車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
車検のサイドスリップ検査を通過する調整のコツ
車を所有していると必ず受けなければならない車検ですが、毎日の生活で車を使うドライバーにとっては、できるだけスムーズに車検を短期間で終わらせたいものです。ユーザー車検を実施したことのある人以外は、車検ではどんな項目の検査を行うのか今一つわからないのではないでしょうか。車検で確認する項目は数多くありますが、なかでも車検の検査ラインでよく引っかかるのがサイドスリップ検査です。検査ラインで不合格と判定されてしまうと、再整備が必要になるため、忙しいドライバーには頭の痛い問題となります。今回はユーザー車検を受ける際の検査項目である、サイドスリップの説明と車検を通す調整のコツについて説明していきます。

あまり耳慣れない言葉であるサイドスリップ検査ですが、車を安全に走行させるための非常に重要な検査項目です。サイドスリップ検査とは、ハンドルをまっすぐに保持した状態で直進したときにどのくらい左右にずれるかを測定するものです。「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第91条」で定められているサイドスリップの基準値は、1m走行したときの横滑り量が5mmを超えると基準に適合しないとされています。サイドスリップを測定する理由ですが、一般的に車のタイヤは直進性を高めるためにまっすぐではなくわずかにトー角といった角度が付けられています。
トー角は前輪を縁石などにぶつけてしまったときや、段差を勢いよく乗り超えたときなどに変化する可能性があります。車が正常に直進するかどうかを見極める検査となります。
参考:
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_091_00.pdf
サイドスリップ検査を通すためのコツとは?
サイドスリップ検査を一発で通すコツはあるのでしょうか?車検を業者に依頼する場合は、自分でサイドスリップ検査を行う必要はありませんが、ユーザー車検を行う場合は、車検時にサイドスリップの事前整備をするか、自分でもサイドスリップテスターと呼ばれる簡易的な道具で車のサイドスリップを検査しておくと安心です。自分で車検を通す場合は、サイドスリップ検査でも自分で車を運転します。この時のコツとして、サイドスリップテスターを通過する際、ハンドル操作を行わないことが重要です。検査場に進入する時も、前輪が進入線に対してまっすぐになるよう心がけます。また、サイドスリップ検査前にはタイヤの空気圧を適正に調整し、タイヤの横滑りを抑え、不合格になる可能性を減らします。
サイドスリップ検査に落ちた際の調整費はいくらくらい?
万が一、サイドスリップ検査に落ちてしまった場合は、整備工場や専門店で調整してもらう必要があります。ホイールアライメント全般の測定・調整はおおよそ20,000~30,000円程度が目安となります。車検の前に事前検査を行うことで、検査場で不合格になるリスクを防ぐことができます。車の直進性を検査するサイドスリップは、車検のときだけではなく定期的に検査や調整を行うことで、ふらつきのない安定した走行が可能になります。特に「前輪を強く縁石にぶつけた」「段差に強く乗り上げた」「側溝へ脱輪した」などの後に、ハンドルが取られるようであれば、早めにチェックを行うことをおすすめします。