カー!といえばグーネットピット

無料整備工場検索&予約アプリ

グーネットピットアプリ

車のメンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2024.01.15

車のエンジンがかかりにくい原因はバッテリー上がり?対処法などを解説

車のエンジンがかかりにくい場合、バッテリーが不具合を起こしていることが考えられます。バッテリーは車の走行に欠かせない需要部品なので、早急に対処する必要があります。

この記事では、バッテリー上がりの様々な原因や予防法、新品に交換する際の費用、その他の注意点を解説していきます。

車のエンジンがかかりにくい原因は「バッテリー上がり」のことが多い

車のエンジンがかかりにくい、あるいはかからなくなるといったトラブルに見舞われた場合、よくある原因の一つが「バッテリー上がり」です。

以下では、バッテリー上がりの内容と特徴、その原因や対処法などについて詳しく説明していきます。

バッテリーとは?

車のバッテリーは、エンジン始動のほか搭載された電装品へ電気を供給するためのパーツです。

電装品とは、ブレーキランプ、ヘッドライトなどの灯火や、エアコン、ワイパー、パワーウィンドウなどの電力で動くあらゆる部品を指します。

多くの場合、バッテリーはエンジンルームの中に搭載されていますが、運転席もしくは助手席のシートの下にあることも珍しくありません。その他、車種によってトランクルームや荷室などの床下に設置されていることもあるでしょう。

バッテリーは単体で機能するものではなく、発電機によって生み出された電力を蓄えながら動いています。旧来の車だと「ダイナモ」という装置が発電の役割を担っていましたが、最近は「オルタネーター」という利便性がより高い装置が取って代わるようになりました。

そのため、ダイナモやオルタネーターが故障すればバッテリーも不具合を起こし、車も動かなくなります。

表面的にはバッテリーが故障した(いわゆるバッテリー上がり)ように見えても、その裏に他の部品の故障が隠れていることもあるので覚えておきましょう。

バッテリー上がりとは?

バッテリー上がりは、何らかの理由でバッテリー内部に蓄えられた電気が減少した状態を指します。

こうなると、エンジン始動時に使うセルモーターが、バッテリーから電気を供給できなくなるため、エンジンがかかりません。

セルを回した際にキュルキュルと音がせず、カチカチ音がしてエンジンがかからない場合は、第一にバッテリー上がりを疑いましょう。

バッテリー上がりの症状

バッテリー上がりの状態に陥ると、前述した通りまずエンジン始動ができなくなり、電装品が作動しない、ライトがつかないなどの症状が現れます。

バッテリーが上がるとエンジンがかからなくなるのは、エンジン始動にセルモーターが関連しているからです。電圧が下がればモーターへ供給される電力も減るので、エンジンも動きません。

またバッテリーの電圧が下がると、運転席に設置されているラジオ、オーディオ、パワーシート、パワーウィンドウなどの電装品は全て動かなくなるでしょう。リモコンキーが動かなくなり、ドアの開閉ができなくなるケースもあります。

また、車はドアを開閉すると室内灯が自動でオンになる仕組みですが、ここでもバッテリーの電力が使用されています。そのため、バッテリー上がりになると、こうした室内灯をはじめウインカーやヘッドライトなどもつかなくなります。

バッテリー上がりの原因

バッテリー上がりの原因は、主に以下の4つが考えらます。詳しく見ていきましょう。

①過放電

バッテリー上がりが起きる原因のほとんどは、電力を消費する機器をつけっ放しにしてしまったことです。

例えば、半ドアの状態やヘッドライトをつけたままの状態で長時間駐車・停車すると、過放電となりバッテリー上がりを引き起こすでしょう。

また、自動車はエンジンをかけていなくとも少しずつ電力を消費しており、バッテリーそのものも自然放電します。そのため、日常的に車を動かして充電しないと、いずれはバッテリー上がりに陥ることになります。

