかで減速力が強い経済的な「ECOモード」、NORMALモードと、走行状況によってドライブモードの違いを楽しめるところも、e-POWER特有のメリットでありドライブフィールと言えるでしょう。
e-POWER搭載車が少ないことがデメリット。今後のe-POWER搭載車の登場に期待
2017年5月の段階では、e-POWERを搭載している車種は「日産 ノート」のみです。
e-POWERの「e-POWER Drive」による独特な減速感やクリープなど、従来の車とはアクセル操作に異なる部分があります。
しかしながら、今後ノートの販売拡大やe-POWER搭載車種が増えていくことで、さらに認知度も深まり違和感も薄れていくことでしょう。
バッテリーの充電不足を気にすることなく、エンジンで発電してモーターだけで走るe-POWERシステムは、パワフルな走りと高い経済性を実現する新世代のパワートレインとして、今後も日産を牽引していくハイブリッド技術と言えるでしょう。
e-POWER搭載車とガソリン車の燃費比較

グーネット編集チーム
それでは、e-POWER搭載車とガソリン車の燃費とガソリン代の比較について解説していきます。
燃費以外の条件を同じにするために、同じ「日産 ノート」で比べていきましょう。
e-POWERとガソリン車の燃費を比較
まず、燃費については、カタログ値と実燃費の2つがあることに注意です。カタログ値とは、メーカーで決められた条件下で測定した値のことであり、実際の使用状況とは大きく異なることがあります。カタログ値については、ノート e-POWERがJC08モード燃費34.0~37.2km/Lとなり、ノート エコスーパーチャージャーのJC08モード燃費26.2~26.8km/Lと比べて、大きくリードしています。一方の実燃費となると、ノート e-POWERがDレンジで平均燃費21.5km/L、ノート エコスーパーチャージャーは平均燃費16.6km/Lとなるので、カタログ値と比べるとその差は縮まります。
e-POWERとガソリン車のガソリン代の比較
次に月間走行距離400km(半年で2,400km、年間で4,800km)、レギュラーガソリン代130円という条件で比較していきましょう。まず、カタログ値のベストな状況で比較すると、ノート e-POWERは半年間の2,400kmを走行するのに約64.5Lのガソリンが必要で、ガソリンは約8,300円(年間約16,600円)となります。ノート エコスーパーチャージャーは約89.5Lのガソリンが必要で、ガソリンは約11,600円(年間23,200円)となります。
一方の実燃費で比較すると、ノート e-POWERは半年間の2,400kmを走行するのに約119.2Lのガソリンが必要で、ガソリンは約15,400円(年間約30,800円)となります。ノート エコスーパーチャージャーは約152.6Lのガソリンが必要で、ガソリンは約19,800円(年間39,600円)となります。実燃費については、毎日使う道路状況(一般道と高速道路の割合)や走行距離によっても大きく異なるため、できる限り多くのデータをチェックして、平均値での比較をすることが需要です。
【e-POWERとガソリン車】購入するならどちらがお得?
では、e-POWERとガソリン車を購入して維持した場合のトータルコストを比較していきます。
車の維持費とは?
車を所有することで必要なのは、車両購入費用だけではありません。毎年支払う点検費用や、自動車税、自動車任意保険に加えて、新車時3年、以後2年ごとの車検時に発生する重量税、自賠責保険、車検費用も必ず発生します。自宅が持ち家ではない場合は、駐車場代もかかりますし、完全な電気自動車でない限り、燃料代も走った分だけ必要となるのです。最初に支払う金額が多少安かったとしても、維持費の違いで数年後には逆転なんてことにもなりかねないため、車の購入する時は、単純な初期費用の比較だけではなく、税金面や燃費の違いによる維持費の違いにも目を向けることが重要です。
e-POWER搭載車とガソリン車との比較
それでは、e-POWER搭載車(日産 ノート)とガソリン車(ホンダ フィット)で比較していきます。
グレードはどちらも売れ筋となるe-POWER Xと13G L Honda SENSINGを選択しました。購入費用はノートの2,021,760円(消費税込み/2019年9月現在)とフィットの1,653,480円(消費税込み/2019年9月現在)になり、その差は368,280円です。車重はどちらも1,000kgから1,500kgの範囲に収まり、エンジンの排気量も同クラスなので自動車税や重量税は互角となります。あとは、燃費の違いによるガソリン代の差ですが、ノートがJC08モード34.0km/LとフィットがJC08モード24.6km/Lとなります。
年間走行距離が10,000km、レギュラーガソリンの単価が130円と仮定すると、ノートの年間ガソリン代は約38,000円でフィットが52,000円となります。その差が14,000円となるので、車両価格をガソリン代だけの差で埋めようとすると25万km(25年)以上は必要です。単純に移動の手段としてみればホンダ フィットの方がお得という結果が出ました。
まとめ
今回は、「日産 ノート」に初搭載された新世代の電動パワートレイン「e-POWER」について、そのメリットやデメリット、e-POWER搭載車とガソリン車の燃費比較やe-POWERとガソリン車を維持するトータルコストの比較を行ってきました。画期的な仕組みとしてデビューしたe-POWERは、購入費用が多少高くはなりますが、使い方次第では従来型のガソリン車を大きく上回る性能を持っています。カタログ値だけを参考にするのではなく、実燃費を含めた総合的な比較が車選びには重要です。