コーティング・クリーニング
更新日:2022.02.28 / 掲載日:2022.02.28
車のコーティングを自分で施工する方法は?下地処理からメンテナンスまで解説!

車のコーティングを自分で施工するとき、何から始めたら良いのかわからない方も多いでしょう。コーティングをムラなく塗り広げ、十分な効果を発揮させるためにはコツや注意点があります。
当記事では、コーティングを自分で施工する方に向けて、失敗を防ぐ正しい手順を解説します。コーティングを塗布する工程だけでなく、準備品や下地処理の段階から解説しますので、施工ガイドとしてお役立てください。
車のコーティングをする前に確認すべきポイント

車のコーティングにも種類がありますが、前提として当記事ではガラスコーティングについて解説します(※ポリマー系のコーティングなどは扱いません)。
ガラスコーティングを自分で施工する前に、施工タイミングや注意点など確認すべき3つの事項があります。失敗を防ぐポイントとなるので、初めての方は特に念入りに目をとおしておきましょう。
「晴れ予報」が出ている朝に着手する
コーティングを施工する際は、最低でもその日1日が晴れ予報のタイミングを狙いましょう。コーティングは初期硬化まで24時間以上を要しますが、その間は水濡れ厳禁だからです。さらに、完全硬化を迎えるまでおよそ1週間~10日かかります。
余計な汚れや水の付着を防ぐ目的から、コーティングは1日で終わらせるのがベストです。翌日に持ち越さないよう、朝方から作業しましょう。
密着性を高めるためにも下地処理を徹底する
新車をコーティングするときはさほど心配ありませんが、ボディが汚れている状態でコーティングすると密着性が下がります。
コーティングを施す前は、洗車をはじめ鉄粉除去や脱脂など、汚れを取り除く「下地処理」を行ないましょう。目に見えない汚れでもコーティングに影響するので、下地処理はコーティング作業のなかでも特に念入りに取りかかるべき工程です。
硬化不良を防ぐために施工後の水分は必ず避ける
施工中や施工後24時間以内に水に触れてしまうとうまく硬化できず、コーティングとしての機能を発揮できません。コーティングを成功させるためには、雨の日や水回りでの作業を避けてください。
車のコーティングを自分で施工する際の簡単な流れ

コーティングを自分で施工する手順は、大きく3ステップに分かれます。作業がスムーズに進むように、まずは全体像を把握しておきましょう。
車の汚れ具合によっても差が出てきますが、下準備だけでも半日近くかかります。体力と根気のいる作業が続くので、体調の良い日に取りかかりるのがおすすめです。
1.下地処理 | 洗車 | 車全体の汚れ除去(約60分) |
細部洗浄 | 溝や隙間に蓄積した汚れの除去(約60~120分) | |
鉄粉除去 | 塗装面に蓄積した鉄粉の除去(約60分) | |
油膜除去 | 頑固な水垢・油膜の除去(約30分) | |
イオンデポジット除去 | 白くこびり付いたイオンデポジットの除去(約30分) | |
ボディ研磨 | 細かい傷の除去(約120分) | |
脱脂作業 | 余分な油脂の除去(約30分) | |
2.コーティング | 塗布 | コーティングを塗りこむ作業 |
拭き取り | 余分なコーティング剤を拭き取る作業 | |
初期乾燥 | コーティング膜を硬化させる初期作業(24時間以上) | |
3.コーティング後のメンテナンス | コーティング膜を長持ちさせるための洗車・汚れ除去 |
車のコーティングを自分で施工する際に必要なアイテム

車を自分でコーティングするときは、事前に用意しておくアイテムが8つあります。「スムーズに終わらせる」という観点から代替が効かないアイテムばかりなので、車の汚れ具合に応じて忘れずに用意しておきましょう。
アイテム名 | 使用目的 |
---|---|
洗車セット | 車全体の汚れを落すのに使うアイテム (普段使っているものでOK) |
鉄粉除去剤(鉄粉取り用粘土) | 鉄粉を効率よく落すアイテム |
水垢・油膜除去剤 | 水垢や油膜を効率よく落すアイテム |
イオンデポジット除去剤 | 頑固な水シミを効率よく落すアイテム |
コンパウンド剤 | 細かい傷を削り落すアイテム |
脱脂剤 | 余分な油分を取り除くアイテム |
コーティング用スポンジ | コーティング剤を塗りこむアイテム |
コーティングの仕上がりを左右する下地処理について

