コーティング・クリーニング
更新日:2023.06.30 / 掲載日:2023.06.30
車にはコーティングが不可欠! 種類や料金、業者の選び方を完全解説

車のボディやガラスにコーティングをすると、傷や汚れから保護され、美しさを維持することができます。
この記事では、車のコーティングに関する基本的な知識から、各種コーティングの特徴、業者の選び方までを解説します。
1.コーティングとは
(1)コーティングとは
コーティングとは、車のボディやフロントガラスに、特殊な液剤を塗布する施工方法です。コーティングをすると、ボディのツヤを長期的に維持できる、傷がつきにくくなる、汚れが落ちやすくなるので洗車が楽になる、などのメリットがあります。
コーティングはポリマーコーティング、フッ素コーティング、ガラスコーティングなどさまざまな種類があり、それぞれの特徴に応じて、車の使用環境や使用頻度に合ったタイプを選ぶことが重要です。
(2)コーティングとワックスの違い
車の外装を保護するための方法として、コーティングのほかにワックスがあります。コーティングは特殊な材料で車の表面を保護する方法で、ワックスは塗装表面に蝋(ろう)で膜を作る方法です。
コーティングは耐久性が高く、車の表面にピッタリと密着し、長期間効果が持続します。ただ、塗布には技術が必要となり、基本的には専門店に依頼するため、ワックスと比較するとコストが高くなります。
一方、ワックスは塗装面を保護するための薄い膜を作るため、外部からのダメージに対してはある程度の防御力がありますが、耐久性や効果の持続時間が短いのが欠点です。ただ、比較的手軽に取り扱えるため、DIYで塗布することもでき、コストがおさえられるメリットがあります。
(3)コーティングの流れ
一般的なコーティングの流れは、以下の通りです。
1. 車両の洗車
まずは車をきれいに洗います。このとき、洗浄剤による塗装面へのダメージを最小限に抑えるため、プロが使用する専用の洗剤を使うのが一般的です。
2. 塗装面の処理
車にはブレーキダスト(鉄粉)や鳥の糞、水垢などもついています。これらは洗剤だけでは落ちないため専用の道具を用います。鉄粉は鉄粉除去剤、水垢などは酸性のクリーナーで落とすのが主流です。専用の道具には、クレイバーと呼ばれる粘土状のクリーナーもありますが、これは鉄粉の固着がひどく表面の磨きを前提とする場合に用いられます。
3. 下地処理
塗布する前に、ポリッシャーを使って表面をきれいにします。この工程で、落としきれなかった油脂分の除去処理も行われます。
4. コーティング剤の塗布
下地処理が終わると、いよいよコーティング剤が塗布されます。コーティング剤は、ガラスコーティング、ポリマーコーティング、セラミックコーティングなどがありますが、それぞれ異なる特性があります。
5. 硬化・仕上げ
コーティング剤を塗布した後は、密室で乾燥させて硬化させます。硬化の時間は、使用するコーティング剤や気温・湿度によって異なります。硬化が終わったら、塗り残しなどを確認します。
2.コーティングのメリット
車にコーティングを施すことには、以下のようなさまざまなメリットがあります。
(1)車の美観を保つことができる
コーティングをすると細かなキズからはもちろん、強い紫外線や酸性雨、塩分などの外的要因による塗装面の変色を防いでくれます。それによって、新車のような美しい輝きを長期間キープできます。
(2)拭き取りやすく洗車の手間が省ける
コーティングには撥水効果があるため、雨シミや泥汚れなどが付着しにくくなります。もし付いたとしても簡単に拭き取れるので、洗車の手間や時間を大幅に短縮できます。
(3)売却するときの査定額が上がりやすくなる
コーティングをしておくと、傷や汚れがそれほどついていない状態で売却できます。売り物にするためのメンテナンスの手間が減るので、その分査定額が上がりやすくなります。
3.コーティングの種類
コーティングには、以下のような種類があります。
1. ポリマーコーティング
2. フッ素コーティング
3. ガラスコーティング
4. ガラス系コーティング
5. セラミックコーティング
順に解説します。
(1)ポリマーコーティング
ポリマーコーティングは、ポリマー樹脂の薄い膜で車を覆う技術です。
ポリマーコーティングの主なメリットは、安価で、施工時間が短い点です。ワックスよりも耐久性、持続時間ともに優れています。最近ではスプレータイプのコーティング剤も販売されているため、自分で施工することも可能です。
一方で、ポリマーコーティングは、熱や紫外線に弱い点が挙げられます。また、本格的な汚れや傷にはあまり耐性がなく、油性系の汚れがつきやすいなどのデメリットもあります。
