車検・点検・メンテナンス
更新日:2021.04.14 / 掲載日:2021.03.09
ワイパーのビビりは何が原因?症状や解決策について

車を運転したことがあれば、誰もがワイパーのビビりを経験しているでしょう。このビビりがなぜ発生するのか、疑問に感じたことはありませんか?
ワイパーは使用し続けると徐々にゴムが摩耗するので、定期的に交換が必要です。ワイパーのビビりが発生したら「そろそろ交換時期かな?」と目安にしている方もいるかもしれません。
しかし、実はワイパーのビビりにはさまざまな要因があり、摩耗していなくても発生する可能性があるのです。
今回は、ワイパーのビビりの発生原因や症状、解決策について解説します。
ワイパーのビビりとはどんな症状?

ワイパーのビビりとは、ワイパーが波打つような不自然な動きとともに、「ズズズ」「ガガガ」というような音が発生する現象です。小雨のときなどウィンドウの湿り気が少ない状態でワイパーを動かすと、発生しやすくなります。
ビビりが発生すると不快なだけでなく、ワイパーを動かしてもガラスに筋が残るなど視界不良につながり、危険です。また、本来ならワイパーが拭き取ってくれる雨や汚れなどがフロントガラスに残ってしまい、洗車しないと取りきれません。
もし、運転中にワイパーからビビり音が聞こえたら、それはワイパーゴムやワイパーブレードの交換のサインです。早めの交換を行なってください。
ワイパーのビビりを放置するとどうなる?
ワイパーのビビりを放置すると、音や視界不良で不快なだけではなく、ワイパーの本来の機能が果たせなくなります。
具体的な症状は以下のとおりです。
散水できなくなる
散水できなくなるということは、雨や拭き跡・拭きムラが残ってしまうということです。あとの「視界が悪化する」にもつながりますが、強い雨の日や夜間、暗い路地の走行で視界が遮られるなどの危険があります。
フロントガラスにゴミが残る
走行中、フロントガラスにゴミや汚れが付着した際、ウォッシャー液を使っても取り切ることができなくなります。
運転中の視界が悪化する
散水できないこと・フロントガラスにゴミや雨水の拭きムラが残ることで、運転中の視界が悪化します。強い雨の日や夜間などでは、前方や対向車線の車との距離がわかりにくくなるなど危険です。
ワイパーの寿命が縮む
ワイパーのビビりは、ゴムの部分にひび割れや裂け目があると発生します。そのため、基本的にはワイパーゴムさえ交換すれば、ビビりの症状は改善するはずです。しかし、それでもビビり音が鳴りやまない場合、ワイパーブレードごと交換することをおすすめします。
これは、ゴム部分の劣化が進行すると、結果的にワイパーブレードにも負荷がかかるからです。ブレードが劣化するとフロントガラスへの押し付け圧が均一でなくなり、さらにワイパー周辺の部品の寿命まで縮まる可能性もあります。
ワイパーからビビりが発生する原因とは?

ビビりの原因は、ワイパーに起因するものと、フロントガラスに起因するものがあります。それぞれ何が原因で発生しているのか、以下で詳細を確認しましょう。
ワイパー側に問題があるケース
ワイパー側に問題があるケースでは、おもに以下の2つが考えられます。
・ワイパーゴムの劣化
・アームの湾曲
ワイパーゴムの劣化は、日光が当たりゴムの水分が蒸発することによって起こります。劣化したワイパーゴムは交換することで直ります。
しかし、アームの湾曲でビビりが発生する可能性もあるので注意してください。
アームが湾曲してしまう理由は、アームが新品で圧力が強すぎること、またはアームの経年劣化が考えられます。他にも、積雪などによる負荷に耐えきれず変形した、という場合もあるでしょう。
アームの湾曲は、自分自身で角度を調整して直すことが可能です。微妙な角度調整が難しい場合には、ディーラーや修理工場などに持ち込むほうが安心でしょう。
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もし、ゴムの劣化やアームの湾曲が見られない場合は、フロントガラス側で問題を起こしている可能性があります。
フロントガラスに問題があるケース
フロントガラスに問題があるケースには、以下のようなことが考えられます。
・ガラスコート剤のムラ
・ワックスなどによる油膜
例えば、ガラスコート剤の厚みにムラがあって表面がでこぼこしていたり、車体のワックスが流れるなどして油膜ができていたりすると、ワイパーのビビりを引き起こすことがあります。
ガラスコート剤をいったん落としてムラのないように塗り直す、油膜を洗剤で落とすといった対処が必要です。
ワイパーのビビり止めの応急処置と対策

