コーティング・クリーニング
更新日:2024.10.29 / 掲載日:2016.05.10
車のエアコンが薬品臭い?臭いの原因や対処法、予防法をわかりやすく解説

車のエアコンから薬品臭がする場合、冷却水漏れやカビ取り剤の残留が原因として考えられます。また、エアコン内部のカビや汚れなどによって、異臭が発生することもあります。
これらの臭いは、車両トラブルや健康被害につながる恐れがあるため、放置せず適切に対処しましょう。
この記事では、車のエアコンの臭いの原因と対処法、そして予防策などについて解説しています。車のエアコンの臭いが気になる人は、ぜひご覧ください。
1. 車のエアコンが臭い原因
エアコンからの異臭は、さまざまな原因によって発生します。
ここでは、エアコンが薬品臭いと感じられるケースと、その他の臭いの原因についてくわしくご紹介します。
(1) エアコンが薬品臭い原因
車のエアコンから薬品臭がする場合、冷却水の漏れやカビ取り剤の使用が原因として考えられます。
①冷却水漏れ
車のエアコンから甘い薬品の臭いがする場合、冷却水が漏れている恐れがあります。
冷却水は、エンジンの熱を冷ますために使われる液体ですが、エアコンの暖房機能にも関わっています。冷却水には、エチレングリコールという成分が含まれており、この成分が甘い薬品のような独特の臭いを発するのです。
そのため、ラジエーターやヒーターコアから冷却水が漏れると、外気導入でエアコンを使用した際や暖房を稼働した際に、甘い薬品のような臭いを感じます。以下に該当する場合は、冷却水が漏れている可能性が高いでしょう。
・車の下に液体が広がっている
・冷却水の減りが早い
なお、冷却水の色は緑やピンク、青などさまざまです。
②カビ取り剤
車のエアコンを稼働した際に薬品臭い場合、過去に使用したカビ取り剤が原因の可能性があります。
たとえば、カビ取り剤がエアコン内に残留してしまい、エアコンを稼働させた際にその薬品の臭いを感じることがあります。
カビ取り剤の使用後、十分に換気できていなかった場合や、すすぎ残しがあった場合にカビ取り剤が残留しやすいでしょう。
(2) 薬品臭さ以外の原因
車のエアコンから薬品臭ではない異臭がする場合、主な原因はエバポレーターのカビやエアコンフィルターの汚れです。
①エバポレーターのカビ
エアコンを稼働させた際にカビ臭さを感じた場合、エバポレーターに発生したカビが原因でしょう。
エバポレーターは、車のエアコン内部にある重要なパーツです。冷蔵庫と同じように、冷媒という物質を使って冷たい風を作り出す役割を担っています。
エバポレーターはエアコン稼働中、常に冷たい空気に触れているため温度は約10度位まで下がり、周囲との温度差によって結露しやすい状態になります。
結露によって溜まった水滴はある程度車外に排出されますが、残った結露によって湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境になるということです。
発生したカビはエアコンを稼働した際に車内に拡散されるため、カビ臭いと感じるのです。
②エアコンフィルターの汚れ
車のエアコンフィルターは、外気や車内から取り込まれた空気中のゴミ、カビの胞子、ホコリ、花粉などを除去する役割を担っています。
しかし、使用し続けるうちに、これらの汚れがエアコンフィルターに蓄積され、臭いの発生源となります。
さらに、蓄積した汚れはカビの発生につながり、結果としてカビ臭さを引き起こす可能性があるのです。
2. 車のエアコンが臭いときの危険性
車のエアコンから発生する臭いは、ただ不快なだけでなく、車やわたしたちの健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
エアコンの臭いを放置した際の、危険性について解説します。
(1) 冷却水漏れはオーバーヒートの危険性がある
冷却水はエンジンの熱を下げる役割があるため、冷却水漏れによって不足するとオーバーヒートを引き起こす危険性があります。
オーバーヒートとは、エンジンの温度が異常に上昇し、エンジン内部の部品を適切に冷却できなくなり、エンジンが損傷してしまう状態です。
