車検・点検・メンテナンス
更新日:2023.06.30 / 掲載日:2023.06.30
ガソリンスタンド車検のメリット・デメリットと費用|手続きの流れも解説

ガソリンスタンドで車検を受けることには、手軽さや時間の短縮などのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
この記事では、ガソリンスタンドで車検を受ける際のポイントや手続きの流れ、必要書類、料金について詳しく解説します。
車検を受けるうえでの情報収集にお役立てください。
1.ガソリンスタンド車検のメリット
車が公道を走るためには、道路運送車両法において定められた、車の構造・装置の安全確保や環境保全に関する基準(保安基準)を満たす必要があります。
車検とは、この保安基準を車がクリアしているかどうかを検査する制度です。
車検を受けるには、車検を行っている業者に依頼する必要があります。業者にはディーラーや車検専門店、カー用品店、整備工場などがあり、そのうちのひとつがガソリンスタンドです。
車検をガソリンスタンドで受けるときのメリットには、次のようなものがあります。
1.手軽に受けられる
2.費用が安く済む
3.特典がついてくる場合がある
(1)手軽に受けられる
ガソリンスタンドでの車検には、手軽に受けられるというメリットがあります。
ガソリンスタンドは店舗数が多く、また大半のガソリンスタンドが車検の受付を行っています。また、車検の受付時間帯が長いところも多いため、例えば仕事帰りにも受けることも可能です。
(2)費用が安く済む
ガソリンスタンドで車検を受けると、他の業者と比較して、費用が安く済むのもメリットとして挙げられます。
車検費用は、以下の3つで決まります。
・車検基本料金:点検や検査にかかる費用や事務手数料など、車検をする際に基本的に発生する料金
・その他の費用:部品交換などにかかる費用
・法定費用:法律で定められている費用。「車検基本料金」や「その他の費用」と異なり、どこの店舗で受けても一律
ディーラーや整備工場などでは、車検時に消耗している部品があると、車検をクリアするだけなら問題のない場合でも、車の安全性を考慮して修理や交換などが行われます。そのため、「その他の費用」が高くなりがちで、トータルの車検費用が15万円以上になる場合があります。
一方、ガソリンスタンドは、車検に通るのであれば部品交換や修理を行わないのが一般的です。そのため、「その他の費用」が安いケースが多く、トータル8~10万円程度で済む場合もあります。
また、ガソリンスタンドは、車検業務を追加収益源としているのが一般的です。そこで、他の業者ではなく自分のところを選んでもらえるように、「車検基本料金」も安く設定している場合が多く見られます。
(3)特典がついてくる場合がある
ガソリンスタンドで車検を受けると、ガソリン代の割引クーポンや洗車機の無料利用券などがもらえる場合があります。他にも、無料点検やオイル交換、カーナビ更新など、メンテナンスサービスが受けられる場合もあります。
2.ガソリンスタンド車検のデメリット
一方で、ガソリンスタンドでの車検には、次のようなデメリットもあります。
1.設備が整っていない場合がある
2.代車が借りられない・有料の場合がある
3.専門的な知識が必要な場合がある
(1)設備が整っていない場合がある
ガソリンスタンドによっては、車検用の設備が整っていない場合があります。例えば、
・車両を十分に点検できるほどの査定スペースがない
・検査エリアに専用の機器がなく、検査員が手動で点検している
などです。
このような場合、車両の細かい箇所を見落としてしまう可能性がゼロではなく、後にトラブルが起こる可能性があります。
(2)代車が借りられない・有料の場合がある
ガソリンスタンドは、他の業者と比較して、車検に日数がかかります。ただ、場所が用意できない・管理にコストがかかるなどの理由から、代車を提供していないガソリンスタンドが少なくありません。
また、代車を提供していても、車検費用とは別料金にしているケースがあり、借りることで費用が高くなる場合もあります。
(3)専門的な知識が必要な場合がある
ガソリンスタンドでの車検では、依頼する側に専門的な知識が必要な場合があるのもデメリットです。
前述したように、ディーラーや整備工場などであれば、車検時に、車検とは直接関係ないものの消耗している部品を修理・交換してくれます。
一方、ガソリンスタンドでの車検では修理・交換をしない場合が多いため、自分で対応する必要があり、その際に専門的な知識(例えば、自分の車に適した部品の選び方やメンテナンス方法)が求められます。
もし、そうした知識を身につける自信がない場合は専門業者に依頼することになりますが、そうなると結果的に費用がかさむ場合もあります。
3.ガソリンスタンド車検の費用相場
車検の費用は、「車検基本料金」「その他の費用」「法定費用」で決まります。
ガソリンスタンドの「車検基本料金」の相場は5~7万円程度ですが、車検を依頼するガソリンスタンド・地域によって異なります。また、「その他の費用」は、交換する部品や修理内容によって数千円から数万円まで幅があります。
「法定費用」も、店舗による違いはありませんが、車の種類・大きさによって3万円程度で済むことがあれば、10万近くかかる場合もあります。法定費用の詳細は、下記記事をご参照ください。
以上のように、ガソリンスタンドで車検を受けたときにかかる費用は、条件によって大きく変わります。
後ほど詳しく紹介しますが、車検を受ける前に、何にどのくらいかかるのか、ガソリンスタンドの車検担当者によく確認することが大切です。
4.ガソリンスタンド車検とディーラー車検の違いまとめ
ここまでを踏まえて、ガソリンスタンド車検とディーラー車検の主な違いを以下の表にまとめました。
