車検・点検・メンテナンス
更新日:2021.11.05 / 掲載日:2021.11.05
車検のおすすめはどこ?各業者の比較一覧|後悔しない選び方とは?
車検期日が迫ってくると「車検の依頼先をどこにしようか」と考える方も多いのではないでしょうか。
車検を依頼する業者・店舗によって、価格はもちろん整備内容や特徴も異なります。高いお金を払うからには、嫌な気持ちにならない、納得・満足できるサービスを受けたいものです。
そこで今回は、車検を依頼できる業者を目的別にご紹介します。おすすめの選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
車検のおすすめはどこ?安全で頼れる業者の選び方
車検を依頼する工場・店舗選びで困っている方に向けて、まずは4つの比較ポイントをご紹介します。
・車検にかかる費用で比較する
・整備内容・担当者の質で比較する
・点検期間・スピードで比較する
・アフターケアやオプションで比較する
1.車検費用で比較する
車検にかかる費用は、「法定費用」「車検基本料」「整備費用(その他)」と大きく3つに分かれています。法定費用は、どこの業者・店舗で受けても変わりません。しかし、車検基本料と整備費用(その他)は、依頼する業者・店舗によって異なってきます。
法定費用 | 車種で決まる固定費用(自賠責保険、自動車重量税、印紙代) |
車検基本料 | 業者・店舗で異なる費用(点検費用、事務手数料) |
整備費用(その他) | 業者・店舗で異なる費用(部品交換費用、その他費用) |
整備費用の多くは消耗品パーツの交換費用であることが多いですが、車検基本料は業者・店舗が独自に設定した費用が算出されます。そのため、安さを重視している方は十分な比較が必要です。後述に費用の違いも解説しますので、そちらもご覧ください。
2.整備内容・担当者の質で比較する
車検に通過できても、必ずしも車が万全な状態とは言い切れません。担当した業者・店舗の質が悪ければ、最低限の整備のみで終わっている可能性も否めないでしょう。
また、国家資格保有者が在籍していても、実際に担当した人は別の人だったというケースもあります。
車検項目は最低限の基準なので、点検・整備後の安心を重視している場合は、業者・店舗全体で質の高い場所を選ぶことが大切です。
3.点検期間・スピードで比較する
車検を依頼する業者・店舗によって、点検期間・スピードも異なります。特に、認証工場と指定工場では検査資格の保有有無が異なり、対応スピードに差があります。
認証工場 | 地方運輸局長から認証を受けた特定整備が可能。しかし、車検に必要な点検はできない。車検場に持ち込む時間が発生する。 |
指定工場 | 地方運輸局長に「指定自動車整備事業」の指定を受けた工場。車検場に持ち込む必要はなく、少ない時間で点検を終えられる。 |
指定工場は、その場で車検に必要な点検が可能ですが、認証工場になると別で陸運支局(検査場)に持ち込む時間が発生します。
車を預けてから戻るまでの時間が変わりますので、依頼を予定している業者・店舗の工場がどちらに当てはまるのか確認しておきましょう。
4.アフターケアやオプションで比較する
車検だけではなく、工場・店舗が独自に提供するアフターケアやオプション、無料サービスを比較しておくのもおすすめです。例えば、「エンジンオイルの無料交換」を提供している工場・店舗などがあります。
依頼する場所によって詳細が異なりますので、より満足度の高い業者・店舗を見つけたい方は、ぜひ注目してみてください。
車検のおすすめはどこ?目的別の選び方もおすすめ!