ピストンやシリンダーヘッドといった主要部品の変形や最悪の場合、エンジンが焼き付いてしまい、走行不能になる恐れもあるでしょう。
そのため、冷却水漏れに気づいた場合は、早急に専門業者に点検を依頼することが重要です。
くわしくは、こちらの記事で解説していますので、ぜひ下記の記事もご覧ください。
(2) カビ臭さは健康に悪影響を与える
エアコンの風に乗ってカビが車内に充満し、それを吸い込むことで健康被害を引き起こすリスクがあります。
とくに、アレルギー体質の人や呼吸器系疾患をお持ちの人、小さなお子さんや高齢者は、カビに対して敏感な場合があるため注意が必要です。
そのため、エアコンを使用した際にカビ臭さを感じたら、すぐに対処しましょう。
3. 車のエアコンの臭いを対処する方法

車のエアコンから異臭が発生している場合、放置すると故障につながったり、健康に悪影響を与えたりする恐れがあるため、早急に対処する必要があります。
ここでは、車のエアコンの臭い対策について、自分でできるものからプロの力を借りるものまで、具体的な方法を紹介します。
(1) 車のエアコン用消臭スプレーを使う
市販の車のエアコン用消臭スプレーは、一時的に臭いを抑える効果があります。
商品によって使い方は異なりますが、エアコンの吹き出し口にノズルを挿入し、スプレーを噴射します。その後、エアコンを稼働させ、10分程度車内を換気するだけと簡単な作業です。
ただし、根本的な解決にはなりません。臭いの原因となっているカビや汚れはそのまま残っているため、再び臭いが発生するでしょう。
(2) エバポレーターを洗浄する
繰り返しになりますが、エバポレーターは湿気がたまりやすく、カビが発生しやすい場所です。
カビが発生した場合、エバポレーターを取り外し、直接洗浄することでカビ臭さを取り除いたり、おさえたりできます。
ただし、ダッシュボードを外すなど、複雑な作業が必要になるため、専門知識や技術、道具がない場合は無理せずプロに依頼することをおすすめします。
プロであれば、強力な洗浄剤や高圧洗浄機などを使い、エバポレーターを徹底的に洗浄してくれるので、より効果的に臭いを除去できるでしょう。
なお、市販の専用クリーナーを使う洗浄は比較的簡単に作業できることから、1年に1〜2回程度が目安です。業者に依頼する場合は費用が高額になるため、臭いが気になった際に依頼するとよいでしょう。
(3) エアコンフィルターを交換する
エアコンフィルターの交換は、エアコンの臭いを解決する対処法としても有効です。
エアコンフィルターに目詰まりしたゴミやホコリは、カビや細菌が繁殖しやすくなる原因になるため、定期的な交換が重要です。目安としては、1年に1回程度交換するのがおすすめです。
エアコンフィルターの交換は、車に合った適切な品番のエアコンフィルターを購入し、助手席のグローブボックスを取り外せば、自分でも交換できます。ただし、交換方法がわからない場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
4. 車のエアコンの臭いを予防する方法

車のエアコンの臭いを取り除くには、手間のかかる作業や高額な費用が発生するため、日頃から予防しておくことが大切です。
予防方法を6つ紹介しますので、これらの方法を実践し、快適な車内空間を保ちましょう。
(1) 冷却水の量を定期的に点検する
冷却水の残量は、エンジンルーム内にある「リザーバータンク」で確認します。確認手順は以下のとおりです。
1. リザーバータンクの位置を確認
リザーバータンクは半透明のプラスチック容器で、側面には「LOW」や「FULL」、「MAX」や「MIN」といったマークが記載されています。
2. 冷却水の残量を確認
冷却水の残量が、上記マークの中間地点にあれば問題ありません。「LOW」や「MIN」マークの下まで減っていれば、冷却水を補充する必要があります。極端に減っていれば、冷却水が漏れている可能性があります。
3. 冷却水の補充方法