ビビりの発生は視界不良につながり危険なうえ、同乗者にとっても不快な音がするので、早めに手を打っておきましょう。
ビビりの症状が出てから慌てて対処するのではなく、ビビりにつながる原因をあらかじめ取り除くことが重要です。ビビりにつながるようなことがないか、定期的にチェックしましょう。
具体的なチェックポイントは、以下となります。
・ゴムにひびや裂け目が入っていないか
・雨天時に拭きムラが出ていないか
基本的には、半年~1年に1度はゴムの交換をするのが理想です。洗車のときには都度、フロントガラスの油膜をきれいに落としておきましょう。
目安の交換時期になっていなくても、ビビりが発生した場合は放置せず、すぐに対策を取ることをおすすめします。できればワイパーブレードごとの交換が望ましいですが、最低限ワイパーゴムの交換だけは行ないましょう。
ワイパーのゴムに塗るタイプのビビり防止用品も販売されていますので、状況に応じて使用するのも一つの方法です。
ワイパーのゴムの種類・特徴
ワイパーゴムを交換する際はさまざまな種類があります。どれを選ぶべきか迷ったときは、以下を参考にしてください。
スタンダードタイプ
スタンダードタイプのゴムは、フロントガラスのコーティングがされていないのであれば、問題なく使用できます。比較的安価で、手頃な価格で購入可能です。
グラファイトタイプ
グラファイトタイプのゴムは、簡単にいうとコーティングされているワイパーです。
撥水コーティングされたフロントガラスに適しています。反対に、フロントガラスをコーティングしていない場合は、グラファイトタイプは適しません。
撥水タイプ
撥水タイプは、グラファイトタイプと同じく、コーティングされているタイプです。グラファイトタイプとの違いは、コーティングされていない通常のフロントガラスでも使用可能な点です。他のタイプと比べて値段は高めですが、高い撥水効果が得られます。
シリコンスプレーが有効?ワイパーゴムの寿命を長くするための対策

フロントガラスの撥水性を高めるために、シリコンスプレーを直接吹き付けるといった手法がありました。一部のドライバーに流行った手法ですが、実際のところ、効果はどれほどのものでしょうか。
結論としては、撥水効果が得られることが検証され、フロントガラスの撥水性は高まります。シリコンスプレー自体は手軽に入手できますし、施工も難しくありません。
しかし、一方で以下のようなデメリットがあります。
・撥水効果が短い
・ワイパーのビビりが発生しやすい
・ガラスの一部で白ムラができる
撥水効果は期待できるものの、このようにデメリットも多いので、あまり推奨はできません。基本的には、ガラスコーティングなど、フロントガラス専用の撥水剤を使用するようにしてください。
なお、撥水剤を塗布するとスタンダードなワイパーゴムではビビりが発生する可能性があるので、グラファイトワイパーを使うことをおすすめします。
ワイパーゴムの寿命を長くするための対策
ワイパーゴムの寿命を長くするためには、以下の対策が有効です。
・フロントガラスの汚れはこまめに取り除いておく
・雪などの悪天候のときは、ワイパーアームを立てる
・ガラス面が乾いている場合はウォッシャー液を併用する
フロントガラスの汚れは洗車することで取り除けるので、定期的な洗車が欠かせません。また、ワイパーアームを立てたり、専用グッズを使ってガラスから離したりすることで、夏場の高温時の劣化や、冬季の凍結が防げます。
まとめ
ワイパーのビビりの発生原因は、ゴムの劣化だけではなく、アームの湾曲やガラス面の問題などさまざまな要因が挙げられます。
ビビりは、ワイパーの寿命を早めたり視界不良にもつながったりするので、日頃から洗車やメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
ただし、アームの湾曲など、ご自身では復旧が難しい場合もあります。そのような場合は、ディーラーや整備工場などに持ち込んで、相談してみるとよいでしょう。
お近くの整備工場をお探しの際は、ぜひグーネットピットをご活用ください。
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