②寿命

バッテリー上がりの最も多い原因は電力の使い過ぎによるものとされていますが、バッテリーが古くなって寿命を迎えたことが原因であることも多いです。

バッテリーの寿命は一般的に「2~3年」と言われています。それを過ぎると、いつでもバッテリー上がりになる恐れがあります。

多くの場合、寿命を迎える頃に車検や定期点検の時期を迎えるので、こうした点検にきちんと出していれば心配する必要はありません。ただし、何らかの理由で古いバッテリーを使い続けている場合は、注意するようにしましょう。

③バッテリー液不足

バッテリー本体の内部は、バッテリー液で満たされています。これは、放電・充電を可能にするための化学反応を起こすために使われる液体です。

このバッテリー液が漏れたり、量が不足したりするとバッテリー上がりを引き起こします。

バッテリー液は、本体の充電に伴って一部が気化して量が減ります。また、バッテリーが破損して液漏れを起こすことで、やはり減少することがあります。

こうして必要な液量よりも少なくなってしまうと、バッテリーが本来の性能を保てなくなり、バッテリー上がりの状態に陥ってしまうのです。

④劣化・破損・腐食

バッテリー本体が劣化したり破損したり、あるいは液が多すぎたりすると、バッテリー液が漏れ出す「液漏れ」を起こすことがあります。

この液漏れにより、バッテリー上部にあるターミナルと呼ばれる突起が腐食してしまい、接触不良を引き起こすことがあります。すると電気の流れが疎外されてしまい、やはりエンジンのかかりが悪くなるでしょう。

バッテリー上がりの対処法

バッテリー上がりを起こした場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

その方法を以下で詳しく見ていきましょう。

新品と交換する

バッテリー上がりが起きてしまった場合の最もシンプルな解決方法は、新品のバッテリーと交換することです。

バッテリー本体はエンジンルームに設置されており、構造も単純なので取り付け・取り外しは簡単です。

ただし、感電やショート、火災などを起こしてしまうリスクがあるので、初心者がいきなり作業を行うのはおすすめできません。また、一見バッテリー上がりに見えても実際にはバッテリーと関連している別の部品が故障していることもあるので、拙速な判断は禁物です。

充電する

バッテリー上がりの原因が電力不足であれば、車を走行させることで充電することができます。走行可能であれば、とりあえず運転してバッテリーを回復させましょう。

また、他の車から電気を分けてもらう「ジャンピングスタート」によって充電することもできます。

ジャンピングスタートは、ジャンプスターターという小型バッテリーを使う方法もあります。これがあれば、他の車がいなくともエンジン始動が可能です。

ただし、一見バッテリー上がりによる不具合に見えても、オルタネーターなどの関連機器が壊れている可能性もあるので注意しましょう。

バッテリー上がりでやってはいけない対処法

バッテリー上がりが起きた際、やってはいけないこともいくつかあります。

まず、バッテリーの交換やジャンピングスタートを専門知識のない人が行うと感電・ショート・火災などを引き起こすことがあるので、無理に手を出さないようにしましょう。

また、エンジンがかかりにくいからといって、何回もセルを回してエンジンをかけようとすると、かえって電力を消費してバッテリー上がりが悪化することがあります。

バッテリー上がりの状態で長時間放置しても、自然放電によって症状は悪化するので、とにかくすぐに修理工場やロードサービスに頼るのが賢明です。

バッテリー上がりの予防法

バッテリー液の液漏れや経年劣化ではなく、単純な電力不足によるバッテリー上がりは車を走行させることで予防できます。

車のバッテリーは走ることで充電されますが、走行が難しい場合は30分程度、定期的にエンジンをかけるようにしましょう。

また、バッテリー本体の経年劣化を防ぐことも大切です。寿命と言われている2~3年を目安に、新品へ交換してください。ただし、この年数は車の使い方や環境によって異なります。

そもそも車検や定期点検をこまめに受けていれば、多くの場合はバッテリーの寿命に普段から神経を尖らせる必要はありません。

ひとたびバッテリー上がりが起きてしまうと、ロードサービスに救援を依頼しなければならなかったり、修理工場に持ち込む前にジャンピングスタートを行う必要があったりと、時間や労力がかかります。

こうしたコストを避けるためにも、法定点検を受けて定期的にバッテリーの点検・交換をしてもらうようにしましょう。

バッテリーがトラブルを起こしやすい季節は?