コーティングの仕上がりは下地処理が大きく影響します。納車間もない新車でない限り、基本として下地処理を行ないましょう。
洗車:付着している汚れを全体的に落す
洗車は普段と変わらずに行なって問題ありません。ただし、余計な傷を増やさないためにも洗車機ではなく手洗いがおすすめです。水洗いで軽い汚れを落したあと、カーシャンプー(洗剤)を使いましょう。
水洗いに執着しすぎると、スポンジとの摩擦で塗装面を傷つけるリスクがあります。水洗いで落ちない汚れは、潔く洗剤に切り替えて泡のクッションを使いながら落すのがおすすめです。
細部洗浄:落しきれなかった細かい部分を洗浄
洗車作業で落せなかった細かい部分の汚れを落していきます。エンブレムやパネルなど、凸凹とした隙間に汚れが溜まりやすいので、筆や細かくやわらかいブラシを使って対処しましょう。
プラスチック性のヘラや棒などにマイクロファイバークロスを巻きつけて、細かい部分を洗浄するのもおすすめです。
鉄粉除去:固着した鉄粉を除去
ボディ表面に付着した鉄粉を、鉄粉除去剤を使いながら落していきます。このとき、塗装面への負荷を減らす目的から車全体に鉄粉除去剤を吹きかけるのではなく、パネルごとに対処するのがおすすめです。
また、鉄粉除去剤は鉄粉に反応すると変色(紫色)するので、反応を確認してから作業すると効率的です。
市販品の場合、液体タイプのものが多いですが「鉄粉取り用粘土」を使っても問題ありません。鉄粉取り用粘土のほうが液だれのリスクがないので、初めての方でも扱いやすいでしょう。ただし、力を入れすぎると傷の原因になるため、力加減には注意してください。
水垢・油膜除去:白い水垢や油膜を除去
塗装面に付着した水垢・油汚れ(ワックス、排気ガス、花粉、黄砂)を、水垢・油膜除去剤を使って落していきます。
除去剤はボディが濡れた状態でスポンジに取り出してから使うのがポイントです。およそ40cm四方ごとに細かくこすりながら、水垢と油膜を除去しましょう。水をボディにかけたとき、水滴を弾かず塗装面に馴染んでいたら油膜が除去できている証拠です。
すすぎ残しがあると新たなシミを生み出す要因となるので、しっかりと洗い流してから拭き上げに取りかかります。
イオンデポジット除去:水垢よりも頑固な汚れを除去
水垢・油膜除去剤を使っても落しきれなかった頑固な白いシミ(イオンデポジット)は、酸性洗剤に分類される専用除去剤を使って対処します。酸性洗剤はガラスやメッキパーツに付着すると変色する恐れがあるので、ボディに直接かけずにクロスにとってから使いましょう。
同じ白いシミ汚れでも、水滴がレンズとなってボディが腐食しまった「ウォータースポット」は、イオンデポジット除去剤では落せません。塗装面が陥没している状態なので、研磨剤での対処が必要です。
ただし、素人では研磨剤を使ってもきれいに修復するのが難しく、プロの手助けが必要となってきます。きれいな修復を求めるときは自分で対処するよりも、ウォータースポットを見つけた段階でプロに依頼するのがおすすめです。
ボディ研磨:細かい傷や凹みを滑らかに整える
コンパウンドを使って、落しきれなかった頑固な汚れや傷を研磨します。ボディ表面の凸凹を滑らかにさせることが目的なので、必要以上に研磨しないように注意してください。
コンパウンドを使うときは、およそ20cm四方ごとに気になる箇所をこすります。最後に水に濡れたマイクロファイバークロスで拭き上げたら完了です。
注意点として、コンパウンドは細かい部分に残りやすい特徴があります。細部洗浄の工程が台無しになってしまうので、エンブレムやライト周りなどの隙間はマスキングテープであらかじめ保護しておきましょう。
脱脂作業:ボディに付着した余分な油分を除去する
下地処理の最終項目は、脱脂作業です。ここまで下地処理で使ってきた除去剤の余剰成分や油分を、アルコール系の脱脂剤を使って拭き取っていきます。
脱脂剤を使うときは。ボディ表面に対して均一に塗り広げるイメージで行なうのがコツです。車全体に脱脂剤を塗りこんだら、乾いたマイクロファイバークロスで拭き上げましょう。コーティングの密着力に影響する作業なので、丁寧かつ念入りに行なってください。
自分でコーティング剤をきれいに塗布するコツ

