車のメンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2024.01.02
車のエンジンがかからない!?トラブルの原因と対処法を解説
日頃の通勤やドライブ時に、突然、車のエンジンがかからなくなってしまったら……。慌てずに状況を確認し、適切に対処すればトラブルが大きくなるのを防ぐことができます。
今回は車のエンジンがかからなくなってしまった場合に、どういった箇所を確認すべきなのか、どういった故障が考えられるのか?などを解説いたします。
車のエンジンがかからない理由は、人為的ミスか車の故障のどちらか
車のエンジンがかからなくなった場合、その理由は人為的ミス(ヒューマンエラー)か、車の故障かのどちらかに分類されます。
一度深呼吸をして、心を落ち着かせ、まずは運転席に座った状態でエンジンの始動手順や車の状態を、一つ一つ確認していくようにしましょう。
【人為的ミス】エンジンの始動手順を確認する
エンジンがかからない原因について、エンジンの始動手順を改めて確認することで人為的ミスがあったことに気付き、解決することも少なくありません。
エンジンの始動に必要な操作を思い出しながら、下記の5項目をひとつずつ確認していきましょう。
1.シフトの確認
AT車(オートマチック車)の場合、シフト位置が「P(パーキング)」に確実に入っているかを確認してください。AT車の場合、「P(パーキング)」「N(ニュートラル)」以外になっているとエンジンがかかりません。
殆どの方は、駐車をする際にはシフトを「P(パーキング)」に入れますが、まれに「D(ドライブ)」に入れたままエンジンを切ってしまうことがあるので、まずはシフトが「P(パーキング)」に入っているかをチェックしましょう。
「N(ニュートラル)」でもエンジン始動は可能ですが、エンジン始動後に勝手に動き出す危険があります。まずシフトを「P(パーキング)」に入れてから確認するようにしましょう。
2.ハンドルロックの確認
ハンドルロックによって、エンジンがかけられない状態になっていることがあります。
ハンドルロックというのは盗難防止機能のひとつで、始動キーがない状態でハンドルを動かそうとすると、ハンドルが固定されて操作できなくなります。
ハンドルロックは、ハンドルを回しながら、キーを回すかエンジン始動のボタンを押すことで解除することができるので、ハンドルロックがかかっている可能性がある場合は試してみましょう。
3.ブレーキやクラッチ操作の確認
AT車では、ブレーキペダルを踏み込んだ状態でなければエンジンがかかりません。
また、MT車(マニュアル車)の場合は、クラッチペダルを踏み込んだ状態でなければエンジンがかからない車があります。
それぞれのペダルの踏み込みが甘い場合も同様に、エンジンがかかりませんので、一度ペダルをしっかり踏み込んだ状態でエンジンをかけてみましょう。
なお、プッシュスタート式の車の場合では、ボタンを押すタイミングがブレーキペダルを踏み込むよりも早かったためにエンジンがかからないことも多いようです。操作ミスが起こらないよう、エンジンの始動手順を一つ一つおこなってみましょう。
4.電子キーの電池切れ
近年普及しているスマートキーやインテリジェントキーを使用している場合、これらの電子キーの充電切れによるエンジン始動不良が考えられます。
電池切れを起こしてもエンジンをかける方法はありますが、メーカーによって手順が異なります。取扱説明書を読んで対応しましょう。
5.燃料の確認
ガソリンや軽油などの残燃料、電気自動車の場合は充電量を確認しましょう。ガス欠・充電切れになっているとエンジンがかかりません。
ロードサービスや近隣のディーラーなどに連絡して救援してもらい、燃料補給を行いましょう。
ガス欠や充電切れを起こさないためには、早めの給油・充電を心掛けるのが大切。ご自身の車がどれくらいの燃費性能なのか、把握しておきましょう。
【車の故障】バッテリー上がりの可能性を確認してみる
故障によって車のエンジンがかからない場合、まずはじめに確認すべきなのは、バッテリー上がり(過放電バッテリー)になっていないかどうかです。
JAFが2021年に調査した結果によると、このバッテリー上がりが車の故障の原因として一番多いものとされており、バッテリーが上がると、エンジンをかけることができません。
バッテリー上がりになっていないかの確認方法としては、まずエンジンキーを挿入し、ACCまたはONの位置まで回してみましょう。
キーを回してもメーター内パネル表示が点灯しない場合や、エンジンが鈍くキュルキュルと鳴るがかからない場合、そもそもキーをエンジン始動まで回してもカチカチと鳴るだけで全く反応しない場合などは、バッテリー上がりの可能性があります。
