車のメンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2024.01.08
信号待ちをしている時に車のエンジンが急に止まる?その原因や対処法を解説
車を運転していたら信号待ちで突如として車が止まってしまった…そんな状況になれば、誰しも慌ててしまうものです。
後続車からクラクションを鳴らされたら、落ち着いて対処することも難しくなるでしょう。
車のエンジンはそう簡単には止まらないと過信している方も多いかもしれませんが、信号待ちをしている時にエンジンが止まってしまう可能性はゼロではありません。
そこで今回は、信号待ちでエンストしても慌てないよう、その原因や対処法などを解説していきます。
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信号待ち、つまり走行車線上に停止車両がいると、走行の妨げになるのは確かです。しかし、周りの車のクラクションに急かされて慌てて中途半端な行動をとってしまうと、後続車による追突など二次災害につながる可能性があります。
信号待ちでエンジンが急に止まった時は、慌てずに落ち着きつつも素早く行動することが最善の対処法だと言えます。一見、難しいように感じられますが、信号待ちでエンジンが止まる原因を知っておけば、慎重かつ迅速に対処することが可能です。
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車のエンジンが止まる原因は様々です。完全にエンジンが止まっている場合、その原因を正確に判別するには整備士でもそれなりの器材や時間が必要です。
しかし「信号待ちで止まった」という状況から、原因をある程度絞り込むことはできます。
ここからは、信号待ちでエンジンが止まったてしまった時に考えられる原因を発生頻度が高い順に挙げていきます。
信号待ちで走っていないということは、発電装置であるオルタネーターが盛んに発電・充電を行っていないということです。それにも関わらず、エアコンやカーナビなどで電力を大量に消費していると、発電・充電量が不足してしまいます。
もちろん、バッテリーが元気なら、信号待ちでもエンジンが止まることはありません。しかし、バッテリーが古くて弱っている場合は、バッテリーが上がってアイドリング状態を保てず、エンジンが止まってしまいます。
また、オルタネーターやHVの充電回路が故障し、発電・充電量が低下している場合も同じような症状が出ることがあります。
ちなみに、エンストとは「エンジンストップ」の略ではなく、車のエンジンが意図せずに停止してしまった状態のことを指す「エンジンストール」の略です。
またAT車であっても、急な坂道でアクセルを踏む量が足りず、トルク不足が発生した場合も、MT車と同じようにエンストする場合があります。
さらに、アイドリングストップ機能がついているのをうっかり忘れ、エンジンが急に止まって焦ってしまうこともあるようです。
このような操作ミスによるエンストは、いつも乗っているマイカーを運転する時はあまり発生しません。しかし、レンタカーや代車など普段乗り慣れていない車を運転する際によく起きるので、注意しましょう。
「そんな間違いはしない!」と思っている方も多いかもしれませんが、JAFは1ヶ月に100件以上、燃料の入れ間違いの救援出動をしています。
もっとも、燃料タンクが空っぽの状態で燃料を入れ間違えた場合は、すぐにエンストなどの症状が出ます。しかし、タンクに正しい燃料が一定量残っている状態で誤給油をした場合、信号待ちの際に症状が出てエンジンが止まることがあります。
なお、誤給油といってもガソリン車に軽油を入れる場合とディーゼル車にガソリンを入れてしまう場合の2パターンがありますが、JAFの調査では前者のほうが若干多いようです。「レンタカーを借りて普段の車両と違ったため」「軽自動車なので軽油を入れた」など、ドライバーの認識不足が誤給油の原因として挙がっています。
そのため、最初から全くエンジンがかからない時に比べると頻度は低くなりますが、点火系・燃料系・吸排気系など「エンジンの稼働に関わる故障」が発生している可能性もあります。その中でも頻度が高いのは、スパークプラグなどの点火系の故障です。
直前まで走行可能で信号待ちという状況に絞った場合、燃料系・吸排気系の故障が原因であることは稀です。特に、吸排気系は水や雪などでマフラーが完全に詰まりでもしない限り、エンストまで至ることはあまりありません。