車検の業者・店舗選びに困っているときは、目的別に比較するのもおすすめです。ここでは、「安さ・早さを重視する」「車検後の安全を重視する」の2タイプを想定した選び方を解説します。
安さや早さを重視するなら……
「少しでも安く車検に必要な費用を抑えたい」「少しでも早く車を受け取りたい」という方は、車検に通るために必要な最低限の点検・パーツ交換を行なってくれる業者・店舗を選ぶのがおすすめです。
・カー用品店
・ガソリンスタンド
・車検専門店
・各地域の整備工場 など
車検後の安全・安心という面では、予防整備のある業者のほうが優れているでしょう。しかし、「パーツ交換時期を少し遅らせる」「次の定期点検で補填する」などの対策をとることで、一括で払う金額を減らし、対応の早いサービスを受けられます。
実績と経験が豊富な業者であることはもちろん、相談しやすい工場・店舗を選ぶのもコツです。
車検後の安全を重視するなら……
車検項目をクリアするだけではなく、そのあとの安全・安心も確保したいという方も多いでしょう。そのようなときは、以下のような業者・店舗への依頼をおすすめします。
・純正パーツがそろうディーラー
・整備士資格者が多く在籍する指定工場
・愛車を理解している購入店舗
・日頃から利用しているメンテナンス工場 など
依頼先を決める大きなポイントは、愛車の状態やドライバーの走り方・癖までを理解してくれている店舗・工場であることです。車検項目の枠を超えた、きめの細かいサービスを求めている方は、ぜひチェックしてみてください。
タイプ別!車検業者の比較表一覧
車検を依頼できる業者・店舗は、大きく5つあります。
・正規ディーラー
・カー用品店
・ガソリンスタンド
・各地域の整備工場
・車検専門フランチャイズ
どこがどのように違うのか、車検基本料の相場・利点・欠点の3つを比較しましたので、ぜひ参考にしてください。
※車検基本料はあくまでも相場となります。また、金額は2021/09/30時点のものです。
正規ディーラー
車検基本料 | 3万8,000円程度~ |
利点 | ・自社メーカーの整備知識が豊富 ・純正パーツがそろっている ・車検項目の枠を超えた丁寧な整備を期待できる |
欠点 | ・細かい整備まで行なうため、車検に出してから車が戻るまでの時間が長い ・純正パーツが高額で、部品交換があるとトータル価格が上がりやすい |
正規ディーラーでの車検は、整備内容への安心と信頼に大きな特徴があります。自社メーカーの知識が豊富なので、ドライバーが気付きにくい不備・不調にも対応できるのが魅力です。
車検基準だけをクリアするだけではなく、次の点検まで安全に運転できる細かい整備を求めている方に向いているでしょう。
ただ、部品交換が必要になると純正パーツのみの対応となってしまうため、他の工場・店舗と比べるとトータル価格が上がりやすい傾向にあります。
カー用品店
車検基本料 | 1万3,000円程度~ |
利点 | ・指定工場が増えたため、車検に出してから車が戻るまでの時間が早い ・純正パーツだけではなく、代用パーツ(社外品)が豊富で選びやすい ・メーカーにとらわれず依頼できるため、乗り換え後でも利用できる |
欠点 | ・整備知識が豊富だが、ディーラーと比較すると十分とはいえない ・社外品を利用する分、純正に比べ安心感が劣る |
※金額は2021/09/30時点のものです。
指定工場が増えているため、車検に出してから車が戻るまでの「スピーディーな対応」を売りにしているカー用品店が続々登場しています。有名なカー用品店であれば実績も豊富で店舗数も多く、依頼しやすいでしょう。
ただ、純正パーツの扱いが少なく、車の状態次第では社外品を使わざるを得ないケースもあります。カー用品店で対応できない整備は、ディーラーへの再持ち込みが必要になる可能性もありますので注意が必要です。
ガソリンスタンド
車検基本料 | 1万3,000円程度~ |
利点 | ・割引などのキャンペーンが豊富で、安い ・土日祝日でも対応してくれるケースが多い |
欠点 | ・店舗によって車検対応・未対応が分かれる ・整備の質が不安定 ・車検場に車を持ち込む必要があるため即日対応が難しい ・代車手配がないケースが多い |
※金額は2021/09/30時点のものです。
給油場所として利用する機会が多い、ガソリンスタンドでも車検を受け付けています。料金も比較的安く、給油割引やポイント付与などのキャンペーンを実施しているのが特徴です。安さを重視している方にとっては魅力的だといえるでしょう。
ただし、ガソリンスタンドによって整備士の質にばらつきが目立つ傾向があります。認定工場が多いため、即日対応が難しいのもデメリットの一つです。利用しやすい反面、デメリットが目立つため、目的に応じて慎重に判断する必要があります。
各地域の整備工場
車検基本料 | 3万3,000円程度~ |
利点 | ・部品交換の費用が安い傾向にある ・整備士歴の長い人が担当してくれるケースが多い |
欠点 | ・工場によって外車に対応できないケースがある ・指定工場が少なく、車検終了までの時間がかかりやすい |
※金額は2021/09/30時点のものです。
各地域に点在する民間の整備工場では、経験豊富な整備士が多く在籍している傾向にあります。知名度は低いですが、お得意様になると信頼関係を深く結べるのが魅力です。