下地処理を終わらせたあとは、コーティング剤を塗布します。コーティング剤にもスプレーやスポンジに取り出すタイプなどさまざまな種類がありますが、基本的なコツは変わりません。塗りムラや失敗を防ぐには、一つずつ丁寧に施工しましょう。
20~30cm四方を目安に丁寧に塗布
コーティング剤を一度に塗り広げると、厚みを整える前に乾いて仕上がりにムラが出ます。特に夏場は乾燥スピードが早まりやすいので、20~30cm四方を目安に狭い範囲で繰り返し塗り広げていきましょう。
パネルをまたいでしまうと塗りムラが目立ちやすくなるので、20~30cm四方の範囲はあくまでも目安としてとらえてください。
きめの細かいやわらかい布で拭き上げ
コーティング剤を塗ったあとは、マイクロファイバークロスで拭き上げます。コーティング剤は「塗る」「拭き上げる」を繰り返す作業なので、マイクロファイバークロスは1枚ではなく複数枚用意しておくのがおすすめです。
マイクロファイバークロスにコーティング剤が染み込んでくると、拭き上げが不十分になる可能性があります。これもまた塗りムラの原因となるので、クロスを交換しつつ、気を抜かずに取りかかりましょう。
水に濡れない場所で完全に乾かす
車全体にコーティング剤を施工できたら、ライトを使って塗りムラがないか確認します。すべての工程を終えたら、最後は乾燥です。
少しでも水に濡れると硬化の妨げとなるので、施工から1日以上は必ず水気のない場所で乾燥させましょう。初期硬化が終わるまでは、屋根のある駐車場やガレージで保管するのがおすすめです。
コーティング後のメンテナンスも忘れずに!

コーティングを施工しても、定期的なメンテナンスが必要です。コーティングは汚れの付着や紫外線による塗装劣化を防いでくれますが、完全に弾き飛ばすわけではありません。
塗装膜が守られても、汚れの付着時間が長くなるとコーティング膜がダメージを受けるため、適度に取り除くことが大切です。水洗いが基本とされるコーティング車ですが、汚れがひどい場合は無理に水洗いで落すのではなく、適度にカーシャンプーも使い分けて対処しましょう。
ちなみに、ガラスコーティングの寿命は1~5年ほどです。仕上がりや使用環境など、さまざまな要因によって寿命期間が変動するため、コーティングが弱まったときは塗り替えを検討しましょう。
車のコーティングを自分で施工するのが不安なときは

車のコーティングを自分で施工したくても、「失敗したらどうしよう……」と不安になることもあるでしょう。塗りムラの失敗については、タイミングによってセルフ修復が可能です。
ただし、初めてのコーティング施工は失敗がつきもの。プロのような完璧な仕上がりを求めている方は、業者への依頼を検討しましょう。
施工直後なら失敗してムラができても修正可能!
コーティング剤を塗った直後であれば、塗りムラのリカバリーが可能です。塗りムラが気になる部分に再度コーティング剤を塗りこむと、目立ちにくくなります。
それでも気になるときは、部分的にイオンデポジット除去剤を使ってみてください。ただし、すでに硬化してしまった場合は剥離する以外の方法がありません。あくまでも施工直後のリカバリーに限られます。
業者依頼なら自分でコーティングするよりもさらに美しく
自分でコーティングするより、プロに依頼したほうが仕上がりは優位です。新車のような輝きと滑らかで完璧な仕上がりを求めている方は、失敗リスクが少ない業者への依頼が向いているでしょう。
また、コーティングは根気のいる作業が多いので、手間と時間を削減したい方にも業者への依頼がおすすめです。
グーネットピットなら、最寄りの業者を簡単に探せます。見積もり機能もありますので、複数の業者を比較したいときにも便利です。業者選びで困っている方は、ぜひご活用ください。
まとめ
コーティングを自分で施工するときは、1日以上、晴れていて水に触れない場所を確保して作業することが大切です。環境を確保できたら、コーティング前の下地処理を念入りに行ないましょう。
コーティング剤を塗ること自体はさほど難しくありませんが、その前段階の環境整備や準備に手間がかかります。初めての方ほど見落としやすいポイントなので、時間を意識しながら一つずつ丁寧に取りかかりましょう。
失敗時のリカバリーにかかる出費や作業時間がネックに感じられる方は、完成度が高く安心できるプロに依頼するのがおすすめです。