また、エンジンが始動せず、ライトやパワーウィンドウは作動するという場合は、バッテリー以外に原因があると考えられます。
プッシュスタート式の車では、スタートボタンを1回押してみましょう。操作後にメーター内パネル表示が点灯しない、ライトやパワーウィンドウが作動しないようであれば、バッテリー上がりが原因と考えられます。
バッテリー上がりの原因と対処方法
バッテリー上がりが起きる原因としては、バッテリーの寿命、ヘッドライトやルームランプの消し忘れなどによるものがあります。思い当たるものがある場合は、そのままバッテリー上がりとして対応しても良いかもしれません。
バッテリー上がりへの対処法としては、通常走行が可能な車(救護車)と自身の車をつなぐブースターケーブルを利用することによって、バッテリー上がりを一時的に回復させるジャンピングスタートと呼ばれる方法が一般的です。
ただし、しっかりとバッテリー上がりであることを確認した上で、的確な対応をしなければならないので、対応に関して自信がない場合は、JAFなどのロードサービスを活用して対応することをおすすめします。
バッテリー上がりに似た故障として
他にはオルタネーターやセルモーターの故障が考えられます。どちらもエンジンを作動させるモーターで、故障であると車も動かなくなってしまう可能性があります。故障の予兆としては、警告灯が点滅する、異音が発生する、電気系統に異常が発生するなどが考えられます。
バッテリー以外の原因で考えられるもの
エンジンオイル不足やエアクリーナーの詰まりなども原因として考えられます。エンジンオイルが不足すると、異音がしたり、加速が鈍ったりするようになります。最悪の場合は、エンジンがかからなくなるだけでなく、エンジンを交換しないといけないかもしれません。
他には、エアクリーナーの詰まりが考えられます。エアクリーナーには、エンジン内部にゴミを吸い込まないようにする役目があります。詰まりが発生すると、エンジン性能が低下したり、動くまで時間がかかったりするようになります。メンテナンス自体は簡単で、掃除機をかけたり、軽く叩くだけでできます。
普段から簡単にできる車のメンテナンス方法&準備しておきたい用品
「突然エンジンが、かからない」を少なくするために、また実際にエンジン始動不良の際に、自分自身でエンジンスタートを可能にするために、日ごろからできるメンテナンスや準備方法をご紹介します。
洗車と一緒に車のチェックをおこなう
普段皆さんは、洗車を定期的にするでしょうか?洗車をされる方は、その際にチェックを一緒におこなうのがおすすめ。
エンジンオイル量・劣化のチェック、バッテリー使用期間のチェック、バッテリーターミナルの緩みチェックなどを洗車に併せて行うと良いでしょう。
日ごろ洗車をされない方は、ディーラーなどに洗車をしてもらうようにして、その際に無料点検を定期的に受けておくと一石二鳥です。日ごろから、定期的にチェックや整備をすることで、エンジン不動を未然に防げ、実際にかからなくなってしまったときの原因追究もしやすくなります。
万が一のトラブルに備える便利アイテム
万が一エンジンがかからなかった時のことを見越して、対応するための用品を備えておくことも大切な対策です。
準備しておくと良いものをいくつかご紹介します。
ブースターケーブルやジャンプスターター
ブースターケーブルは、バッテリー上がりの際に、周りの車に救援してもらえる必須アイテムです。カー用品店などで手軽に購入できます。
また最近では、いろいろなものが充電可能(スマホやゲームなど)な小型ジャンプスターターも販売されていますので、用意しておくと非常に便利です。
電子キーの予備電池
電子キーの電池は、特殊品番(量販店などで扱っていない)のものが多いです。事前に在庫を1個持っておくといざというときに役立ちます。また電池切れの際にもエンジンスタートできる方法が、取扱説明書に記載してあります。一度読んでおくと安心でしょう。
ロードサービスと契約しておくのも手段のひとつ
JAFや自動車保険、自動車メーカーのロードサービスに加入しておくのも一つの手です。走行中に車が止まった際に、救援にかけつけてくれます。チェック、修理作業、レッカー作業を行ってくれるので、万が一に備えて契約しておくのがおすすめです。
また、トラブル発生に備えて、ご自身の利用可能なロードサービス連絡先がわかるように、名称や電話番号等をメモして、スマホのアドレス帳に登録したり車のダッシュボードなどに入れておくと良いでしょう。
まとめ
皆さんが、「突然エンジンがかからない」という状況に陥ったら、最初はパニックになってしまうかもしれません。一番大事なのは、そんな中でも慌てないことが大事です。まずは、落ち着いて原因を探っていきましょう。
その結果エンジンがかかれば良いのですが、いろいろ考えても原因がわからない場合は、ロードサービスなどを利用するのが一番良いと考えます。