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更新日:2021.06.17 / 掲載日:2021.06.16
【2021年版】軽自動車税はいつだれが払う?種別費用と節税のコツ

軽自動車を所有している方なら、必ず支払わなければいけない軽自動車税ですが、「そもそも支払い日はいつ?」「誰が支払うの?」といった疑問を感じている方もいるでしょう。
軽自動車税は自動車税と内容が共通している部分も多くありますが、対象となる車の種類や税額、年度途中の名義変更にともなう税金の取り扱いなど違う部分もあります。
この記事では、軽自動車税の概要・支払い方法・注意点など複雑な内容をわかりやすく紹介します。軽自動車だから適用できる節税方法もありますので、ぜひご確認ください。

軽自動車税とは、軽自動車の所有に対して支払う税金です。四輪車のみならず二輪車も納税の対象です。軽自動車税は、毎年4月1日時点で所有する軽自動車1台ごとに税金が発生し、市区町村に支払います。自動車税と違い、都道府県が支払先ではない点に注意しましょう。
なお、軽自動車税は、車検証の「使用の本拠の位置」欄でも確認できます。
また、のちほど解説しますが、軽自動車税は自動車税のような排気量別に納付額が変動することはありません。税額は購入・廃車のタイミング・新規登録からの経過年数・車種区分によって変わります。
軽自動車税の納税者は誰?
軽自動車の納税者は、自動車税と同じく毎年4月1日時点で車検証に記載のある所有者または使用者になります。
ローンの利用の有無・状況によって所有者ではなく使用者が納税者となることがありますが、一般的に個人名義で車を購入した方すべてが該当します。
軽自動車を手放す際は、名義変更・廃車などの手続きをする時期に注意が必要です。軽自動車税は自動車税と異なり、税金の還付対象とならないからです。4月1日時点の所有者(もしくは使用者)が4月から翌年の3月までの1年分の税金を前払いする形で納付することになっています。
仮に年度途中に名義変更手続きをした場合、税金は4月1日時点の所有者が納付しているため、新しい所有者は納付しなくてすむメリットが得られます。軽自動車を手放す予定の方からすれば、4月1日以前の年度末、つまり3月31日頃までに手続きを終わらせたほうがお得といえます。
なお、通常、納付期限は5月31日に設定されていますが、年度末前後に所有者が代わった場合、誰が納付したのか、納付するのかでトラブルになることがあります。個人同士の譲渡・売買では以下のような事例が多発していますので、知人であっても入念なやり取りを意識しましょう。
・名義変更手続きがスムーズに終わらない
・4月1日以降に手続きが完了したとき、軽自動車税を誰が支払うのかでもめる
・軽自動車税の未納が起こりやすい
納税義務者は4月1日時点で所有者・使用者として車検証に記載のある旧オーナーですが、受け渡し後は実質的に所有・使用するのは新オーナーです。受け渡し時期によっては、旧オーナーが納付を新オーナーに求めるなどトラブルが生じやすい傾向にあります。
軽自動車税の納税通知書はいつ届く?
軽自動車税の納税通知書は、自動車税同様に毎年5月上旬(ゴールデンウィーク前後)に、車検証に記載の住所に届きます。軽自動車を複数所有・使用している場合は、車の台数に応じた納税通知書が届きます。手続きが煩雑になるので紛失しないように注意しましょう。
軽自動車税の支払い期限はいつまで?
軽自動車税の納付期限は、毎年5月31日が基本です。5月31日が土・日曜、祝日などにあたる場合は6月上旬まで延長されます。
ただし、軽自動車税を管轄する自治体によって納付期限が異なる場合もあります。例えば、青森県と秋田県は、軽自動車税・自動車税の納付期限を5月31日ではなく6月末に設定しています。また、2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて軽自動車税・自動車税の納付が困難な方を対象に徴収猶予制度を設けている自治体もあります(※2021年4月時点)。
制度の適用を受ける場合は、申請手続きが必要となりますので、各市区町村の窓口に相談してみてください。
軽自動車税の支払い方法
軽自動車税の支払い方法は、以下のとおり4種類あり、公共料金の納め方と同じ支払い方法になっています。
・納付書で現金払い(金融機関、郵便局、コンビニ、県税事務所や市町村納税課)
・クレジットカード
・ペイジー(インターネットバンキング、ATMなど)
・口座振替
支払い方法に関しても地方自治体によって対応が異なるため注意が必要です。電子マネーに対応している自治体もあるので、上記以外の支払い方法がないか、事前に各自治体のホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
軽自動車税の対象車両とは
軽自動車税の対象となる軽自動車は、以下のように区分されます。
・軽自動車(総排気量660cc以下、3輪含む)
・原動機付自転車
・軽二輪(125cc超250cc以下)
・小型二輪(250cc超)
・小型特殊自動車(フォークリフト、トラクター、農耕車)
軽自動車税の金額は2019年10月から改正された?

