車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
車検切れで事故を起こすとどうなる?罰則や罰金・任意保険の補償は?

車検切れの車は、公道を走行してはいけないと法律で定められています。では、もしも車検切れの車で事故を起こしてしまったらどうなるのでしょうか?
今回は、車検だけでなく自賠責保険も切れている状態で事故を起こした場合の罰則や罰金、任意保険の補償、事故相手が無保険だった場合について解説します。
車検切れ+自賠責保険切れの車で走行中に事故を起こした場合
車検切れ+自賠責保険も切れているということは、事故の賠償費用に自賠責保険が使えず、すべての費用を自己負担することになります。
賠償金を支払えない場合は、財産を差し押さえられたり、今後受け取る給与や賞与までも賠償金に取られてしまうことになります。自分の家族に迷惑をかけてしまうのは確実ですし、自己破産すればローンが組めないので、今後家や車を買う事もできなくなるでしょう。
また、無車検及び無保険運行は物損事故の場合、違反点数12点が加算され一発で90日間の免停となります。罰金刑や懲役刑が課される可能性も十分にあり、前科がある場合は刑がより重くなるでしょう。
さらに、人身事故であれば被害者の怪我の程度に応じて事故点数が加算される上、被害者の負傷程度、事故の原因などによって懲役刑もしくは罰金刑が課されます。社会的信用も失くしますから、その後の人生もお先真っ暗になってしまいます。
“任意保険があるから何とかなる”というのも間違いで、車検切れから1ヶ月は適用期間になることもありますが、大抵の任意保険は契約や更新にも車検証が必要です。当然、「故意」に車検を更新しなかったり「重大な過失」がある場合は補償してもらえません。
そもそも、「車検切れの自動車の場合は補償の対象外」となっていることが多く、補償されたとしても減額される場合がほとんどです。長い間無車検・無保険の状態で車を運転している場合は、知らなかったでは済まされないですし、悪意や違法性が高いと認められれば罰則を受けます。 場合によっては、交通刑務所で服役する可能性もあるでしょう。
事故の相手が無保険車だった場合
裁判で賠償金が発生しても、加害者が無保険では被害者に賠償金が支払われる確率は低いです。それだけでなく、ケガをした場合の入院費用や車のレッカー代、修理費用やその間の代車費用など、加害者が支払うはずの費用も、加害者の資力が低い場合、自分の任意保険の補償で対応するしかありません。
また、加害者が後で費用を支払う場合も、一度立て替えて支払わなければいけません。車の修理費用や怪我の治療費など、自分の保険を使うか自腹で立て替えるかしかないのです。しかも、自分の保険から支払うと当然等級は下がってしまい、その後の保険料金は高くなってしまいます(保険会社にもよります)。
強制執行して財産を差し押さえすることもできますが、加害者に支払い能力がなかったり差し押さえるほどの財産がなかったりすると、損害賠償額を払えず自己破産してしまう加害者も多くいます。悪意や過失があった場合は自己破産しても責任は残りますが、ちょっと目を離したくらいでは免責になってしまいます。
最悪の場合を想定して、任意保険の「人身傷害補償保険」や「無保険車傷害保険」に加入していると、事故時の相手が無保険でも補償が適応されますが、保険料金がその分高くなってしまうようでは迷ってしまいますよね。
政府保障事業へ請求する
先述のような無保険車による事故やひき逃げなど、加害者から賠償を受けられない場合、政府の保障事業に請求することができます。これは加害者にかわって国(国土交通省)が立替払いしてくれる制度で、損害保険会社(組合)の窓口を通して請求することができます。
・国土交通省「政府保障事業について(ひき逃げ・無保険事故の被害者の救済)」
・http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/accident/nopolicyholder.html
結局どうするべきか?対処法はある?
「車検切れの車では公道を走らない」という事が重要です。
“少しの距離だし大丈夫だろう”という一瞬の油断が、その後の人生を狂わせてしまうのです。そして、“あの時なんで乗ったりしたんだろう”と、一生後悔し続けることになるでしょう。そうならない為にも、車検切れの車で公道を走行するのはやめましょう。
そうすれば、車検切れの車が公道で事故を起こすことはなくなりますし、事故の相手が無車検無保険という事もなくなります。
まとめ
今回は、車検と自賠責保険が切れている状態で事故を起こした場合の罰則や罰金、任意保険の補償、事故相手が無保険だった場合について解説しました。
無車検及び無保険運行で事故を起こすと一発で免停となってしまいます。事故の程度によっては罰金刑や懲役刑が課され、社会的信用も失います。任意保険でも補償されない場合が多く、補償されたとしても減額されることがほとんどです。
また、事故相手が無保険だった場合、裁判で賠償金が発生したとしても支払われる可能性は低いです。大体は自腹で立て替えるか、任意保険から支払うことになるでしょう。しかし、自分の保険から支払うと等級は下がってしまい、その後の保険費用は高くなってしまいます。
車検や自賠責保険が切れた状態で事故を起こしてしまうと、取り返しのつかないことになります。そうならない為にも、車検が切れた車で公道を走行するのはやめましょう。