なお、点火系・燃料系が故障した場合は、まずアイドリングが不安定になり、その後エンストに至ります。
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信号待ちでエンジンが急に止まる原因を絞り込むことができれば、その際の対処法もある程度決まってきます。そうすれば、慌てずに自分と周囲の安全に配慮した上で、正しく行動することもできるでしょう。
ここからは、信号待ちという状況で急にエンジンが止まった時の対処法を、原因に合わせて一つずつ解説していきます。
電装品が動いているということは、電力不足でアイドリングが保てずエンストしたものの、バッテリーが完全には上がっていない(電気が空っぽではない)証拠です。
そのため、使用している電装品のスイッチを全て切り、残っている電力を全てセルに託した状態で再始動を試みれば、エンジンがかかり、走行可能になることも多々あります。
ただし、セルの消費電力は大きいため、なかなかかからないのに何度も試していると結局バッテリーが完全に上がることもあります。電装品すら使えなくなってしまうので、2回か3回ぐらい試してみてかからない時は次の段階に移りましょう。
また、操作ミスによるエンストは、ガクンと大きな衝撃を伴うのが特徴です。その時は、一旦気持ちを落ち着かせてから再始動を試せば、難なくエンジンはかかってくれるでしょう。
なお、アイドリングストップ車は、信号待ちでエンジンが止まるのが正常です。その場合は、信号が青になってアクセルを踏めば、自然にエンジンもかかるでしょう。
どうしてもアイドリングストップに驚いてしまうという方は、アイドリングストップ機能を「OFF」にしておくのも一つの手です。ただし、エンジンをいったん切り、再始動するとアイドリング機能は復活するので注意しましょう。
なぜなら、信号が青になってもエンジンがかからず停車していた場合、渋滞や追突事故などさらなるトラブルに発展する可能性があるからです。
また、誤給油やその他の故障が原因である場合、もしエンジンがかかって走行できたとしても、深刻なダメージがエンジンに及び、走行車線上でエンジンが停止することもあります。
その場合は、ハザードランプの点灯・三角停止版や発煙筒の設置などを使い、走行できないことを周囲の交通に知らせましょう。
さらに、停止車両の中や周囲に残っていると、万が一後続車が追突した場合、巻き込まれてしまう可能性があります。周囲の交通への周知作業が終わったら速やかに車から離れ、ガードレールの外側などの安全な場所まで避難しましょう。
MT車の場合は、押しがけも可能です。AT車でもバッテリーが生きていてセルが回る場合は、エンジンがかからなくてもセルを回しながら少しずつ移動し、路肩などまで車を動かす手もあります。
しかし、交通量が多かったり、大型車のため人力での移動に危険を伴ったりする場合は、ひとまず前述した安全確保のための行動をしましょう。その上で、JAFやディーラー、修理工場などに救援を依頼し、レッカー車や積載車などで移動してもらったほうが安心です。
信号待ちをする場所、つまり交差点の手前は道路交通法上、原則として「駐停車禁止」になってます。そのため、信号待ちでエンジンが止まり、その場で長時間停車すると「駐停車禁止違反」に問われ、違反点数の加算や反則金を課せられてしまうかもしれません。
ただし、同法律では「警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか(は駐停車禁止)」とも定められています。そのため、警察に通報してその指示の下での駐停車であれば、後々法的に問題視される心配はありません。
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信号待ちでエンジンが止まる原因と対処法をお伝えしましたが、できることならそんな緊急事態には遭遇したくないものです。
しかし、操作ミスや誤給油などは誰にでも起こる可能性があります。また、車が精密機械である以上、予期せぬ故障を完全に防ぐことはできません。
そこでここからは、信号待ちでエンジンが止まるという万が一の緊急事態に備えて、やっておくべきことを挙げていきます。
こうしたヒューマンエラーは、その日運転する車の性能・仕様・操作方法などの再確認をしておけば、かなりの確率で防ぐことができます。
愛車はもちろん、レンタカーや代車、親族や知人から借りた車などを運転する場合は特に、運転前に車の性能・仕様・操作方法などの再確認を怠らないようにしましょう。