冬場、気温が低い場合や寒冷地に赴いた場合などは、バッテリーが正常に放電できなくなることがあります。

また、夏場もエアコンの使い過ぎやオーバーヒートが原因でバッテリーが作動しなくなることもあるので、気温変化が極端なシーズンは特に注意が必要です。

バッテリー交換の費用

ここまでで、バッテリー上がりとはどのような状態を指すのか、そしてその原因と対処法・予防法について解説してきました。

ここからは、バッテリーを新品に交換する場合の費用について、3つのパターンに分けて解説します。

①自分で交換する場合

新品のバッテリーに交換する場合、本体価格は4,000円~40,000円程度と、かなりの差があります。それは、バッテリーの大きさや種類、製造国、性能などによって価格が異なるからです。

特に自動車メーカーによる純正品やハイブリッド車・電気自動車専用のバッテリー、アイドリングストップ車に対応したバッテリーなどは価格が高くなりがちです。

もちろん高価なものは充電能力や始動性に長けており、寿命も長いのでそれだけの価値があるのですが、近年は低価格のものでも良質のバッテリーが生産されています。

国内大手メーカーのバッテリーなら、比較的低価格でも品質がいいことがほとんどなので、スペアの新品を一台所持しておくのもよいでしょう。

あとは、いざという時の交換作業を自力で行うことができれば、工賃も浮かせることができます。バッテリー交換の工賃は、依頼する業者や車種によるものの、1,000円~1万4,000円程度が相場です。

自力でバッテリー交換を行うとこの費用が浮きますが、古いバッテリーを廃棄する場合は500円ほどかかるので注意しましょう。

②専門業者に依頼する場合

バッテリー交換の作業を全て業者に依頼すると、前項で説明した通り約1,000円~1万4,000円はかかります。具体的な金額は業者によって異なりますし、同じ業者でも車種によって変動することがあるので、必ず確認しておきましょう。

例えば、輸入車のバッテリーの交換や国産車でも電気自動車やハイブリッド車のバッテリーの交換にかかる費用は、高くなりがちです。

さらに、前項でも少し触れましたが、バッテリーには人体にとって有害な物質が含まれているので廃棄する際も有料となります。この廃棄費用も業者によって金額が異なり、無料のところもあれば3,000円程度かかる場合があります。

柔軟に応じてくれる業者なら、バッテリーは車の持ち主がネット通販などを利用して安く購入し、作業のみを依頼することもできるでしょう。また、車検や法定点検の作業とあわせて交換してもらうことで、工賃を割り引いてくれることもあります。

③ロードサービスに依頼する場合

バッテリーの交換作業を、JAFなどのロードサービスに依頼する方法もあります。多くのロードサービスは会員制となっており2,000~4,000円の年会費はかかりますが、車に関する軽微なトラブルや応急処置を無償で行ってくれるでしょう。

ロードサービスの中には非会員でも対応してくれるものがありますが、バッテリー上がりの対応は10,000円ほどの費用がかかると考えてください。

また、サービスによっては、バッテリー本体の費用が5,000円~40,000円ほどかかることもあります。

エンジンがかかりにくい原因はその他にもある

エンジンがかかりにくくなるトラブルの原因はバッテリー上がりに限りません。エンジン本体やその他のパーツが故障することもあります。

また、故障ではなくドライバーの操作ミスによって気付かないうちにエンジンがかからない状態になっていたということもあります。

操作ミス

表面上はバッテリー上がりを原因とするエンジントラブルのように見えても、実際には違う理由でエンジンがかからなくなっていることもあります。

以下で、項目ごとに解説します。

・ハンドルロック
ハンドルロックは、エンジンがストップした状態でハンドルを動かそうとすると発生するものです。一時的にキーが回らなくなり、エンジンがかからなくなります。これは、ハンドルを軽く動かすことで簡単に解除可能です。