2019年10月1日以降に初回新規登録した自家用の乗用車(登録車)を対象に自動車税(種別割)の税率が引き下げられました。しかし残念ながら、軽自動車税に関しては引き下げが行なわれていません。軽自動車税は、2015年4月1日以降に初回新規登録した車を対象とした税額が適用されます。
三輪車および四輪車以上では、以下のように2015年3月31日までに初回新規登録した車と税額が異なります。
種別 | 2015年3月31日までの購入 | 2015年4月1日以降の購入 | ||
---|---|---|---|---|
三輪 | 3,100円 | 3,900円 | ||
四輪 以上 | 乗用 | 自家用 | 7,200円 | 1万800円 |
営業用 | 5,500円 | 6,900円 | ||
貨物 | 自家用 | 4,000円 | 5,000円 | |
営業用 | 3,000円 | 3,800円 |
引用:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html
種別 | 税額 | |
---|---|---|
原動機 付自転車 | 50cc以下 | 2,000円 |
50cc超90cc以下 | 2,000円 | |
90cc超125cc以下 | 2,400円 | |
ミニカー | 3,700円 | |
軽二輪車(125cc超250cc以下) | 3,600円 | |
小型二輪(250cc超) | 6,000円 |
引用:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html
なお、2019年10月1日以降、自動車取得税が廃止され、環境性能割が創設されました。また、現行の軽自動車税は「軽自動車税(種別割)」に名称が変更になっています。
13年以上は負担額増!経年車重課の仕組み
2016年度分から、環境負担の大きい車に対して税負担を重くする経年車重課の仕組みが導入されています。これは、新規登録から13年を経過した三輪・四輪車以上に対して約20%の税率を上乗せするものです。
ただし、電気、天然ガス、メタノール、混合メタノール、ハイブリッドおよび被けん引自動車は対象外です。
種別 | 重課税率 | ||
---|---|---|---|
三輪 | 4,600円 | ||
四輪以上 | 乗用 | 自家用 | 1万2,900円 |
営業用 | 8,200円 | ||
貨物 | 自家用 | 6,000円 | |
営業用 | 4,500円 |
引用:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/102384.html
軽自動車税の注意点

軽自動車税には、滞納による延滞金の発生や車検時に必要な納税証明書の保管など、いくつかの注意点があります。また、軽自動車に関わる税金は、軽自動車税以外にも存在します。
税金関連の仕組みは複雑で敬遠しがちですが、思わぬトラブルを未然に防ぐためにも正しい情報・知識を蓄えておくことが大切です。
軽自動車税を滞納するとペナルティがある
軽自動車税を滞納すると翌日から延滞金が発生し、納税通知書に記載があるバーコードを使用した決済手続き(コンビニ払い)ができなくなるペナルティが科せられます。
また、1ヵ月までの滞納で納付額の2.6%、2ヵ月以上の滞納で8.9%の延滞金が発生します。さらに納付期限日から2ヵ月を過ぎると、車検更新ができなくなるので滞納しないよう気をつけてください。
無連絡・音信不通による滞納が長期化した場合、以下のような流れで書類が届き、最終的に差し押さえが実行されます。
1.期限後に未納を知らせる「催促状または督促状」の到着
2.差し押さえの可能性を伝える「催告書」の到着
3.最後予告となる「差し押さえ予告通知」の到着
4.差し押さえの実行
※上記はあくまでも一例であり、自治体の対応によって変わります。
悪質な滞納行為には、差し押さえだけではなく「3年以下の懲役または250万円以下の罰金」も発生するので、安易な考えで滞納しないよう十分に注意しましょう。
車検更新日に軽自動車税の滞納が解消されなければ、公道を走行できなくなるため、生活に車が欠かせない人は早めの行動が大切です。
軽自動車税の納税証明書は車検に必須
納税証明書は納税を証明する書類です。車検を受ける際には道路運送車両法(第97条の2第1項)の規定により、滞納がないことを証明する納税証明書の提示が必要となっています。
普通自動車は2015年4月から納税証明書の電子化により、一定の条件を満たせば車検時の納税証明書の提出を省略できるようになりましたが、軽自動車は対象外です。納税証明書を紛失した場合は、速やかに市町村で再発行を受けてください。クレジットカードで支払う際は、届くまでに2週間程度の時間がかかる点にも注意しましょう。
軽自動車税以外に発生する税金
軽自動車を所有・使用していると、軽自動車税以外にも、「購入時」「車検更新時」「日常」の3つのタイミングで税金が発生します。以下に、いつ、いくら発生するのかをまとめたので参考にしてください。
税金の種類 | 税区分 | 税額 |
---|---|---|
消費税 | 国税 | 10% |
環境性能割 | 都道府県税 | 軽自動車 0~2% 普通車 0~3% |
※環境性能割は自動車取得税廃止にともなって新設されました。
税金の種類 | 税区分 | 税額 |
---|---|---|
自動車重量税 | 国税 | 車両重量で異なる(エコカー減税の対象) |
税金の種類 | 税区分 | 税額 |
---|---|---|
ガソリン税 | 国税 | ガソリン価格の約50% |
軽油取引税 | 都道府県税 | 1Lあたり32.1円 |
軽自動車税の節約術