バッテリーやオルタネーターはガソリンスタンドやカー用品店で、HVの充電システムは購入したディーラーなどで点検・メンテナンスが可能です。
オルタネーターやHVの充電システムはともかく、バッテリーは不具合を起こしやすいため、少なくとも1ヶ月に1回は点検し、状態に応じてバッテリー液・強化剤補充などのメンテナンスや新品への交換をしましょう。
また、点火系ならスパークプラグ、燃料系ならインジェクター、吸排気系なら各種センサーが不具合を起こす頻度が高い部品となります。これらは、エンジンオイルの汚れや劣化が故障の原因になることも多いため、エンジンオイルの適切な管理も重要です。
その場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
例えば、昼間の時間帯に一般道路で信号待ちをしていてエンジンが止まり、JAFにレッカー車での移動を依頼したとします。この時、JAF非会員の場合は基本料金・作業料金が13,130円かかり、さらに1kmごと730円の移動料金が発生します。
一方、JAFに加入している場合は、基本料金・作業料金が無料になる上、15km間ではレッカー移動料金もかかりません。
任意保険のロードサービスはさらに充実していて、会社によっては50kmや100kmまでレッカー料金がかからないところもあります。
また、いずれもバッテリーのジャンピングや、タイヤのパンクやバーストによるスペアタイヤへの交換など、様々なトラブルの対応も行ってくれます。
万が一の緊急事態への備えとして、JAFやロードサービス付きの任意保険の加入はしておいたほうが安心です。
具体的には、ヘッドライトが暗くなる、加速が悪くなる、アイドリングが弱くなるといった症状が挙げられますので、見逃さないようにしましょう。
これらの予兆を察知し、修理工場などへ駆け込んで早めに対処してもらえば、信号待ちでエンジンが止まるという緊急事態の発生を避けられる可能性が高くなります。
予兆に気付いても、そのままにしておくことだけはやめましょう。
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バッテリー上がりや操作ミスなどが原因の場合はともかく、誤給油やエンジンの稼働に関わる故障が発生している場合は、修理後もエンジンにダメージが残っていることがあります。
そして、一度重いダメージを受けたエンジンは、オーバーホールなどといった高額な修理・整備をしても元通りにはならず、後遺症を抱えてしまうことが多いのが現実です。
エンジンに後遺症が残ってしまった場合、故障個所を修理してもまたエンジンが止まったり、前述した「予兆」が頻繁に発生したりすることがあります。
信号待ちでエンジンが止まると二次被害を引き起こす可能性もあるため、何度も繰り返し起きるようだと、正しい対処法を知っていても車を運転するのが不安になるかもしれません。
そんな時は、修理や整備で対応するのではなく、安全や安心を最優先にして車の買い替えも視野に入れたほうがよいでしょう。
後続車からクラクションを鳴らされたら、落ち着いて対処することも難しくなるでしょう。
車のエンジンはそう簡単には止まらないと過信している方も多いかもしれませんが、信号待ちをしている時にエンジンが止まってしまう可能性はゼロではありません。
そこで今回は、信号待ちでエンストしても慌てないよう、その原因や対処法などを解説していきます。
この記事の目次
慌てないで!信号待ちでエンジンが急に止まった時の対処法
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信号待ちでエンジンが急に止まった時は、慌てずに落ち着きつつも素早く行動することが最善の対処法だと言えます。一見、難しいように感じられますが、信号待ちでエンジンが止まる原因を知っておけば、慎重かつ迅速に対処することが可能です。
まずは信号待ちでエンジンが止まる原因を知っておこう
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しかし「信号待ちで止まった」という状況から、原因をある程度絞り込むことはできます。
ここからは、信号待ちでエンジンが止まったてしまった時に考えられる原因を発生頻度が高い順に挙げていきます。
バッテリー上がりor充電不良によるエンスト
