コーティング・クリーニング
更新日:2024.06.17 / 掲載日:2023.12.28

撥水コーティングとは?特徴とメリット、おすすめコーティング剤を紹介

撥水(はっすい)タイプのコーティング剤は水を弾く性質があるため、水がかかると、水が球状となり、コロコロと転がりながら落ちていきます。ほかには疎水(そすい)タイプや親水(しんすい)タイプがあり、それぞれ特徴が異なります。

この記事では、撥水コーティングの特徴とほかのタイプとの違い、メリット・デメリットを詳しく解説します。自動車整備士がおすすめする、撥水コーティング剤5選も紹介していますので、コーティング剤を探している人はぜひご覧ください。

1.撥水コーティングとは?

水の弾き方には、「親水(しんすい)」「疎水(そすい)」「撥水(はっすい)」の3種類の水弾きタイプがあります。水弾きタイプは、塗装面と水滴の接触角度によって分けられます。

(1)撥水コーティングとは

撥水コーティングとは、水を弾く性質があるコーティングのことです。撥水コーティングをした塗装面に水がかかると、水玉になってコロコロと流れ落ちていくのが特徴です。

水玉が流れ落ちるときに、塗装面についた汚れも一緒に流してくれるため、塗装面をきれいな状態に保ちやすくなります。また、防汚性も高いため、塗装面が汚れにくいといった特徴もあります。

なお、撥水コーティングには、低撥水、高撥水、超撥水の3種類があり、撥水性が高いものほど、水を弾く力が強まります。

(2)親水タイプ、疎水タイプとの違い

撥水コーティング以外の水の弾き方には、親水コーティングと疎水コーティングがあります。とくに、撥水コーティングは親水コーティングと比較されるケースが多くあります。

親水タイプや疎水タイプとの違いは以下のとおりです。

水弾き親水タイプ疎水タイプ撥水タイプ
特徴・塗装面と水が馴染みやすくなる
・塗装面に水がかかると、水がまとまりながら流れていく
親水と撥水の中間タイプ・塗装面が水を弾きやすくなる
・塗装面に水がかかると、水が球状となり、塗装面を転がりながら落ちていく
接触角度40度以下40〜90度90度以上

親水タイプは塗装面にかかった水滴が、平たい膜のようにまとまりながら流れていきます。撥水タイプとは異なり、水滴が球状になりづらく、塗装面に馴染みやすいのが特徴です。塗装面と水滴の接触角度が40度以下の場合、親水タイプに分類されます。

撥水タイプは塗装面にかかった水滴が球状になり、コロコロと流れるのが特徴です。親水タイプのように塗装面に馴染むのではなく、塗装面は水を弾きやすくなります。塗装面と水滴の接触角度が90度以上の場合、撥水タイプに分類されます。

疎水タイプは、親水タイプと撥水タイプの中間にあたるタイプです。塗装面についた水滴は親水タイプのように平たい膜となります。しかし、撥水タイプの水弾き効果によって、塗装面をコロコロと流れるように落ちていきます。塗装面と水滴の接触角度が40〜90度の場合、疎水タイプに分類されます。

2.撥水コーティングのメリット・デメリット

撥水コーティングは、その優れた性能により多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットも存在します。