(2)フッ素コーティング
フッ素コーティングは、フッ素樹脂の膜で車を覆う技術です。
フッ素コーティングのメリットは、水のはじき具合がよく、撥水性にも優れている点で、施工すれば雨や水たまりの中を走行しても車体が汚れにくくなります。またガラスにも施工できるため、フロントガラスの撥水性向上にも役立ちます。
一方、デメリットとして膜自体がやわらかいため、傷つきやすい点が挙げられます。洗車時に使用するカーシャンプーに研磨剤などが含まれていると、被膜がすぐに傷んでしまいます。他にも衝撃に弱い、持続時間が短いなどの欠点もあります。
(3)ガラスコーティング
ガラスコーティングは、車の外装をガラス成分100%の保護膜で覆う方法です。
メリットとして、他のコーティングよりも耐久性や撥水性、耐スクラッチ性(小さな傷への耐性)に優れている点が挙げられます。また、持続時間が長い、ツヤが出る、汚れがつきにくいなども特徴です。
一方、施工に時間がかかる、費用がかかるなどのデメリットがあります。
(4)ガラス系コーティング
ガラスコーティングと似たようなコーティングに、ガラス系コーティングがあります。
ガラス系コーティングは、ガラスコーティングのように無機物のコーティング剤ではなく、フッ素やシリコンといった有機物が含まれたコーティング剤が用いられます。耐久性・持続時間はガラスコーティングに劣りますが、その分、費用が安いのが特徴です。
(5)セラミックコーティング
セラミックコーティングは、最近注目を集めているコーティングの一つです。
金属・酸素・窒素・炭素の化合物で形成されたコーティングで、耐久性に優れているのに加えて、光沢をもたらすメリットがあります。また、塗布面についた小さな傷が熱によって消える自己修復性能がある、重ね塗りすることで耐スクラッチ性を高められる点も、他のコーティングにはない特徴です。
一方、セラミックコーティングは、他のコーティングに比べて高価というデメリットがあります。また、重ね塗りができますが、それによってムラが生じやすくなる点にも注意が必要です。
(6)各コーティングの比較表
以下は、ここまでで紹介したコーティングの持続時間・料金・施工時間の比較表です。
種類 | 特徴 | 持続時間 | 料金 | 施工時間 |
---|---|---|---|---|
ワックス | ・手軽に取り扱える ・効果時間が短い |
1週間 | 1,000〜2,000円 | 1時間 |
ポリマーコーティング | ・安価で施工時間が短い ・本格的な汚れや傷にあまり耐性がない |
1~3ヶ月 | 1〜3万円 | 3時間 |
フッ素コーティング | ・撥水性に優れている ・傷への耐性が低い |
1~3ヶ月 | 3万円〜 | 3時間 |
ガラスコーティング | ・耐久性や撥水性に優れている ・高価で施工時間が長い |
3~5年 | 7〜12万円 | 10時間 |
ガラス系コーティング | ガラスコーティングより性能は劣るものの、その分安く済む | 6ヶ月 | 5〜7万円 | 5時間 |
セラミックコーティング | ・耐久性に優れている ・塗布面に光沢をもたらす ・高価で施工時間が長い |
5~7年 | 15〜20万円 | 1日 |
なお、持続時間や料金については、実際に用いられるコーティング剤の種類や塗布面の状態、車の大きさ・形状、業者によって異なります。
また施工時間に関しては、上記で紹介した「コーティングの流れ」の下地処理が簡易的に終わる場合の時間であり、状態によっては+アルファの時間が必要です。
いずれにしても、必ずしも上記の表に当てはまるとは限らないため、あくまで参考としてください。
4.コーティングをしてくれる各種業者とその特徴
車のコーティングは、専門的な技術が必要になるため、業者に依頼するのが一般的です。
車のコーティングを施す業者は、カーショップやカーディーラー、コーティング専門店、ガソリンスタンドなどがあります。各業者の特徴は以下のとおりです。
(1)カーショップやカーディーラー
カーショップやカーディーラーは、車のメンテナンスやカスタマイズのサービスを提供しており、新車もしくは中古車販売時に車のコーティングを行っています。店舗数が多いため、依頼しやすい業者と言えるでしょう。
ただし、施工技術や使用するコーティング剤に関しては、専門店に比べると劣ることがあります。
(2)コーティング専門店
コーティング専門店は、使用中の車を再コーティングするときに利用するケースが多い業者です。コーティングに関する高い技術と豊富な実績を持っているため、安心して利用できます。
ただし店舗数が限られているため、施工までに予約が必要な場合が多く、時間的余裕を持って準備する必要があります。また、施工時間が他の業者よりもかかりやすいデメリットもあります。