信号待ちで急にエンジンが止まった際に原因として可能性が高いのが、バッテリー上がりか充電不良によるエンストです。信号待ちで走っていないということは、発電装置であるオルタネーターが盛んに発電・充電を行っていないということです。それにも関わらず、エアコンやカーナビなどで電力を大量に消費していると、発電・充電量が不足してしまいます。
もちろん、バッテリーが元気なら、信号待ちでもエンジンが止まることはありません。しかし、バッテリーが古くて弱っている場合は、バッテリーが上がってアイドリング状態を保てず、エンジンが止まってしまいます。
また、オルタネーターやHVの充電回路が故障し、発電・充電量が低下している場合も同じような症状が出ることがあります。
ちなみに、エンストとは「エンジンストップ」の略ではなく、車のエンジンが意図せずに停止してしまった状態のことを指す「エンジンストール」の略です。
操作ミスなどによるエンスト
信号待ちから再発進する際、MT車は半クラッチ操作いわゆる「半クラ」にしなければなりません。しかし、アクセル・クラッチ双方の開閉バランスが合わず、半クラに失敗するとガクン!という強い衝撃とともに車がエンストする場合があります。またAT車であっても、急な坂道でアクセルを踏む量が足りず、トルク不足が発生した場合も、MT車と同じようにエンストする場合があります。
さらに、アイドリングストップ機能がついているのをうっかり忘れ、エンジンが急に止まって焦ってしまうこともあるようです。
このような操作ミスによるエンストは、いつも乗っているマイカーを運転する時はあまり発生しません。しかし、レンタカーや代車など普段乗り慣れていない車を運転する際によく起きるので、注意しましょう。
燃料の入れ間違いによるエンスト
セルフ型ガソリンスタンドが増えたことやシェアカー・レンタカーの普及で多くなっているのが、「燃料の入れ間違いによるエンスト」です。「そんな間違いはしない!」と思っている方も多いかもしれませんが、JAFは1ヶ月に100件以上、燃料の入れ間違いの救援出動をしています。
もっとも、燃料タンクが空っぽの状態で燃料を入れ間違えた場合は、すぐにエンストなどの症状が出ます。しかし、タンクに正しい燃料が一定量残っている状態で誤給油をした場合、信号待ちの際に症状が出てエンジンが止まることがあります。
なお、誤給油といってもガソリン車に軽油を入れる場合とディーゼル車にガソリンを入れてしまう場合の2パターンがありますが、JAFの調査では前者のほうが若干多いようです。「レンタカーを借りて普段の車両と違ったため」「軽自動車なので軽油を入れた」など、ドライバーの認識不足が誤給油の原因として挙がっています。
エンジンの稼働に関わる故障の発生
信号待ちでエンジンが止まったということは、直前までは何の問題もなく走れていたということです。そのため、最初から全くエンジンがかからない時に比べると頻度は低くなりますが、点火系・燃料系・吸排気系など「エンジンの稼働に関わる故障」が発生している可能性もあります。その中でも頻度が高いのは、スパークプラグなどの点火系の故障です。
直前まで走行可能で信号待ちという状況に絞った場合、燃料系・吸排気系の故障が原因であることは稀です。特に、吸排気系は水や雪などでマフラーが完全に詰まりでもしない限り、エンストまで至ることはあまりありません。
なお、点火系・燃料系が故障した場合は、まずアイドリングが不安定になり、その後エンストに至ります。
信号待ちという状況で急にエンジンが止まった時の対処法
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ここからは、信号待ちという状況で急にエンジンが止まった時の対処法を、原因に合わせて一つずつ解説していきます。
落ち着いてエンジン再始動を試みる
信号待ちで急にエンジンが止まった時、エアコンやカーナビ・ヘッドライトといった電装品が問題なく動いている場合は、まずは落ち着いてエンジンの再始動を試みましょう。電装品が動いているということは、電力不足でアイドリングが保てずエンストしたものの、バッテリーが完全には上がっていない(電気が空っぽではない)証拠です。
そのため、使用している電装品のスイッチを全て切り、残っている電力を全てセルに託した状態で再始動を試みれば、エンジンがかかり、走行可能になることも多々あります。
ただし、セルの消費電力は大きいため、なかなかかからないのに何度も試していると結局バッテリーが完全に上がることもあります。電装品すら使えなくなってしまうので、2回か3回ぐらい試してみてかからない時は次の段階に移りましょう。
