新型ハイゼットカーゴ＆アトレー発表　17年ぶりフルモデルチェンジ

　ダイハツは12月20日、軽商用車「ハイゼットカーゴ」「アトレー」およびそれらをベースとした特装車、福祉車両を17年ぶりにフルモデルチェンジし、同日より全国一斉に発売した。車両本体価格帯は、ハイゼットカーゴが1,045,000～1,606,000円、アトレーは1,562,000～1,826,000円（すべて消費税込）。

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軽商用車初のDNGA採用　新開発のFR用CVT搭載

　「ハイゼット」シリーズは、1960年にダイハツ初の軽四輪車として誕生以来、常にユーザーニーズを追求し、時代変化に合わせ進化を遂げてきたロングセラーカー。農業等の一次産業から建設業、配送業等、幅広い業種で“働く相棒”として、地方部から都市部まで全国津々浦々で利用され、累計生産台数は750万台以上におよぶ（2021年11月末時点、ダイハツ調べ。累計生産台数はダイハツブランドのみ）

　両モデル共通のトピックでは、商用車として初めて「DNGA（Daihatsu New Global Architecture ）」を展開し、プラットフォームを一新。アッパー及びリヤアンダーボディ骨格の構造を最適化し、ボディ剛性を高めたことで、車体を拡大しながら、軽量化と操縦安定性向上を実現。静粛性も高められた。また、サスペンションジオメトリを最適な構造に見直し、高剛性ボディーと組み合わせることで、重い荷物を積載した状態でも優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現している。

　さらに、新開発となるFR用CVTを軽商用車に初採用。小型化することで軽商用車の床下スペースへの搭載を可能としたことに加えて、「ハイゼット カーゴ」でWLTCモード15.6km/L（JC08モード20.5km/L）の優れた燃費性能を実現した。これにより、2022年度から小型貨物車に新しく適用される商用CAFE規制（Corporate Average Fuel Efficiency、企業別平均燃費基準）の基準値にも対応している。また、走行性能においては変速比幅を拡大し、発進時はLOWギヤ化したことにより、力強い発進性能を実現。駆動力が途切れることがない無段階変速により、スムーズな加速で登坂時も快適さを維持し、静粛性も高められた。
　ダイハツの軽キャブオーバーバン初の電子制御式4WDを採用し、スイッチ操作で2WD／4WD AUTO／4WD LOCKの3モードを選択可能に。4WD AUTOモードでは、路面に合わせて最適な前後駆動力配分を行うことで、悪路や雪道など滑りすい路面を走行時の安定性を確保するとともに、乾燥した路面でのタイトコーナーブレーキング現象の抑制にも効果を発揮する。

進化した予防安全機能「スマートアシスト」やディスプレイオーディオを採用

　安全性能においては、最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用。軽乗用車や小型乗用車で採用している最新のステレオカメラを搭載するとともに、衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加え、二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知も可能にした。また、ブレーキ制御付誤発進抑制機能（前方・後方）をMT車にも搭載。さらに車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能（進入禁止/最高速度/一時停止）、サイドビューランプ、ADB（アダプティブドライビングビーム）が追加された。
　そのほか、リヤに設置したカメラの映像を映し出すデジタルミラーを採用、荷物満載時や夜間の視界不良時も後方視界を確保している。
　また、9インチと6.8インチの2種類のディスプレイオーディオを採用し、軽商用車に初展開となるダイハツコネクトや、Android Auto、Apple CarPlayへの接続により、手持ちのスマートフォンと連携してアプリを利用することも可能とした。

【ハイゼットカーゴ】車体構造をスクエア化しクラス最大級の荷室長を実現

　今回のフルモデルチェンジで11代目となる新型ハイゼットカーゴは、ラストワンマイルを担う小口配送ニーズの増加や建設業における多能工化などによる多くの荷物を効率的に積みたいというニーズに応え、利便性の向上と効率性を追求。車体側面やバックドアの傾きを限界まで立たせ、車体をスクエア化したことで、クラス最大級の積載スペース（荷室長1915mm×荷室幅1410mm（4名乗車時）×荷室高1250mm）を実現するとともに、フロントピラーを立たせたことで前席の頭上スペースを拡大し、広々とした室内空間を実現した。
　また、用途に応じてシートアレンジを容易に行えるようにすることで、使い勝手を向上。後席シートベルトのバックルをシートと一体化し、シート固定金具も床面に埋め込んだ構造にすることで凹凸を無くし、荷物が傷つきにくく出し入れのしやすいフラットな空間を実現。リヤシート構造の見直しによりフラットな荷室とシートの格納性を両立も図られた。さらに、様々な荷物の取り付けや固定に便利な荷室ナット（ユースフルナット）を、従来の最大約2倍に増加し、利便性を高めた。

