車検・点検・メンテナンス
更新日:2025.04.15 / 掲載日:2023.04.26
車検証はどこで再発行できる?手続きや費用、車検証がないリスクを紹介

車検証は車を運転するうえで非常に重要な書類です。保安基準適合の証明であるとともに、所有者の確認や車両情報を把握できます。
もし車検証を紛失・盗難・破損し、不携帯のまま走行したら、道路運送車両法違反に該当します。50万円以下の罰金が科せられるため、すぐに再発行手続きをしましょう。
そこでこの記事では、車検証がないリスクや再発行手続きの流れ、費用、日数などをくわしく解説します。
紛失してしまった際、再発行手続きで慌てないために、ぜひ最後までご覧ください。
1. 車検証を紛失したまま運転するのは「違法」
車検証は、自動車が保安基準に適合していることを証明する重要な書類です。
道路運送車両法という法律で、すべての車は安全基準の検査を受け、車検証の交付を受ける義務があります(道路運送車両法58条)。
また、「車検証は必ず車に備え付けておく必要がある(同66条)」と定められているため、車検証を紛失したまま運転すると法律違反にあたります。
(1) 発覚すると50万円の罰金
車検証を携帯せずに当該車両を運転した場合、道路運送車両法違反により50万円以下の罰金が科せられます。
たとえば、スピード違反などの交通違反をした際、警察に車検証の提示を求められます。もし車検証を提示できなければ、交通違反に加えて、車検証不携帯の罰金も科されるのです。車検証の不携帯だけであれば、違反点数は加算されません。
なお、車検証のコピーや写真などは証明として認められません。必ず原本を携帯してください。
(2) 車検も受けられなくなる
車検証は、車に関するさまざまな手続きに必要となります。
・車検の更新 ・住所や車の保管場所(駐車場)の変更 ・名義変更 ・車の譲渡や売却、廃車の手続き |
車検証を紛失した場合は、車検を受けられません。
そして、そのまま車検切れとなった状態で運転した場合は、道路交通法違反となります。6点の違反点数を加算、90日間の免許停止処分、1年6カ月以下の懲役、または80万円以下の罰金が科されます(自賠責保険も切れている場合)。
さらに、住所や車の保管場所(駐車場)の変更、所有者変更の手続きもできません。住所変更後は15日以内に車検証の住所を変更する必要があるため、違反すると50万円以下の罰金です。
名義変更や廃車の手続きもできないため、車を譲ったり処分したりすることもできません。
(3)「車検証の電子化」後も原本は必須
2023年1月より車検証の電子化が進められ、ICチップ付きの電子車検証への更新が進んでいます。
ICチップ付きの車検証は、更新手続きがオンライン上で完結できたり、リコール情報を確認できたりするメリットがあります。
ですが、これらのアプリの利用には車検証の原本が必須です。そのため、電子化された車検証を破損・紛失した場合も再発行の手続きが必要になります。
2. 車検証の再発行の流れと必要書類
車検証を再発行する方法として、自分で頼む方法と、代行依頼する方法とがあります。
それぞれの流れや必要書類、費用などについて紹介していきます。
なお、車検証がない状態では運転できないため、手続きに行く際は公共交通機関などを利用してください。
(1) 自分で申請する場合
自分で申請する場合は、各窓口に出向いて申請することになります。
普通自動車と軽自動車では、必要な書類や申請の窓口が異なりますので注意しましょう。
① 普通自動車の場合の窓口
普通自動車の場合は、使用の本拠の位置(現住所)を管轄する運輸支局、または自動車検査登録事務所で手続きします。
お近くの運輸支局は、以下「自動車検査登録総合ポータルサイト」から検索できます。
・ヘルプデスク:050-5540-2000(平日の8:30~17:00。年末年始は除く)
② 普通自動車の場合に必要な書類
再発行の申請時に必要な書類は以下となります。
書類名 | 記載する内容など |
---|---|
※自動車検査証再交付申請書 | 申請人の名前や、申請する理由などを記載。また、無くした車検証が見つかった場合は返納するという内容も書く |
※手数料納付書 | 手数料分の印紙を貼って提出 |
※本人確認書類 | 免許証・健康保険証・住民基本台帳カード・在留カード・特別永住者証明書など |
理由書 (理由を記載したもの) | 申請書に紛失理由が書いてある場合は提出不要。使用者の記名が必要 |
車検証 | 車検証が汚れたり破れたりして使えなくなった場合は原本が必要 |
委任状 (代理人申請の場合) | 申請書に車検証の登録名と同じ名前の記載がある場合は不要 |
参照:自動車検査証再交付丨関東運輸局
(※の書類は必須)
各書類は、運輸支局などの窓口にも置かれています。
③ 普通自動車の場合の注意点
申請書(第3号様式)は機械で読み取るため、印刷する際には下記の点に注意してください(主要な項目のみ抜粋)。
・種類:「コピー用紙」「普通紙」「PPC用紙」など
・大きさ:A4版(日本工業規格A列4番)であること
・白色度:80%以上であること