また、操作ミスによるエンストは、ガクンと大きな衝撃を伴うのが特徴です。その時は、一旦気持ちを落ち着かせてから再始動を試せば、難なくエンジンはかかってくれるでしょう。
なお、アイドリングストップ車は、信号待ちでエンジンが止まるのが正常です。その場合は、信号が青になってアクセルを踏めば、自然にエンジンもかかるでしょう。
どうしてもアイドリングストップに驚いてしまうという方は、アイドリングストップ機能を「OFF」にしておくのも一つの手です。ただし、エンジンをいったん切り、再始動するとアイドリング機能は復活するので注意しましょう。
安全を確保した上で事故予防対策を行う
落ち着いて再始動を試みてもエンジンがかからない場合、もしくは燃料の入れ間違いの事実が判明した場合は、早めに諦めたほうが無難です。なぜなら、信号が青になってもエンジンがかからず停車していた場合、渋滞や追突事故などさらなるトラブルに発展する可能性があるからです。
また、誤給油やその他の故障が原因である場合、もしエンジンがかかって走行できたとしても、深刻なダメージがエンジンに及び、走行車線上でエンジンが停止することもあります。
その場合は、ハザードランプの点灯・三角停止版や発煙筒の設置などを使い、走行できないことを周囲の交通に知らせましょう。
さらに、停止車両の中や周囲に残っていると、万が一後続車が追突した場合、巻き込まれてしまう可能性があります。周囲の交通への周知作業が終わったら速やかに車から離れ、ガードレールの外側などの安全な場所まで避難しましょう。
速やかに停止車両を道路上から移動させる
信号待ち、つまり走行車線上で走行不能になったら、少しでも早く車両を路肩や空き地まで移動させましょう。MT車の場合は、押しがけも可能です。AT車でもバッテリーが生きていてセルが回る場合は、エンジンがかからなくてもセルを回しながら少しずつ移動し、路肩などまで車を動かす手もあります。
しかし、交通量が多かったり、大型車のため人力での移動に危険を伴ったりする場合は、ひとまず前述した安全確保のための行動をしましょう。その上で、JAFやディーラー、修理工場などに救援を依頼し、レッカー車や積載車などで移動してもらったほうが安心です。
場合によっては警察への通報も必要
通常、事故を伴わない故障でエンジンがかからない場合は、修理工場やJAFなどへの救援依頼だけで問題ありません。しかし、信号待ちでエンジンが停止し、やむを得ずその場で長時間にわたり停車する場合は、警察への通報が必要なケースも出てきます。信号待ちをする場所、つまり交差点の手前は道路交通法上、原則として「駐停車禁止」になってます。そのため、信号待ちでエンジンが止まり、その場で長時間停車すると「駐停車禁止違反」に問われ、違反点数の加算や反則金を課せられてしまうかもしれません。
ただし、同法律では「警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか(は駐停車禁止)」とも定められています。そのため、警察に通報してその指示の下での駐停車であれば、後々法的に問題視される心配はありません。
万が一の緊急事態に備えやっておくべきこと
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しかし、操作ミスや誤給油などは誰にでも起こる可能性があります。また、車が精密機械である以上、予期せぬ故障を完全に防ぐことはできません。
そこでここからは、信号待ちでエンジンが止まるという万が一の緊急事態に備えて、やっておくべきことを挙げていきます。
車の性能・仕様・操作方法などの再確認
前述したとおり、信号待ちという状況でエンジンが止まる原因には、操作ミスや誤給油といったいわゆるヒューマンエラーも含まれています。こうしたヒューマンエラーは、その日運転する車の性能・仕様・操作方法などの再確認をしておけば、かなりの確率で防ぐことができます。
愛車はもちろん、レンタカーや代車、親族や知人から借りた車などを運転する場合は特に、運転前に車の性能・仕様・操作方法などの再確認を怠らないようにしましょう。
定期的な点検とメンテナンスの実施
ヒューマンエラーを減らす対策をとったら、車のケアにも気を配りましょう。特に、信号待ちでエンジンが止まる原因として頻度の高いバッテリー・オルタネーター・HVの充電システムに関しては、こまめに点検・メンテナンスを行って常に良好な状態を保つようにしてください。バッテリーやオルタネーターはガソリンスタンドやカー用品店で、HVの充電システムは購入したディーラーなどで点検・メンテナンスが可能です。