・ギアがP(パーキング)に入っていない
AT車の場合、ギアがP(パーキング)の位置にないとエンジンがかからないので、バッテリー上がりを疑う前にチェックしましょう。

・フットブレーキの踏み込み不足
フットブレーキが踏み足りないとエンジンがかかりません。前述したギアの位置の誤りと通じるものがありますが、そもそもエンジンがかかる状態になっているかどうかを一度確認しましょう。

・ガス欠
エンジントラブルのうち、最も多いのがガス欠(燃料切れ)です。仮に残量が十分だとしても、長期間停車していると燃料が経年劣化して使えなくなることがあり、これもエンジントラブルの原因になります。

・電子キー関係
電子キーを使っている車両の場合、半ドアや充電切れの状態だとエンジンがかかりません。どうしても電子キーが反応しないなら、内蔵の非常用テクニカルキーでエンジンをかけてみてください。

その他のパーツの故障

エンジントラブルは、様々なパーツの故障や不具合によって引き起こされることもあります。

以下で項目ごとに解説します。

・エンジン本体の故障
エンジン本体がオイル切れや冷却装置の異常によって故障すれば、始動できなくなるでしょう。

・冷却水切れ
エンジンは大量の熱を発して稼働するため、常に適切な温度に保つ必要があります。その役割を担う冷却水が足りなくなると、オーバーヒートを起こしてエンジンが動かなくなることがあります。

・ヒューズ切れ
ヒューズは電気系統へ過剰に電流が流れた際、断線する(切れる)ことで通電を阻止して電装品を守ってくれるパーツです。これが一度断線すると、修理しない限りエンジンはかかりません。

・オルタネーター・セルモーターの故障
オルタネーター(発電機)が故障すれば電気を作り出せなくなり、バッテリー上がりと似た症状が発生します。またバッテリー上がりとは無関係にセルモーターが故障することもあるので、エンジントラブルの際はこれらの原因も考慮しましょう。

バッテリーのトラブルは自分で判断できる?

実際にエンジンがかかりにくくなった場合、その原因がバッテリー上がりなのかそうでないのかを自分で判断することはできるのでしょうか?

以下では、できる範囲での方法を説明します。

外観から判断する方法

車のバッテリーが経年劣化を起こしているかどうかは、外観で判断できることもあります。

まず、バッテリー液が不足しているかどうかは、すぐに確認できるでしょう。また、液漏れが起きていると最悪の場合オーバーヒートにつながるので、しっかり状態を確認してください。

バッテリー液の漏れは、本体が破損していることや液口栓のゆるみが原因かもしれません。漏れた液がバッテリー端子に付着して錆・腐食を発生させていたり、経年劣化によってバッテリー本体が膨張したりしていたら、すぐに交換しましょう。

エンジンがかからない時に確認する順番

先述した通り、エンジントラブルは様々な要因で起こります。

電装品に異常はないのにエンジンがかからないならセルの故障、セルも異常がなければガス欠、燃料が十分あるなら燃料ポンプ、という順にチェックするようにしましょう。

また、電装品に異常が見られ、表面上はバッテリー上がりのようでも実際には根本的にオルタネーター(発電機)が壊れていることもあります。この場合は、バッテリーを回復させると一時的に復旧するものの、またすぐにバッテリー上がりの状態になるでしょう。

まとめ

  • ①エンジンがかかりにくい場合の最も多い原因は「バッテリー上がり」
  • ②ただし原因がバッテリー上がりとは限らず、素人が原因を正確に見極めるのは難しい
  • ③バッテリー上がりの原因は、本体の寿命・過放電・バッテリー液の不足など
  • ④有効な対処法は、バッテリーを新品に交換すること・充電すること
  • ⑤新品のバッテリーの価格は車種などにより数千~数万円と差が大きい
  • ⑥バッテリー交換は危険が伴うので、専門業者に任せるのがベスト
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