・印刷の色:黒であること
・印刷方法:オフセット印刷またはレーザープリンタを推奨
・その他のNG事項:コピー原稿、裏面に印字がある原
なお、2021年以降、申請する際の認印は不要になっています。
④ 軽自動車の場合の窓口
軽自動車の場合、軽自動車検査協会の事務所・支所・分室が再発行窓口です。お住まいの地域を管轄する事務所は、以下「軽自動車検査協会」のWebサイトから確認しましょう。
各事務所のページには、アクセス方法や混雑具合などがまとめられています。
⑤ 軽自動車の場合に必要な書類
再発行の申請時に必要な書類は以下となります。
書類名 | 記載する内容など |
---|---|
※自動車検査証再交付申請書 | 申請人の名前や、申請する理由などを記載。また、無くした車検証が見つかった場合は返納するという内容も書く |
※手数料納付書 | 手数料分の印紙を貼って提出 |
車検証 | 車検証が汚れたり破れたりして使えなくなったような場合は原本が必要 |
申請依頼書 | 本人が申請する場合は不要 |
(※の書類は必須)
各書類は窓口に置かれているため、印刷して持参する必要はありません。必要書類に本人確認できる書類の記載はありませんが、念のため免許証などは持参しましょう。
⑥ 軽自動車の場合の注意点
軽第3号様式の印刷について、普通自動車同様にルールがありますので、以下の点に注意してください(主要な項目のみ抜粋)。
・種類:「コピー用紙」「普通紙」「PPC用紙」など
・大きさ:A4版(日本工業規格A列4番)であること
・白色度:80%以上であること
・印刷の色:黒であること
・印刷方法:オフセット印刷またはレーザープリンタを推奨
・その他のNG事項:コピー原稿、裏面に印字がある原稿
(2) 代行依頼する場合
車検証の再発行の手続きは、それほど難しくはありません。
ただし、受付窓口の対応は平日のみのため、平日働いている人は再発行手続きできない可能性があります。
そのようなときには、お近くの整備工場やディーラー、行政書士に代行を依頼するとよいでしょう。
(3) 再発行までの期間と費用
車検証の再発行にかかる期間と費用は、ご自身で手続きするか、代行業者に依頼するかによって異なります。
① 自分で再発行手続きする場合
普通自動車・軽自動車のいずれの場合も、申請したら即日発行となります。窓口の混雑状況にもよりますが、30分から1時間程度で車検証を受け取れるでしょう。
また再発行の費用についても、書類の事務手数料のみとなります。金額は軽自動車・普通自動車問わず、350円となります(2025年3月時点)。
② 代行依頼する場合
代行依頼する場合は、再発行までに2〜5日程度かかります。手続きにかかる手間は省けますが、再発行した車検証は即日手元に届きません。
申請料350円に加えて、代行手数料が必要となります。金額は業者によって異なりますが、3,000~10,000円程度が相場です。
3. 車検証が盗まれたときの対処法

盗難によって車検証を紛失した場合は、申請書の再発行理由を書く部分に、その旨を明記しましょう。
再発行にあたって、盗難届の受理番号などは必須ではありませんが、記載しておくのが無難です。
また、車検証だけでなく、車両ごと盗難にあった際は車の登録を一時的に停止する「一時抹消登録」という手続きが必要になります。
一時抹消登録の窓口は、車検証の再発行窓口と同じです。
・普通自動車:運輸支局 ・軽自動車:軽自動車検査協会の事務所 |
一時抹消登録をすることで、車両の悪用を防げます。
4. 車検証の再発行に関するQ&A
車検証の再発行に関するよくある質問とその回答をまとめました。
Q:旅先で車検証を無くした場合は?
A:車検証を再発行できるのは、車のナンバー登録している地域の管轄事務所のみになります。ほかの都道府県の窓口では再発行できません。
そのため、近くの警察署や交番で紛失手続きし、登録住所に戻ってから管轄事務所で再発行手続きをしましょう。
Q:紛失した車検証があとから見つかった場合はどうしたらいい?
A:再発行手続き後に紛失した車検証が見つかった場合は、すみやかに手続きした窓口へ返納する必要があります。
Q:電子車検証のICチップが読み込めなくなった場合も再発行が必要?
A:ICチップが読み取れなくなった場合、車検証の再交付申請が必要になります。
5. 車検に関するお困りならグーネットピットにお問い合わせください
車検証を紛失した場合、そのままでは道路運送車両法により運転できません。もし運転した場合、50万円以下の罰金が科せられます。
そのため、車検証の紛失に気づいたら、すぐに再発行の手続きをしてください。手続きは、お住まいの地域を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所、軽自動車検査協会が窓口になります。
必要な書類をそろえ、所定の手数料を支払うことで、新しい車検証が交付されます。もしご自身での手続きが難しい場合は、ディーラーや整備工場に代行の依頼もできます。
業者に代行を依頼したい場合は、下記からお近くの整備工場を簡単に検索できますので、ぜひご利用ください。