オルタネーターやHVの充電システムはともかく、バッテリーは不具合を起こしやすいため、少なくとも1ヶ月に1回は点検し、状態に応じてバッテリー液・強化剤補充などのメンテナンスや新品への交換をしましょう。
また、点火系ならスパークプラグ、燃料系ならインジェクター、吸排気系なら各種センサーが不具合を起こす頻度が高い部品となります。これらは、エンジンオイルの汚れや劣化が故障の原因になることも多いため、エンジンオイルの適切な管理も重要です。
JAFやロードサービス付き任意保険への加入
信号待ちでエンジンが止まり、再始動もできなかった場合、JAFなどに救援を依頼してレッカー車や積載車で移動してもらう必要があります。その場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
例えば、昼間の時間帯に一般道路で信号待ちをしていてエンジンが止まり、JAFにレッカー車での移動を依頼したとします。この時、JAF非会員の場合は基本料金・作業料金が13,130円かかり、さらに1kmごと730円の移動料金が発生します。
一方、JAFに加入している場合は、基本料金・作業料金が無料になる上、15km間ではレッカー移動料金もかかりません。
任意保険のロードサービスはさらに充実していて、会社によっては50kmや100kmまでレッカー料金がかからないところもあります。
また、いずれもバッテリーのジャンピングや、タイヤのパンクやバーストによるスペアタイヤへの交換など、様々なトラブルの対応も行ってくれます。
万が一の緊急事態への備えとして、JAFやロードサービス付きの任意保険の加入はしておいたほうが安心です。
「予兆」を見逃さないことも大切
いくらこまめに点検・メンテナンスをしていても、車のエンジンはいつどこで止まってしまうか分かりません。ただし、エンジンが止まる前には、何かしらの「予兆」が出ることも多いです。具体的には、ヘッドライトが暗くなる、加速が悪くなる、アイドリングが弱くなるといった症状が挙げられますので、見逃さないようにしましょう。
これらの予兆を察知し、修理工場などへ駆け込んで早めに対処してもらえば、信号待ちでエンジンが止まるという緊急事態の発生を避けられる可能性が高くなります。
予兆に気付いても、そのままにしておくことだけはやめましょう。
頻繁にエンジンが止まる・止まりそうになる時は車の買い替えも検討しよう
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そして、一度重いダメージを受けたエンジンは、オーバーホールなどといった高額な修理・整備をしても元通りにはならず、後遺症を抱えてしまうことが多いのが現実です。
エンジンに後遺症が残ってしまった場合、故障個所を修理してもまたエンジンが止まったり、前述した「予兆」が頻繁に発生したりすることがあります。
信号待ちでエンジンが止まると二次被害を引き起こす可能性もあるため、何度も繰り返し起きるようだと、正しい対処法を知っていても車を運転するのが不安になるかもしれません。
そんな時は、修理や整備で対応するのではなく、安全や安心を最優先にして車の買い替えも視野に入れたほうがよいでしょう。
まとめ
- ①信号待ちでエンジンが止まった際は、慌てずに落ち着いて対処することが大切なので、エンジンが止まる主な原因を知っておくことが大切
- ②信号待ちで車が止まる原因は、バッテリー上り、操作ミス、燃料の入れ間違い、エンジンの稼働に関わる故障の発生など
- ③信号待ちでエンジンが止まったら、まずは落ち着いてエンジンの再始動を試みる
- ④再始動しない時は、安全を確保した上で事故予防対策を行う
- ⑤できるだけ速やかに車を移動させるべきだが、基本的には専門家に救援を依頼したほうが安心
- ⑥車のエンジンが止まる原因には、うっかりミスも多いため、慣れない車を運転する際は特に、その車の性能・仕様・操作方法などを再確認しておく
- ⑦定期的な点検とメンテナンスの実施することで、急にエンジンが止まる原因の多くは予防できる
- ⑧頻繁にエンジンが止まる・止まりそうになる時は、車の買い替えも視野に入れると良い
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