ガソリンスタンド車検 | ディーラー車検 | |
---|---|---|
費用 | 比較的安い ※トータルの料金が10万円を切る場合もある | 高い ※トータルの料金が15万円以上になる場合もしばしばある |
設備の充実度 | 不十分な場合がある | 十分に整備されている |
修理・部品交換の提案 | ない場合が多い | 提案される場合が多い |
代車の用意 | ない場合が多い | 基本的に用意されている |
ガソリンスタンド車検は、手軽に受けられることが大きなメリットですが、設備が不十分な場合もあるため、注意が必要です。一方、ディーラー車検は、設備が充実していて安心感がありますが、費用が高額になる場合があります。
以上のように、それぞれの特徴を踏まえて選択することが大切です。
5.ガソリンスタンド車検の手続きの流れ
ガソリンスタンドでの車検の大まかな流れは以下のとおりです。
1.車検の見積もりを予約をする
2.必要書類を準備する
3.見積もりを出してもらう
4.車検を予約する
5.点検・検査を受ける
6.車を引き取る
7.新しい車検証を受け取る
(1)車検の見積もりをする
ガソリンスタンドで車検を受ける場合、事前に予約をします。特に、休日や大型連休の時期は混雑するため、早めの予約が大切です。
予約方法は、直接ガソリンスタンドに電話で問い合わせるか、オンラインで予約する方法があります。オンライン予約の場合、業者のWebサイトから手軽に予約できるので、もし用意されていたら活用することをおすすめします。
また、予約時には車両の情報や希望する日程などを伝える必要があります。
(2)必要書類を準備する
ガソリンスタンド車検を受けるためには、以下の書類が必要です。
・車検証
・自賠責保険証
・自動車税納付証明書
また、印鑑も必要なので忘れずに用意しましょう。
(3)見積もりを出してもらう
予約した日時に、必要な書類を持って訪問します。担当者に車の状態を見てもらい、車検費用の見積もりを出してもらいます。
(4)車検を予約する
見積もりを確認し、納得がいったら車検を予約します。車検の費用のうち、法定費用のみこのタイミングで支払います。
(5)点検・検査を受ける
予約した日時に再度訪問し、車を預けます。
点検項目には、灯火類、ブレーキ、タイヤ、ステアリング、サスペンション、排気ガス、騒音などがあげられます。それぞれ法律で規定された基準に合致しているかを検査されます。
主な点検項目 | 点検内容 |
---|---|
灯火類 | ヘッドライト、テールライト、ウィンカー、ブレーキランプ、フォグランプなどを点検。明るさや向きが規定に合致しているかを確認 |
ブレーキ | 制動距離や利き具合を検査し、正常に作動しているか確認 |
ステアリング | ベルトの緩みや損傷がないか、オイルの量は適切かなどを確認 |
サスペンション | 車体を揺らして貼り付いている部分はないか、異音は出ていないかなどを確認 |
排気ガス | 専用の機器を用いて排出ガスの濃度を測定。規定に合致した数値か確認 |
騒音 | エンジン回転数を一定に保ちながら、指定された場所からの音の大きさを測定。規定に合致した数値か確認 |
以上の点検・検査をクリアすることができれば合格となります。
(6)車を引き取る
車検が終わった連絡を受けたら、車を引き取ります。合格の場合は、保安基準適合標章がフロントガラスに貼られているのでチェックしておきましょう。不合格の場合は、修理や部品交換などを行って再度受ける必要があります。
また、このタイミングで、車検費用の残額分(法定費用を引いた分)を支払います。
(7)新しい車検証を受け取る
運輸支局から、1週間程度で新しい車検証と検査標章(車検証の有効期限が記されたステッカー)が送られてきます。受け取ったら速やかに車検証は車の中に入れ、検査標章は保安基準適合標章を剥がして同じ場所に貼り付けます。
6.ガソリンスタンド車検を受ける際の注意点
最後に、ガソリンスタンドで車検を受けるときの注意点をご紹介します。
(1)信頼できる業者を選ぶこと
ガソリンスタンドで車検を受ける際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。下記を調べておくとよいでしょう。
・車検を受けた人の口コミや評判
・インターネット上の車検専門サイトやレビューサイト
・サービス内容
・スタッフの説明の仕方
・保証制度の内容
信頼できる業者を選ぶことは、安全性の確保やトラブル防止につながる重要なポイントです。
(2)詳細な料金を確認すること
ガソリンスタンドでもらう車検費用の見積もりに不明瞭な部分がないか、きちんと確認しておきましょう。それによって、後から多額の追加費用を請求される可能性を少なくできます。
また、見積もりは複数の業者から取ることも大切です。ひとつの業者だけでは、この金額・内容が普通なのかそれとも違うのか、判断が難しいこともあります。複数の見積もりをもらい、比較することで、より自分に適した業者が選べるようになります。
7.車検に関してお困りならグーネットピットにお問い合わせください
ガソリンスタンドでの車検は、手軽に受けたい人や車検費用を抑えたい人に向いています。
一方で、自分で部品を交換するのに自信がない人や、初めて車検を受ける人は、他の業者を受けたほうが無難です。特にディーラー車検は、修理・交換が必要な部品があることを向こうから提案し、さらに最適な交換品を用意してくれます。
このように、車検を実施している業者は、人によって向き・不向きがあります。
この記事を読んで、もしガソリンスタンド以外の選択肢もおさえておきたい、とお考えでしたら、ぜひグーネットピットにお問い合わせください。車検に関して知識豊富なスタッフが真摯にアドバイスいたします。