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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2019.10.17

【スバル】電子制御エアサスペンション(EP-S)とは?従来のエアサスと比較

【スバル】電子制御エアサスペンション(EP-S)とは?従来のエアサスと比較

グーネット編集チーム

「電子制御エアサス(EP-S)」とは、エレクトロニクスによって、空気ばね、オートレベライザー機構、減衰力可変機構を上手くコントロールし、乗心地をはじめ、操安性、悪路走破性などを高次元でシンクロさせるサスペンションです。

そもそもエアサスペンションとは?

エアサスペンションとは?

通常の乗用車には、走行時のショックを吸収するため、足回りに金属ばねのサスペンションが取り付けられています。その一方、金属ばねの代わりに、圧縮空気の力を利用したサスペンションは「エアサス」と呼ばれており、主に高級車を中心に採用されているのです。

エアサスペンションのメリット・デメリット

エアサスの大きなメリットは、圧縮して入れる空気の量を調節することにより、車高を常に一定に保つことができることです。通常の金属ばねによるサスペンションでは、載せる人数や重さによって車高や車の挙動が不安定になることがありましたが、エアサスではそういった変化を抑えることが可能です。

また、空気の量を自分でコントロールすることで、路線バスが乗り降りの際に車高を下げて、子供や高齢者が乗りこみやすくできます。車高を極限まで落とした車両を製作する時に、エアサスを組み込んでおけば、段差の多い場所に行く時だけ車高を上げて、下回りを擦ることを防ぐことができるのです。

一方のデメリットとしては、通常のサスペンションと比べると耐久性が低く、気密性を上げるための部品などが経年劣化して空気漏れなどの故障が発生しやすいことが挙げられます。また故障した時の修理も高額になりやすく、日々のこまめなメンテナンスが必要となってくることから、車の扱いに慣れていないと維持することが難しいという見方もあります。

エアサスと車高調の違い

車高調とは、車高調整式サスペンションのことであり、ばねを縮めたり、ショックアブソーバー自体の長さを調整することで、車高を変えられるバネサスのことを指します。車高を自分で変えられるという意味では同じですが、エアサスとは調整の仕方が異なります。

車高調であれば、最低でもジャッキアップをしてから、専用車高調レンチでサスペンションを調整する必要があります。したがって、サーキット走行をする前などに、ガレージで調整することはできますが、日常的に車高を手軽に変えられるものではありません。

一方のエアサスであれば、車内のボタン操作で圧縮空気の量を変化させ、わずかな時間で車高を変えることが可能です。このように、調整できるという点は同じでも、その手間に大きな違いがあるのです。

スバルの「電子制御エアサスペンション(EPS)」の特徴とは?

スバルの「電子制御エアサス(EP-S)」の特徴は、空気ばね、オートレベライザー機構、減衰力可変機構で構成されていることです。

通常、使われる金属ばねではなく、空気ばねを採用しました。
オートレベライザー機構は、積載する重量が増減しても、常時車高を一定にキープする機能があります。

減衰力可変機構はホイールストローク感応型を採用しました。
これらの3つをエレクトロニクスによって、高次元でシンクロさせサスペンションを機能させています。

スバルの「電子制御エアサス(EP-S)」の作動について

「電子制御エアサス(EP-S)」が車両の姿勢をコントロールする際は空気圧を制御し作動します。

このため、搭乗する人数、積載する荷物の量が変わっても、車輪の上下の動きをエレクトロニクスでコントロールし、前後左右のレベリングを調整し、ホイールのストロークを維持します。

ハードな走りをする場合は、エアサスのストロークに合わせスプリングとショックアブソーバーを硬くし、優れた操縦安定性を発揮します。

極めて低い固有振動数の空気ばねは、搭乗する人数、積載する荷物の量が変わっても、優れた乗り心地や低レベルのロードノイズを実現します。

スバルの「電子制御エアサス(EP-S)」の様々な機能について

「電子制御エアサス(EP-S)」はハイトコントロールもでき、インパネの操作によって、30mm~40mmの車高の調整が可能です。

ノーマル車高(最低地上高150mm)は4WDに加え、重心の低さや空力に優れたボディデザインによって、高速安定性が抜群です。

ハイ車高(最低地上高:185mm)では、増加した最低地上高などによって優れた悪路走破性を発揮します。
一方、セルフコントロール機能があり、ハイ車高の状態で走行(速度80km/h以上)すると、ノーマル車高に戻ります。

フェイルセーフシステムが搭載されており、空気ばねから空気が漏れ出した場合でも取り付けられてあるヘルパースプリングの働きにより走行することは可能です。
また、自己診断回路もあり、システム異状があるとメーターのインジケーターが点滅します。

金属ばねではなく、空気ばねを採用したユニークな発想に加え、オートレベライザー機構、減衰力可変機構の追加し、エレクトロニクスによって上手くコントロールすることは素晴らしい技術です。
セルフコントロール機能やフェイルセーフシステムも搭載し、安全面にも配慮されているので安心して走行できます。

スバルの「電子制御エアサス(EP-S)」の搭載されていた車

スバルの「電子制御エアサス(EP-S)」の搭載されていた車

グーネット編集チーム

それでは、電子制御エアサス(EP-S)が搭載されていた車についてご紹介していきます。

アルシオーネ

1985年5月にデビューし、「遠くへ、美しく」「500miles a day」というキャッチコピーで販売されたスバル初のスペシャルティーカーがアルシオーネです。主要コンポーネンツはレオーネと共用しながらも、リトラクタブルヘッドライトなど個性的なデザインを採用し、エンジンも独創的な水平対向のターボ仕様であるEA82型1800ccを搭載していました。ハイトコントロール付電子制御エアサスペンション(EP-S)をはじめとした豪華装備が付けられていましたが、1991年9月には次世代モデルのアルシオーネSVXへとそのコンセプトが引き継がれていきました。

レガシィ ツーリングワゴン 2.5 250T EPサス

スバルが「新世紀レガシィ」と銘打ち、1998年6月にフルモデルチェンジをして世に送り出したのが3代目のレガシー ツーリングワゴンです。「レガシィを極める」という開発テーマのもと、レガシーがこれまで築き上げてきた「グランドツーリングカー」としての性能が大きく進化したモデルと言えます。他メーカーのように、セダンからワゴンを派生させるのではなく、ワゴン専用車として開発したことも本気度がうかがえます。サスペンション形式としては、250Tグレードにハイトコントロール機能とオートレベリング機能を備えたEPサス(エレクトロニック・ニューマチックサスペンション)を採用していました。

まとめ

今回は、スバルの電子制御エアサスペンション(EP-S)について、エアサスや車高調との違い、特徴や作動、機能、搭載されていた車種について詳しく説明してきました。電子制御エアサスペンションという名前のとおり、空気ばね、オートレベライザー機構、減衰力可変機構を電子的に制御することで、悪路走破性なども高めることができた先進的なサスペンションだったと言えます。エアサスペンションという名前だけで選ばずに、メリットやデメリットをよく踏まえて、自分に一番あったサスペンション形式を選択するようにしましょう。

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グーネットマガジン編集部

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