リザーバータンクのキャップをゆっくりと回し、冷却水を「MAX」や「FULL」のラインまで補充します。補充できたらキャップをしっかりと閉めましょう。
リザーバータンクの確認は、エンジンが冷えている状態でおこなってください。また、冷却水は、車種やメーカーによって種類が異なります。取扱説明書をよく確認するか、専門業者にご相談のうえ、適切な冷却水を補充しましょう。
(2) 定期的にエアコンフィルターを交換する
エアコンフィルターに付着したゴミやホコリは、カビや細菌の繁殖につながるため、定期的にエアコンフィルターを交換し、清潔な状態を保つことが重要です。
エアコンフィルターの交換時期は、車種や使用状況によって異なりますが、1年に1回、または前回の交換から走行距離10,000km達した頃が目安になります。
(3) エアコン内部を乾燥させる
エアコン内部を乾燥させるために、目的地に到着する10分程度前から、A/Cスイッチをオフ、エアコン温度をLOにして、最大風量で送風モードを稼働させましょう。
冷房使用中はエバポレーターが冷やされ、その表面が結露しやすい状態です。結露によって溜まった水分がエアコン内部に残ってしまうことが、カビの発生や増殖につながります。
水分を残さないためには、エンジンを止める前にエアコン内部を乾燥させることが重要です。
(4) こまめに車内を清掃する
エアコン内部を清潔に保つに、車内をこまめに清掃しましょう。
車内には食べかすや髪の毛、ペットの毛、ほこりや砂など、さまざまな汚れが溜まっています。車のエアコンは車内の空気を取り込んでいるため、これらの汚れを放置すると、エアコン内部に入り込んでしまいます。
その結果、エアコンフィルターに汚れが蓄積し、カビや異臭が発生してしまうのです。
(5) 車内でタバコを吸わない
タバコの煙は車内やエアコン内部にヤニを付着させ、独特の異臭を発生させたり、喫煙者以外の健康にも悪影響を与えたりします。
そのため、タバコは車外で吸うようにし、車内でタバコは吸わないでください。どうしても車内で喫煙する場合は、すべての窓を全開にしてから吸うことで、ヤニや臭いの付着をおさえられるでしょう。
(6) エアコンを使わない時期も稼働させる
エアコンを使わない時期でも、定期的に稼働させることは、エアコン内部のカビや臭いの発生を抑制できます。
エアコンを使用しない期間が長くなると、エアコン内部に湿気が溜まりやすくなり、カビが繁殖しやすくなります。
そのため、定期的にエアコンを稼働させて、内部を乾燥させるように心がけましょう。
5. 車のエアコン・車内清掃を業者に依頼する場合

自身で車のエアコン清掃が難しい場合や、より徹底的にきれいにしてほしい場合は、専門業者に依頼することも検討しましょう。
臭い対策を業者に依頼する場合、主にエアコンフィルターの交換とエバポレーターの洗浄、車内クリーニングの3つの方法があります。
サービス内容 | 費用相場 |
---|---|
エアコンフィルター交換 | 3,000~7,000円 |
エバポレーター洗浄 | 簡易洗浄:5,000~10,000円 高圧洗浄:25,000〜50,000円 |
車内クリーニング | 簡易清掃5,000~10,000円 徹底清掃20,000〜40,000円 |
ただし、汚れ具合や車の大きさ、依頼する業者によって料金設定は異なります。そのため、事前に複数の業者から見積もりを取り、費用とサービスを比較検討することが重要です。
6. 車のエアコンの薬品臭さはグーネットピットにご相談ください
車のエアコンの臭いは、快適なドライブを損なうだけでなく、健康にも悪影響を及ぼします。とくに薬品臭さは、冷却水漏れなどの重大なトラブルにつながる恐れがあるため、早急な対応が必要です。
カビ臭に関しては、消臭スプレーを使うことで一時的に抑えられますが、根本的な解決にはなりません。根本的な解決には、エバポレーターの洗浄が有効ですが、作業には専門的な知識や技術、道具が必要になるため、専門業者に依頼することをおすすめします。
グーネットピットでは、お近くの整備工場を簡単に検索できるので、車のエアコンの臭いにお悩みなら、ぜひグーネットピットをご利用ください。