そこで、撥水コーティングをしたときのメリットとデメリットをご紹介します。

(1)撥水コーティングのメリット

撥水コーティングのメリットは以下の3つです。

1.光沢感が出やすい
2.水をかけるだけで汚れが落ちやすい
3.洗車後の水滴を拭き取りやすい

順にご紹介します。

①光沢感が出やすい

撥水コーティングをした塗装面は光沢感が出やすく、コーティングをした車と一目でわかります。

②水をかけるだけで汚れが落ちやすい

撥水コーティングすると、塗装面にかけた水が球状となり、汚れを集めながら流れていくため、付着した汚れが落ちやすくなります。

また雨が降ったときも同様に、汚れが水と一緒に流れるため、ボディをきれいな状態に保てます。

③洗車後の水滴を拭き取りやすい

撥水コーティングの水を弾く性質によって、コーティングされた塗装面は水を弾くため、水滴を拭き取りやすくなります。

(2)撥水コーティングのデメリット

撥水コーティングには多くのメリットがある一方、ウォータースポットやイオンデポジットなどがつきやすいというデメリットがあります。

イオンデポジットとは、洗車時の水道水や雨などの水分が蒸発し、不純物だけがボディに残り白いシミとなったものです。

また、ウォータースポットとは、イオンデポジットが進行し、塗装内部にまでシミが侵食され塗装が窪んだ状態をいいます。

これらは、太陽の光が塗装面についた水に当たることが原因です。球状となった水がレンズの役割をするため、ウォータースポットやイオンデポジットが発生します。

イオンデポジットの場合、専用の溶剤で落とせますが、ウォータースポットにまで進行すると研磨剤で除去しなければいけません。

とくに黒色など濃色車の車は、太陽光の熱で塗装面の温度が上昇しやすく、イオンデポジットやウォータースポットが発生しやすいので注意が必要です。

3.撥水コーティングがおすすめな人

撥水コーティングは、以下に当てはまる人におすすめです。

・屋内駐車場に停めている人
・定期的に洗車できる人
・水滴を放置せずに拭き取りができる人
・白色など薄い色の車の人

これらに該当する人は、撥水コーティングした状態を長く保てるでしょう。積極的に検討してみてください。

逆に以下に該当する人は、撥水コーティングが原因でイオンデポジットやウォータースポットが発生しやすいので注意が必要です。

・青空駐車など直射日光を受けやすい人
・車を乗る頻度が週に1〜2回しかない人
・黒色など濃色系の車の人

4.おすすめの撥水コーティング剤5選

現役自動車整備士がおすすめする、コーティング剤5選をご紹介します。

(1)CCウォーターゴールド プレミア|プロスタッフ

出典:CCウォーターゴールド プレミア|Amazon

CCウォーターゴールド プレミアは、ガラス系ツヤ成分を濃縮し、圧倒的な光沢と高い撥水性を実現。ボディにスプレーして付属のクロスで拭くだけで高い艶感と高撥水感が得られます。またボディ以外にもヘッドライトやホイール、ダッシュボードなどにも使えます。

(2)ピカピカレインPREMIUM|ピカピカレイン

出典:ピカピカレインPREMIUM|Amazon

ピカピカレインPREMIUMは、たった1度の施工で3年間耐久する撥水系のガラスコーティング剤です。高級感のある濡れたような艶を実現し、傷や汚れから愛車を守ります。またウォータースポットに強く、黄砂や鳥のフンなど汚れも簡単に除去できます。初めての方でも失敗しないように硬化速度が考慮されており、塗って拭くだけの簡単施工です。

(3)阿修羅プレミアムエディション|ながら洗車

出典:阿修羅プレミアムエディション|Amazon

阿修羅プレミアムエディションは、天然ワックスレベルの水弾きと光沢感を実現したコーティング剤です。簡単施工でムラができにくく、失敗もしにくいので初心者にもオススメです。付属の下地処理剤を使用することで、より美しい仕上がりと水弾きを実現します。

(4)ルックス レインコート|呉工業

出典:ルックス レインコート|呉工業

ルックス レインコートは、ボディに光沢感のある深いツヤと驚異の撥水性を与えるコーティング剤です。施工方法はとても簡単で、洗車後濡れたボディにスプレーし、付属のクロスで拭きあげればOK。防汚効果も高く、施工後は水洗いのみで汚れを落とせます。価格も安いため「楽に、早く、安く」ボディコートをしたい人にはオススメです。

(5)ゼロプレミアム|SurLuster

出典:ゼロプレミアム|Amazon

ゼロプレミアムは、高い撥水性と深みのある光沢を出すガラス系コーティング剤です。施工後は汚れがつきにくく、ついた汚れは洗車だけで簡単に落とせます。また、ボディだけでなく内装パーツや樹脂製のヘッドライトにも施工できます。コーティングは6カ月間持続するので耐久性もあります。

5. 撥水コーティングの施工手順

自分で撥水コーティングを施工するときに必要なものと手順をご紹介します。

(1)必要なもの

撥水コーティングの施工に必要なものは以下のとおりです。

・カーシャンプー
・シャンプー用スポンジ
・イオンデポジット除去剤
・コンパウンド
・脱脂剤
・コーティング剤(撥水タイプ)
・コーティング用クロス
・コーティング用スポンジ
・拭き取り用クロス(シャンプー用、下地処理用、コーティング用)
・ホース(水道水)
・バケツ
・脚立

(2)施工手順

撥水コーティングの手順は以下のとおりです。

①車全体を洗車する

車全体の洗車は、コーティング剤が車に密着するために不可欠な作業です。

まずは、車全体を屋根から、ガラス、ドアやボンネットへ上から下へとホースで水をかけ、付着している汚れや砂などをしっかり落としてください。汚れや砂などが付着したままスポンジで洗うと、汚れや砂が研磨剤となりボディに傷が入る原因となります。

その後、バケツに車用のシャンプーと水を入れよく泡立て、スポンジを使い車全体を洗車します。このとき、力を入れずに、スポンジでボディをやさしく撫でるように洗いましょう。車全体を洗ったら、再度車全体にホースで水をかけ、車にシャンプーが残らないように洗い流します。シャンプーの洗い残しがあると、シミの原因になります。

シャンプーを流したら、拭き取り用クロスでボディの水分を拭きあげましょう。

②下地処理をする

洗車しても落としきれない汚れが残ることがあります。

そのため、車の洗車後は、鉄粉除去剤やイオンデポジット除去剤を使い、塗装面の汚れ(鉄粉や油分など)や水シミを取り除きます。

鉄粉除去剤はボディに吹き付け、鉄粉と反応すると紫色に変わり鉄粉を落とす溶剤です。

また、イオンデポジット除去剤は、水道水や雨が蒸発してボディに白いリング状に残ったシミを取り除く溶剤です。ボディに小傷がある場合は、必要に応じてコンパウンドで磨いてください。

