コーティング・クリーニング
更新日:2023.11.27 / 掲載日:2023.11.27
塗装とコーティングの違いは?車の保護に役立つ基本知識を徹底紹介

車体を保護する方法として、塗装とコーティングの2種類があります。この記事では、それぞれの違いについて詳しく解説します。
結論から言えば、車のボディをしっかり保護したい場合は、塗装されたボディにコーティングをすることです。コーティングの種類やコーティングをする方法についても説明しますので、愛車の美しさを守るための一助としてください。
1. 塗装とコーティングの違い
車のボディを保護する方法には、塗装とコーティングがあります。これらには、以下のような違いがあります。
(1) 塗装の特徴
車体の表面に塗料を塗り、層を形成することで車のボディを保護します。その目的は、車体の金属部分が酸化するのを防ぐためです。塗装がはがれてきたら、塗り直しをすることで保護機能を維持できます。なお、車によっては最初から何層も形成するケースもあります。
(2) コーティングの特徴
コーティングとは、車体に特殊な「保護膜」を形成する工程のことを指します。塗装された車体に上がけする形で行うのが一般的です。ボディ以外に、ヘッドライトやホイール、ウィンドウガラスにすることもあります。
コーティングには、主に次のような保護機能があります。
1.車体や塗装へのダメージの軽減
コーティングは、砂や泥による汚れ、スクラッチや石ころなどによる小さな傷、塩分による腐食から車体を守ります。また、紫外線や酸性雨による塗装の剥がれや色褪せを防ぎます。
2.汚れの固着防止
コーティングをすると、車体の表面が滑らかになります。それによって、鳥のフンや樹脂、花粉などが固着しにくくなります。
3.水滴の排除
高品質のコーティング剤は撥水性に優れており、塗装面から水滴がすぐに流れ落ちるようになります。これによって、降雨や洗車によって水滴がつき、それが乾燥した後に残る水アカや塩分の堆積を防ぎます。
これらの効果を通じて、コーティングは車体へのダメージを最小限に抑え、車の美観を長期間維持する役割を果たします。付着した汚れも簡単な洗車で落ちるので、日頃のメンテナンスが楽になるのも大きなメリットです。
また、コーティングをすると、車体がより艷やかになるのも特徴として挙げられます。
(3) 【結論】車をしっかり保護したいならコーティングが必要
塗装とコーティングの違いを表にまとめると、以下のとおりです。
塗装 | コーティング | |
---|---|---|
特徴 | 塗料を塗ることで車体を保護。重ね塗りをして何層も膜をつくることもある | 特殊な「保護膜」を形成。塗装の上から行うのが一般的 |
保護機能 | 防錆効果 | ・車体や塗装へのダメージの軽減 ・汚れ固着防止 ・水滴の排除 |
そのほか | 車体に色をつけることができる | ・日頃のメンテナンスが楽になる ・車体がより艶やかになる |
塗装もコーティングも、車を保護する機能を持っています。ただ、塗装による保護は限定的です。
また、コーティングは砂や泥による汚れ、スクラッチや石ころなどによる小さな傷、紫外線や酸性雨に強い一方、塗装はこれらに弱く、すぐにダメージを受けてしまいます。塗装がダメージを受け、劣化すれば、車体にも影響が及びます。
車体をしっかり保護したいのであれば、塗装の上からコーティングをすることをおすすめします。
2. 車のコーティングには複数の種類がある
車のコーティングにはいくつか種類があります。コーティングをするときは、愛車の使用環境などから自分に適したタイプを選ぶことが大切です。
車のコーティングには主に以下のものがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
ポリマーコーティング | ポリマー樹脂によるコーティング。ワックスよりは耐性があるものの、本格的な汚れや傷にはやや弱め。持続期間は約1週間 |
フッ素コーティング | フッ素樹脂によるコーティング。撥水性に優れている一方、傷への耐性は低い。持続期間は1~3カ月 |
ガラス系コーティング | 保護膜の原料の一部にガラス成分が含まれているコーティング。下記のガラスコーティングより性能は劣るものの、その分安いコストで済む。持続期間は約6カ月 |
ガラスコーティング | 100%ガラス成分の保護膜を形成するコーティング。耐久性や撥水性に優れている一方、施工に費用や手間がかかる。持続期間は3~5年 |
セラミックコーティング | 金属や酸素などの化合物を主成分とする保護膜を形成するコーティング。耐久性に優れているほか、小さな傷であれば熱で消せる自己修復性能なども有している。ガラスコーティングよりも施工に費用や手間がかかるのが難点。持続期間は5~7年 |
基本的に、表の下にいくほど性能が優れていますが、その分、施工に費用や手間がかかります。
そのため、使用環境や保管状況によって選ぶことが大切です。
例えば、週末に少しだけしか使わない人はポリマーコーティングやフッ素コーティング、車通勤など日頃から車によく乗る人はガラス系コーティングが適しています。
また、屋根付きの車庫などに車を保管している人は、普段から汚れがつきにくいため、ポリマーコーティングやフッ素コーティングでも効果を長持ちさせられます。逆に屋外に保管している人は、塗装面が酸性雨や紫外線のダメージを受けやすいため、保護膜が硬く長期間効果が持続するガラスコーティングがおすすめです。