軽自動車税は、少し工夫すると節税できる仕組みがあります。軽自動車税に適用可能な特例・減免・軽減制度を使用できない方でも、購入時期や環境性能の低い車を手放すことでトータルコストを削減できる可能性があります。
ここでは、軽自動車税に適用できる4つの節約術をご紹介します。
グリーン化特例を適用する
2019年4月以降に購入した場合、環境負荷に応じて減税されるグリーン化特例を受けられます。燃費性能が良く環境負荷の少ない車は、翌年度の軽自動税が軽減されます。
以下のように該当する燃費性能の軽自動車を選択することで節税する方法があります。
燃費性能など | 2019年4月~2021年3月までの間に購入 | 2021年4月~2023年3月までの間に購入 |
---|---|---|
電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車、グリーンディーゼル車 | 税率を概ね75%軽減 | 税率を概ね75%軽減 |
★★★★(※)かつ2020年度燃費基準+30%達成車 | 税率を概ね50%軽減 | 軽減なし |
★★★★(※)かつ2020年度燃費基準+10%達成車 | 税率を概ね25%軽減 |
※2020年排出ガス基準50%低減達成車または2005年排出ガス基準75%以上低減達成車。
出典:https://www.car-tax.go.jp/ecocar/
購入時期をずらす
軽自動車を年度途中で購入する際は、4月2日以降のできるだけ早い時期がおすすめです。軽自動車税(種別割)は以下のように、4月1日時点の所有者・使用者が1年分を納付する仕組みなので年度途中に名義変更すると税金を払う必要がありません。
3月31日に登録した場合
同年4月1日~翌年3月31日までの軽自動車税を同年5月31日までに支払う必要がある。
4月2日以降に登録した場合
4月2日~翌年3月31日までの軽自動車税を支払う義務は負わない。翌年4月1日~翌々年3月31日の1年分を翌年5月31日までに支払う。
上記のとおり、4月1日を過ぎてから早い段階で軽自動車の名義変更をして所有者・使用者になれば、約1年分の税金を節約できます。数日の違いで大きな差になりますので、春頃に軽自動車を購入しようと考えている方は注意しましょう。
ただしこれは、軽自動車税のみに使える手段です。自動車税の場合は、購入した月の翌月から3月末までの月割りで年度末分までの納付をする必要があります。自動車税の場合は、購入を月初にすることで約1ヵ月分の節税が可能です。
減免・軽減制度を使う
身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などを交付されている方が使用する自動車は、一定の要件を満たすことで税金の減免を受けられます。
詳細は自治体によって異なりますが、指定期日内の申請で適用されます。
申請に必要な書類の一例
・減免申請書、身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれか
・運転する方の運転免許証
・検査証
・納税通知書(4月1日現在で所有している場合のみ)
・障害者の世帯全員の住民票の写し(3ヵ月以内に発行されたもの)
・印鑑
・運転者が障害者の方と同一生計の方の場合、同一生計であることを証明する書類
※上記は一例ですので、詳細は各自治体にご確認ください。
環境負荷が大きい車を手放す
近年では、車の排気ガスによって地球環境に与える影響が世界的に問題視されています。この動きと関連して、2016年度から古い車、すなわち環境に負荷のかかる車に対する税率の引き上げ(重課性)による負担が増加しています。
13年経過した4月1日時点の所有者・使用者に対しては、一定割合で税額が上乗せされるので、環境負荷の大きい車を手放すことを検討してみましょう。
まとめ
軽自動車税は、自動車税と共通して4月1日時点の所有者・使用者に対して1年分の税金が発生します。自動車税と異なり還付制度の対象とはならないため、年度途中の新車購入・譲渡・売却・廃車時は軽自動車税を納付する必要があるかないか確認するようにしましょう。
また、2019年10月から名称が軽自動車税から軽自動車税(種別割)と変更になりました。自動車税は税額が引き下げとなりましたが、軽自動車税は従来の税額と変わりがないので混同しないように注意してください。
今回紹介した軽自動車税の負担を軽くする節税方法を参考に、活用できるものから順に試してみましょう。