(3)ガソリンスタンド
ガソリンスタンドのなかにも、車のメンテナンスサービスの一環として、コーティングを提供しているところがあります。施工時間が比較的短いため、気軽に依頼できるのがメリットです。
一方で、スタッフの経験やスキルによって仕上がりが左右されるため、依頼する前にきちんと相談して、大丈夫そうか判断することが求められます。
5.コーティングを業者に依頼するときに知っておきたいこと2つ
コーティングを業者に依頼するときに、知っておきたいポイントを3つご紹介します。
(1)業者選びの仕方
コーティングの業者を選ぶときは、その業者が信頼できるか見極めることが重要です。以下のポイントをチェックしながら、複数の業者を選定しましょう。
1. 施工実績の確認
業者のホームページやSNSなどで、過去に行った施工実績を確認しましょう。特に、自分の車種に合わせた施工例があるか確認することが大切です。
2. 評判や口コミの確認
業者がどのような評価を得ているかを、ネット上の口コミやレビューサイトで確認することも必要です。
例えば、SNSであれば、InstagramやTwitterなどで業者の投稿を見たり、ハッシュタグ検索をしたりすると、施工前後の写真や顧客からの感想を見ることができたりします。
3. 施設や設備の確認
業者の施設や設備も、信頼性の一つの指標になります。施設内が整理整頓されているか、必要な設備が揃っているかなどを確認してみましょう。また展示車や代車があれば、それがきれいな状態かも見ておくことをおすすめします。
4. スタッフの質の確認
施工を行うスタッフの質も、業者選びには欠かせません。スタッフの技術や知識、対応力などを相談時に確かめてみるとよいでしょう。こちらの意図を汲み取り的確にアドバイスしてくれる、専門的な用語を一般の言葉に置き換えて説明してくれるスタッフは質が高いと言えます。
また、施工中のスタッフを見かけたときは、着ている服がつなぎだったらファスナーが隠れているか、ベルトなどをしていないかなども見極めるポイントになります。該当する場合は、依頼主の車に配慮ができる業者である可能性が高いでしょう。
(2)見積もりの取り方
複数の業者を選定したら、それぞれの業者から見積もりを取ります。
見積もりを取るときは、業者のホームページから問い合わせたり電話したりして、業者の担当者に現車確認(実際に車両の状態を確認)してもらうのが一般的です。
業者によっては、ホームページで見積もりを依頼できる場合があります。必要事項を入力して送信するだけで見積もりをもらえるので手軽です。ただし、車を直接見てもらっていないため、いざ依頼することになったときに大きく異なる金額が提示されることがあります。
他にも、一部の業者では、無料診断サービスを実施しているので、そちらを利用するのもおすすめです。
また、見積もりを取る際は、公平に比較できるように以下の内容も確認しましょう。
・施工内容
・使用するコーティング剤
・施工時間
上記のポイントをおさえつつ見積もりを取って比較すると、自分に合った業者を選ぶことができます。
6.コーティング後のメンテナンス方法
車のコーティングを長持ちさせるには、こまめに洗車し、洗車が終わったらその都度マイクロファイバーのタオルなどで水気をしっかり拭き取ることです。
洗車というと、ガソリンスタンドにあるような自動の洗車機が思いつきますが、洗車機は汚れた他の車を洗ったブラシで洗うので、ブラシに砂などが残っていれば傷(洗車傷)の原因になります。
洗車が面倒で花粉や黄砂の時期でも汚れを長期間放置してしまう人や、多少の傷は気にならないからとにかく汚れを落として水の弾きだけは維持したい人は、むしろ洗車機を使ったほうが楽かもしれません。ただ、洗車傷もつけたくないという人は、面倒でもスポンジを使って、こまめに手洗いすることをおすすめします。
また、コーティング剤によっては、定期的に塗布するとその効果が持続する専用のメンテナンス剤があります。過剰な使用は逆効果になるため注意が必要ですが、業者に聞いて、あれば使ってみるのもよいでしょう。
他にも、屋内駐車やカーコーティングシートを使い、車体が紫外線や酸性雨に長時間さらされないようにするのも有効な方法となります。
7.コーティングに関してお困りならグーネットピットにお問い合わせください
車のコーティングをするときは、どの業者に依頼するかが重要なポイントです。
業者を選ぶ時間がない、信頼できる業者にお願いできるか不安……という人は、ぜひグーネットピットにお問い合わせください。車のメンテナンスに関して知識豊富なスタッフが的確なアドバイスをいたします。