ただし、整備工場によって対応にばらつきが出やすいため、外車ともなると受け入れを断られるケースもあります。認証工場の場合は車検に出してから車が戻るまでの時間も長くなるので、依頼するかどうかはしっかり見極めましょう。
車検専門フランチャイズ
車検基本料 | 2万円程度~ |
利点 | ・車検費用が比較的安い ・即日対応してくれる店舗も多い |
欠点 | ・部品交換に対応できないケースがある ・車検基準以上の対応が期待できない |
※金額は2021/09/30時点のものです。
車検専門店の魅力は、安くて早い対応力です。基準クリアに必要な整備知識・技術を満たしているため、余計な費用をかけずにシンプルな車検を求めている方に向いています。
ただし、シンプルがゆえに部品交換や車検以上の整備を求めている方にとっては、物足りなさを感じやすいかもしれません。
おすすめだけで判断できない?車検業者を選ぶときの注意点3つ
車検工場・店舗選びで後悔しないためには、「複数の見積もり」「第三者の目線」が欠かせません。車検にかかる費用は決して安くはないため、自分が満足できる工場・店舗を選べるよう3つのポイントに注意してみましょう。
1.複数社に見積もりしてから決める
各業者・店舗に見積もりを取りに行くのは手間がかかりますが、最低でも2社以上は比較するのがおすすめです。業者・店舗次第では、他社の見積もりを持ち込むことで、値引きしてもらえるケースも珍しくありません。
2.見積もりの依頼時期に余裕を持つ
見積もりを取る際は、車検時期に余裕を持って行ないましょう。車検時期が目前になると、気持ちが焦りやすく誤った判断をしがちです。予約が埋まってくると、契約を急かす業者や店舗に言いくるめられてしまうかもしれません。時間と心に余裕を持った行動がおすすめです。
3.周囲の人に相談してから決める
少しでも不安・気になる点がある場合は、ひとりで解決せず、周囲の意見を参考にしてみましょう。満足度は依頼先の担当者との相性も影響してきます。身近に利用経験者がいない場合は、インターネットの口コミも役立ちます。
グーネットピットでは、インターネットから簡単に見積もりの取得が可能です。最寄りの整備工場・店舗を「探したい」「比較したい」という方は、ぜひご活用ください。
車検依頼時の気になるQ&A
最後に、車検依頼に関する疑問とその解決情報をご紹介します。「当てはまる・気になる」疑問がないか、事前にチェックしておきましょう。
Q1:車検業者の見極めで大切なことは?
A.満足できる業者を「費用」「スピード」「整備の質」「その他のケア」で選ぶことです。
ディーラー、カー用品店、ガソリンスタンドは、同じグループ会社でも地域によって担当者の質は異なり、特徴も変わってきます。「どこが良い」とは簡単にはいえないので、実際に足を運んでみたり、見積もりを取ったりして事前調査することが大切です。
Q2:安い車検業者って危ないの?
A.安いからといって必ずしも危ないとは言い切れません。
価格が安くても、車検に必要な検査をしっかりと行なう業者は多く存在しています。整備内容や地域柄など、「なぜ安いのか」の理由を知ることが大切です。
Q3:結局どこの車検業者が安いの?
A.一括払いの費用を抑えたい場合は、ガソリンスタンドや車検専門業者がおすすめです。
車検に必要な最低限の整備を行なう「シンプルなサービス」を提供する傾向が強いため、余分なコストを省きたい方に向いています。
一方、ディーラーは費用が高くなりがちですが、見方を変えれば「安い」ともいえるでしょう。不備・不調を感じるたびに整備工場を訪れる手間を考えると、一度で細かい部分まで整備してもらえるからです。
特に年式の古い車など、不調が起こりやすい場合は結果的にコストが低くなる可能性もあります。
Q4:車検っていつまで?過ぎたらどうなる?
A.車検期日は、車検証や前面の窓ガラスに貼り付けている「検査標章」で確認できます。
ただし、検査標章の表面には「満了月」までしか記載されていないので、具体的な日付は検査標章の裏面、または、車検証で確認しましょう。
車検期日を超過すると、公道を走行できなくなります。車検切れの状態で走行しているのが見つかると、道路運送車両法違反(無車検運行)により「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が発生します。
引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000185
Q5:車検依頼時に代車は借りられるの?
A.代車の貸出は、工場・店舗によって対応が異なります。
代車の貸出があっても、有料となるケースも珍しくありません。また、無料貸出でも代車のガソリン代が必要になるなど、貸出条件も変わってきます。代車が必要な場合は、予約する前の段階で各業者・店舗に確認しておきましょう。
まとめ
車検のおすすめは、「安さ・早さ重視」「整備の質・サポート重視」と大きく2つの目的によって異なります。
安さ・早さ重視の方は、車検専門業者やカー用品店などの必要最低限の整備を依頼できるシンプルな業者がおすすめです。対して、整備の質やサポート重視の方にはディーラーや整備工場を持つ購入店が向いているでしょう。
「安いから悪い」「高いから良い」といったことはなく、依頼する工場・店舗が持つ特徴はもちろん、利用者が求める内容によって選び方が変わってきます。最初から1社に業者を絞り込むのではなく、複数の業者を比較しながら選択しましょう。