3. 車にコーティングする方法
最後に、車にコーティングをする方法とポイントをご紹介します。
(1) 自分で材料・道具をそろえてコーティングする
①自分でコーティングするときに必要な材料・道具
自分で車をコーティングする際には、以下の材料と道具が必要です。
1.洗車用の道具
洗車用のボディシャンプーやスポンジ、ファイバークロス、バケツなどです。
2,下地処理用の道具
除去剤:洗車で落としきれなかった汚れを落とし、コーティング前の下地を整える専用の道具(鉄粉除去剤、スクレイバー、油膜除去剤、イオンデポジット〈水垢〉除去剤)です。
研磨剤:洗車や除去剤で取り除けなかった汚れを取りつつ、塗装面の細かい傷を消し、コーティングした際の光沢感をより出すために使います。新車へのコーティングの場合は不要です。
脱脂剤:保護膜が塗装面に密着するように、塗装面の油分を除去する道具です。
3.コーティング用の道具
コーティング剤:フッ素コーティングやガラス系コーティングなどがあります。ご自分の予算と目的に適した種類を選びましょう。
スポンジ:コーティング剤を塗り込むために必要です。
マスキングテープ:塗装面以外を保護するために使用します。
手袋:手肌を保護するために使用します。
②自分でコーティングをするときの手順
自分で車のコーティングを行う手順は以下の通りです。
1.まずは車をきれいに洗車します。目に見えない汚れまでしっかりと落とすことが重要です。
2.洗車後、下地処理を行います。落としきれなかった汚れを専用の道具(鉄粉除去剤やイオンデポジット〈水垢〉除去剤、スクレイバーなど)を使って取り除いたり、脱脂剤を塗り込んだりしていきます。
3.コーティング剤を塗布します。塗り残しがないよう注意しましょう。逆に厚く塗りすぎるとムラの原因になりますので、塗りすぎにも注意が必要です。
4.最後に乾燥させます。完全に乾くまで触らないことが肝心です。
以上が車のコーティング手順となります。各道具の説明をよく読み、慌てずに作業を進めていきましょう。
なお、施工後は定期的に洗車やメンテナンス剤を塗布することで、コーティングの効果を長く保てます。コーティングのメンテナンスについては、下記をご覧ください。

(2) 業者にコーティングを依頼する
コーティングを業者に依頼する際の費用と施工時間は、以下のとおりです。
種類 | 料金 | 施工時間 |
---|---|---|
ワックス | 1,000〜2,000円 | 1時間 |
ポリマーコーティング | 1〜3万円 | 3時間 |
フッ素コーティング | 3万円〜 | 3時間 |
ガラスコーティング | 7〜12万円 | 10時間 |
ガラス系コーティング | 5〜7万円 | 5時間 |
セラミックコーティング | 15〜20万円 | 1日 |
ただし、使用するコーティング剤や車の大きさ・塗装面の状態、業者によって変わるため、上表の数字は参考程度としてください。
業者選びでは信頼できる評判や実績をもとに選ぶことをおすすめします。
また、依頼前にコーティングが施された後のメンテナンス方法についても確認しておきましょう。業者ごとに推奨するメンテナンス方法が異なるため、具体的な手順や周期を理解しておくと車の美観性を長く保つことができます。
コーティングの業者に関して、下記でも詳しく解説しています。

4. 車の保護に関するご相談ならグーネットピットにお問い合わせください
塗装とコーティングには、保護機能に明確な違いがあります。愛車にいつまでも美しい状態でいてほしいのであれば、コーティングをぜひ前向きに検討してみてください。
もし、自分でコーティングの施工作業をするのに自信がなかったら、専門の業者に依頼することをおすすめします。
グーネットピットでもコーティングをはじめ、車の保護に関して専門知識を有するスタッフが在籍しています。お近くに弊社の整備工場がありましたら、お気軽にご相談いただけたら幸いです。