車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
ルームミラーなしでも車検に通るのか
車の運転席と助手席間のフロント・ウィンドウ上部についている、後部の安全確認の鏡が「ルームミラー」です。本来の目的は、車を運転する際に後方を確認しやすくするためについているものですが、現在は純正ではないミラーに交換している方もよく見かけます。「後方を確認する」という大切な役割を持っているルームミラーですが、実はルームミラーなしでも車検に通ることをご存知でしょうか。ここでは、車検時におけるルームミラーの必要性を中心に解説します。
結論から言うと、ルームミラーがついていなくても車検には通ります。ルームミラーとは、厳密には自動車室内の「バックミラー」の一部とされ、インサイドミラーと呼ばれることもあります。道路運送車両法の保安基準・第44条に記載されている「後写鏡」とは、バックミラーのことを指しています。バックミラーの定義は、「車の後方を視認するための後写鏡」であり、構造上、目視により後方視認が行えないトレーラー以外の車両全てに装備義務があるものとされています。
さらにバックミラーは、「車外のアウターミラー」と「室内のインナーミラー」に大別され、後者にはさらに「事故などで衝撃を受けた時、乗員のケガを防ぐために脱落する構造(可変式もしくは脱着式)であること」が求められています。いわゆるルームミラーとは、後者の「室内のインナーミラー」に属しているため、車検時についていない状態(脱落式=取り外し可能)でも問題はないと定義されています。
車検の前にルームミラーを交換する際に注意すべきことは?
車を購入した際についている純正のルームミラーは、脱着可能な構造になっています。そのため、「取り外して交換できる」という点を利用して、曲率の異なるワイドタイプやリヤカメラの映像を映すタイプなど、大きさ・デザイン・用途から自分好みのルームミラーへ交換することができます。ルームミラーには様々なタイプがあり、カー用品店などにも数多く店頭に並んでいることもあり、手軽さからも人気の高いアイテムです。ただし、ルームミラーを交換する際には、上記に挙げた「衝撃を受けた時に脱落する構造であること」という点に十分注意してください。せっかく交換しても強度不足や前方の視界を遮るようなルームミラーは、かえって車検の妨げになる可能性もあるので、販売店に確認することをおすすめします。
車検において重視されるのはどのミラー?
車検で重視される「後写鏡」とは、「ドアミラー」あるいは「フェンダーミラー」などのサイドミラーのことを指しています。これらのミラーは車体の外部・左右両サイドについているものなので、運転手席から左右後方の交通状況を確認するには欠かせない重要な保安部品です。サイドミラー類(フェンダーミラーやドアミラー)は、「取付位置や角度」「風圧や振動で動かない構造であること」「歩行者を守るために可倒式(衝撃を受けると車のボディ側に倒れる)」などの道路運送車両法の保安基準第44条の細則である(第1節)第68条に則った項目により車検ではチェックされます。ルームミラーなしでも車検には通りますが、ドライバーからの死界を減らすためにも、あえて取り外すメリットもないのが実情と言えるでしょう。ルームミラーを有効に使い、普段から後方確認に気をつけた安全運転に心がけましょう。