もし、落とし切れない鉄粉や水シミ(ウォータースポット)、またはボディに傷がある場合は、専門業者への相談をおすすめします。

その後、ボディに残っている溶剤を流すため、しっかり車全体を水洗いし拭き上げます。

最後にボディに残っている油分などを脱脂剤で取り除き、ボディを拭き上げてください。

下地処理には、コーティング剤がきちんと定着するための重要な役割があります。水分や油分が残っているとコーティングが定着しないので、マイクロファイバータオルなどを使いしっかり拭きあげましょう。

③コーティング剤を塗布する

塗装面にコーティング剤を塗布します。コーティング剤には、スプレータイプと塗り込むタイプがあるため、それぞれの塗布方法をご紹介します。

スプレータイプの場合、塗装面にコーティング剤を吹き付け、クロスを使って拭き上げていきます。

以下は、おすすめのコーティング用クロスです。

メーカー商品名公式ストア
KeePerキーパークロス「キーパークロス」の購入ページ(楽天市場の公式ストア)
ワコーコーティング拭き取り・仕上げ用クロス「コーティング拭き取り・仕上げ用クロス」の購入ページ

塗り込むタイプの場合、スポンジに適量のコーティング剤をつけ、塗装面に薄く均一に塗り込みます。余分なコーティング剤がついたら、クロスで拭き取ってください。

コーティング剤が途中で乾くとムラになってしまいます。パネルごとに分けるなど少しずつ塗り込み、ひとつのパネルを塗り終えたらその都度拭き上げましょう。

以下は、おすすめのコーティング用スポンジです。

メーカー商品名公式ストア
Holts(ホルツ)コーティングスポンジ MH636「Holts コーティング スポンジ MH636」の購入ページ(Amazonの公式ストア)
洗車の王国コーティングスポンジ 295「洗車の王国 コーティングスポンジ 295」の購入ページ(Amazonの公式ストア)
ながら洗車マイクロファイバーアプリケーター「ながら洗車 マイクロファイバーアプリケーター」の購入ページ(Amazonの公式ストア)

コーティング剤によって施工方法が異なる場合があるので、説明書を確認してから施工してください。

なお、コーティングを施工するときは以下の点に注意してください。

・真夏の昼間や直射日光が当たる場所では避ける
・風が強い日を避ける(ほこりや花粉、黄砂が飛んでくる恐れがある)
・コーティング後は水分に触れさせない

これらは、コーティング剤のムラや硬化不良の原因となり、期待するコーティング効果を得られなくなります。

また、直射日光が当たると、水分がすぐ蒸発し水シミ(ウォータースポット)の原因にもなります。可能であれば屋根付きの下か、曇りの日に施工するとよいでしょう。

6.撥水コーティングを業者に依頼する場合

自分で撥水コーティングを施工する自信がない、時間がない場合は専門業者に依頼することを検討しましょう。

撥水コーティングを業者に依頼した場合の費用相場は、50,000〜150,000円程度です。ただし、業者や使用するコーティング剤、車のサイズなどによって異なります。

なお、業者に依頼するときは、以下の点に注意しましょう。

1. 評判や口コミをチェックしましょう。SNSやレビューサイトを活用し、ほかの顧客の評価を見てください

2. 複数業者から見積もりを取りましょう。業者によって料金体系は異なります。複数の業者に見積もりを依頼し、自分の予算に合っているかを確認してください

3. 保証内容をチェックしてください。コーティング後のアフターサービスや保証内容も重要なポイントです

専門業者に撥水コーティングを依頼することで、自分で施工するより高品質な仕上がりを期待できます。

7.撥水コーティングは定期的にメンテナンスを

撥水コーティング後、長期間その効果を保つためには定期的なメンテナンスが必要です。

どの種類のコーティングも汚れや傷、紫外線や酸性雨などのダメージを受けると、塗装面を保護する力が低下していきます。そのため、コーティングをしたからといって安心せずに、コーティング自体のメンテナンスが重要になります。

具体的な方法については、下記で詳しく紹介していますので、参考にしてください。

8.コーティングに関することはグーネットピットにお問い合わせください

撥水コーティングは水を弾く特性を持つコーティング技術で、その効果により汚れが落ちやすく、ボディに光沢感やツヤを出すことが可能です。

自分で施工するためのコーティング剤も多く販売されているため、自宅でも施工できます。しかし、どのコーティング剤がよいかわからない、施工方法をもっと詳しく知りたいという人もいるでしょう。

もし、コーティングに関する疑問や悩みがあれば、グーネットピットにご相談ください。専門知識と経験豊富なスタッフがコーティング剤の選択から施工方法、メンテナンスまで丁寧にお答えします。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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