リサーチをもとに収納スペースを改善　快適装備も多数追加

　そのほかの収納スペースについて、普段使用している仕事道具の種類や形状、収納の仕方などユーザーから聞き取りを行い、より使いやすい内容を追求。インパネの形状を見直しアッパートレイを新設。さらに拡大した室内の頭上スペースを活用したオーバーヘッドシェルフ等、運転席から手が届く範囲を中心に豊富な収納スペースを確保したことで、荷物の取り出しやすさや働きやすさを実現した。
　また、快適装備としてキーフリーシステム＆プッシュボタンスタート、パワースライドドア（両側・ワンタッチオープン機能・ウェルカムオープン機能・タッチ＆ゴーロック機能付）、スライドドアイージークローザー（両側）なども採用している。

商用車としての使いやすさにこだわり進化したデザイン

　外装は商用車らしいシンプルで力強い佇まいを強調。フロントバンパーを上下２分割構造とすることで、ロアバンパーのみでの交換が可能となり、修理時の経済性に寄与。リヤのコーポレートマークと車名マークの位置を右側に変更したことで、広告スペースを従来よりも広く確保できるようになっている。内装は、視認性が高い大型メーターや使い勝手の良さを追求したインパネ、耐久性を向上したシート表皮を採用した。
　ボディカラーはアイスグリーン、シャイニングホワイトパール、トニコオレンジメタリックの3色を新たに設定し、全7色のバリエーションから選択可能となっている。

【アトレー】荷室を最大限活用するため４ナンバー化（商用車化）

　新型アトレーは、「使い尽くせる マルチBOX」をコンセプトに、家、職場に次ぐ自分だけの「第三の居場所」を目指して内容を刷新。様々な用途に対応できる荷室や内外装デザイン、装備を用意した。
　最大のトピックは、商用車ならではの広い荷室空間と350kgの最大積載量（2名乗車時）を活用すべく、従来軽乗用車として設定していた「アトレーワゴン」の4ナンバー化。ハイゼットカーゴに倣い、車体のスクエア化やフラットで利便性に長けた荷室を実現している。また、その荷室を最大限活用できる装備として、防汚性に優れたイージーケアマット、荷室ナット（ユースフルナット）とマルチフック、ポップアップ機構付リヤガラス、運転席周辺の収納スペース、ワーケーション等に最適なスリット付のデッキサイドトリムなどを設定した。
　そのほか、キーフリーシステム＆プッシュボタンスタート、両側パワースライドドア、両側スライドドアイージークローザーといった快適装備や、全車速追従機能付ACC（アダプティブクルーズコントロール）とLKC（レーンキープコントロール）の運転負荷軽減機能も搭載している。

専用の内外装デザインを採用　カラーバリエーションも3色を新設定

　内外装はアトレー専用のデザインを各所に採用。全グレードにLEDヘッドランプを標準装備し、メッキフロントグリルの加飾パーツなど専用のエクステリアパーツを豊富に採用した。内装では視認性の高い2眼メーター＆TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを採用するとともに、メッキ、シルバー加飾などを施したインテリアで、居心地の良い空間を実現した。
　ボディカラーはトニコオレンジメタリック、シャイニングホワイトパール、オフビートカーキメタリックの3色を新設定し、全6色のバリエーションとした。

「アトレー デッキバン」を新設定

　また、ハイゼットカーゴで人気のデッキバンをアトレーにも新設定。アトレーならではの快適装備や内外装デザインはそのままに、利便性の高いオープンデッキとターボエンジンを備え、幅広いレジャーニーズに対応する。

福祉車両も利便性向上

　ダイハツの福祉車両シリーズ「フレンドシップシリーズ」のラインアップ「ハイゼットスローパー」と「アトレースローパー」も改良され、より使いやすさを向上。ベース車同様の車体のスクエア化によって室内空間の拡大を図り、ウインチボックスの見直しによって、ゆとりある車いす足元スペースを実現した。また、リヤシート（助手席側）の大型化によりフロントシート同様の乗り心地を実現するとともに、従来型同等の車いす乗車スペースを確保している。
　さらに、スロープ前倒し機構を採用することで、荷室として普段時に利用する場合でも使い勝手を向上させた。

メーカー希望小売価格（消費税込）

ハイゼットカーゴ

アトレー

ハイゼット カーゴ／アトレー特装車

【2シーター】

【デッキバン】

フレンドシップシリーズ（福祉車両）（消費税非課税）

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